?あ ?い 'い ?う 'う ?え 'え ?お 'お か き く け こ さ し す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の は ひ ふ へ ほ ま み む ?め め も ?や や ?ゆ ゆ ?よ よ ら り る れ ろ ?わ わ ?ゐ ゐ ?ゑ ゑ ?ん ん
琉和辞典もいよいよ完成である。「沖縄語辞典」のすべてのローマ字を漢字かな交じりに訳し終えて、感じたこと、考えさせられたことなどを書くことにする。「沖縄語辞典」は首里ことばを基準にしている。琉球王国時代の沖縄は、士族が人口のおよそ三割をしめていた。三人に一人の割合である。薩摩藩も大体その割合であった。過激な言い方をすれば、三割の士族が七割の平民から搾取をしていたのである。「恨(うら)む比謝橋(ひじゃばし)や情(なさ)き無(ね)ん人(ふぃとぅ)ぬ吾(わん)渡(わた)さとぅむてぃ架(か)きてぃ置(う)ちぇら。」適(かね)え[年貢]の肩代わりに那覇の遊郭に売られていく貧しい農民の娘の悲哀の歌である。作者は吉屋鶴(ゆしやちるう)、吉屋は遊女屋の名前である。沖縄戦で壊滅した首里城はその年貢の上に建てられていた。琉球王国が美しく輝かしいものであったというのは幻想なのである。「首里ことば」は、首里に住む士族の言葉だった。首里の士族は階級意識が強く、自分たちに大きな優越感を持っていた。「首里ことば」には階級意識が隅々まで現れているのである。「沖縄語辞典」の著者もまたそのような士族の出身であり、著者自身にもそのような階級意識が無意識に現れるのである。貴族という言葉が何度も登場するが、貴族とはいったいどのようなものであるのか。非常に違和感を感じる。平民という語もそうである。「沖縄語辞典」は人口の七割をしめた「平民」とその子孫の言葉ではないのである。私の祖先は、宿取(やあどぅ)い、と呼ばれ、首里から現在の名護市三原に移住した士族で第一尚氏、唐名(からな)は孫(そん)、名乗り頭は「嗣」である。(こういうことを書くこと自体が階級意識の顕著な現れである。)NHKドラマ「テンペスト」で、仲間由紀恵が演じた「孫寧温」は私の先祖がモデルである。(フィクションにも一応モデルはある。)私自身は「首里ことば」のネイティブではない。私にも「首里ことば」に対する劣等感があり、7割の平民の子孫はなおさらである。現代を生きる沖縄人はいまだに、琉球王国の階級意識の呪縛から抜け出せないのである。祖先を祭る年中行事の多い沖縄人は意思とは関係なしにいまだに琉球王国時代の階級意識のもとで生きているのである。「沖縄語辞典」は7割をしめた平民の子孫の言葉ではない。しかしながら、琉歌、組踊などの言葉は「首里ことば」を基準にできている。「首里ことば」は、標準的な文化語だったのである。7割の平民の子孫は自分たちの言葉ではない「首里ことば」をおろそかにすることができないのである。「首里ことば」によって表現された世界があまり美しいものではないからといって「首里ことば」そのものが美しくないということにはならない。どのような言葉でも、世界のあらゆることを表現することができる可能性を持っている。その可能性こそが言葉の偉大さである。さて、皮肉ではあるが本質的なことには、沖縄人には消滅すべき階級意識がいまだに残っているのに対して、肝心で最も大切な自分たちの「琉球語」そのものが消滅の危機にあることだ。復元を急ぐべきは、「首里城正殿」ではなく、「琉球語」なのではないのか。
?ん
「ん」で始まる語が琉球語にはあるの?「ん〜」は琉球語に限らず世界の言語においてそれほど不思議な現象ではない。アフリカのチャドという国の首都は「ンジャメナ」である。ヨーロッパの言語で「ん」で始まる語は無いようである。おもしろいことに、平安時代の日本語には「ん」で始まる語があったようだ。岩波文庫・橋本進吉著「古代国語の音韻に就いて」p159の(5)より引用する。[「うめ(梅)」「うま(馬)」「うまる(生)」「うばら(薔薇)」のようなマ音の前の「う」は、第一期においては、u音であったと思われるが、平安朝に入ってから、次のマ行音またはバ行音の子音(mb)に化せられてm音になった(仮名では「む」と書かれた)。このm音は、音の性質から言えば、現代の「ん」音と同一のものである。]琉球語の「?ん」の次に来る音は、「b」、「m」、「n」、「z」の4音である。「b」、「n」、「m」の前の「?ん」は、「ん」の前に軽く「ぅ」と発音するような感じである。というよりも、「b」、「n」、「m」の前の「う」が「ぅ」のようになって「ん」と同化されたいうべきか。簡単に言えば、完全に「ん」にはならないで、「ぅ」という母音が若干残っている感じである。「ぅん」で一音である。同じように、「n」、「z」の前の「い」が、「ぃん」のように変化する。つまり、「?ん」の発音は、「ぅん」または、「ぃん」ということである。どうしても発音しづらい場合は、「ぅん」を、「う」と「ぃん」を、「い」と発音しても通じるし、「ん」と発音してもだいたい通じる。なお、母音が残らずにほぼ完全に「ん」となってしまったのが、「’ん」であり、「ん」の項で扱われる。
ぃんじ⓪: (感) そうか?ほんと?話の真偽を確かめる時発する語。 @ぃんじ彼(あ)
ん有(や)み。/そうか。 @ぃんじ然(さ)い。/そうですか。(男が目上に確かめ
る場合)。
出入(ぃんじい)り@: (名) 出入り。出はいり。
出(ぃんじ)かあ入(い)りかあ⓪: (名) 出たりはいったり。頻繁に、また親しく
出入りすること。また、物事の動きが激しいこと。 @出(ぃんじ)かあ入(い)り
かあぬ多(うふ)さん。/出入りが多い。 @出(ぃんじ)かあ入(い)りかあ為(し
ゅ)ん。/動詞化。
出口(ぃんじぐち)⓪: (名) 出口。
出固(ぃんじくふぁ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (茶などが)濃く出過ぎる。
出装(ぃんじすが)い⓪: (名) 出発の準備。 ※沖縄語辞典、⓪?が抜けている。
出立(ぃんじた)ち⓪: (名) いでたち。門出。出発。 @旅(たび)ぬ出立(ぃん
じた)ち。/旅の出発。
出(ぃんじ)てぃ⓪: ‐ぬ 出(ぃんじ)てぃ、の項参照。 ※意味不明。編集ミス?
出(ぃんじ)而居(とお)てぃ⓪: ‐ぬ 出(ぃんじ)てぃの項参照。 ※意味不明。
編集ミス?
出端・出花(ぃんじばな)⓪: (名) @出はな。出たとたん。 A茶の出花。 B市
場の初物。はしり。
出外(ぃんじはん)ぐぃ@: (名) 放蕩。家出。出奔。 @出外(ぃんじはん)ぐぃ
為(しゅ)ん。/※動詞化。
出端(ぃんじふぁ)⓪: (名) 支出。支出高。
出船(ぃんじふに)⓪: (名) 出船。出帆。
出船(ぃんじふに)御祝(ういうぇ)え⓪: (名) 船で旅をする人の無事を祈って行
う祝い。首里では、誠(だんじゅ)嘉例寄(かりゆ)しや選(いら)でぃ指(さ)し
召候(みせ)る〜と旅の平安を祈る歌(「だんじゆかれよし節」)を歌って祝う。
出(ぃんじゃ)し入(い)り⓪: (名) 出し入れ。
出(ぃんじゃ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 出す。 @手紙(てぃがみ)出(ぃん
じゃ)しゅん。/手紙を出す。
出無(ぃんじゃな)あ@: (名) どもり。どもる者。
出宣(ぃんじゃに)⓪: (名) 遺言。遺言(いぐん)、の俗語。
出無(ぃんじゃに)@: (名) どもり。どもること。 @出無(ぃんじゃに)為(し
ゅ)ん。/どもる。
行(ぃん)じゃる@: (連体) 去る。<行(い)ちゅん。 @行(ぃん)じゃる三月
(さんぐぁつぃ)。/去る3月。
伊集(ぃんじゅ)⓪: (名) いじゅ[伊集](植物名)の口語。
伊集(ぃんじゅ)⓪: (名) 伊集。伊集(いじゅ)、ともいう。 ※伊集(いじゅ)は、
中頭郡中城村の地名。
動(ぃんじゅ)ち這(は)い⓪: (名) 身動き。体を動かしてじっとしていないこと。
@動(ぃんじゅ)ち這(は)いぬ多(うふ)さん。/動いてばかりいる。 @動(ぃ
んじゅ)ち這(は)い為(しゅ)な。/身動きするな。
動(ぃんじゅ)ち戻動(むどぅる)ち⓪: (名) 身動き。身じろぎ。 @動(ぃんじ
ゅ)ち戻動(むどぅる)ちん成(な)らん。/身じろぎもできない。
動(ぃんじゅ)ちゃあ這(は)ったい⓪: (名) (子供などが)ばたばた動いてじっ
としていないこと。
動(ぃんじゅ)⁼ちゅん⓪: (自 ⁼かん、⁼ち) 動く。身動きする。じっとしていない。
出(ぃんじ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 出る。 @出(ぃんじ)たい入(いっ)
ちゃい。/出たりはいったり。
出(ぃんじ)り高(だか)⓪: (名) 支出高。
出(ぃんじ)り流行(ふぇえ)りい⓪: (名) 出(ぃんじ)り参(めえ)りい、と同
じ。
出(ぃんじ)り前(めえ)⓪: (名) 支出。支出すべき金。出(ぃんじ)る前(めえ)、
ともいう。 @出(ぃんじ)り前(めえ)入(い)り前(めえ)。/収支。
出(ぃんじ)り参(めえ)りい⓪: (名) 外出着。ちょっとした外出の時に着るもの
で、一生着(いっしょおち)やあ[不断着]よりよく、上着(ぅわあぢ)い[晴れ着]
よりは悪い。出(ぃんじ)り流行(ふぇえ)りい、飛(とぅん)じ早着(ふぇえぢ)
い、ともいう。
出(ぃんじ)る前(めえ)⓪: (名) 出(ぃんじ)り前(めえ)、と同じ。
伊芸(ぃんぢ)⓪: (名) 伊芸。 ※伊芸(いげい)は、国頭郡金武町の地名。
蜷(ぃんな)⓪: (名) うんこ。大便の小児語。
蝗等勢(ぃんなぐらあぜえ)⓪: (名) ばった・いなごの類。
稲殻(ぃんなげえ)⓪: (名) もみがら。また、稲穂の外殻の上端の、とがった針の
ような部分。芒(のぎ)。
空面釜面(ぃんなじらかまじら)@: (名) 子供などが、ぐずぐずと物をねだること。
はっきり口に出さず、そぶりでだだをこねること。 @空面釜面(ぃんなじらかまじ
ら)為(しゅ)ん。/※動詞化。
小米(ぃんなび)⓪: (名) 小米。砕け米。普通の米より安価なので、貧乏士族が食
料とした。
空麦(ぃんなむぢ)⓪@: (名) 小麦。
稲嶺(ぃんなんみ)⓪: (名) 稲嶺。 ※稲嶺(いなみね))は、名護市および南城市
大里の地名。
稲(ぃんに)⓪: (名) 稲。
稲刈(ぃんにか)い⓪: (名) 稲刈り。
稲積(ぃんにまじ)ん⓪: (名) いなむら。農家の庭先に稲を積み重ねたもの。単に、
積(まじ)ん、ともいう。
ぅんがあぅんがあ⓪: (副) おぎゃあおぎゃあ。生まれたばかりの赤んぼうの泣き声。
項(ぅんなじ)⓪@: (名) 着物の背縫い。うなじから転じたもの。また、さらに転
じて、着物のつま(の不揃い)。 @項(ぅんなじ)直(のお)し。/着物のつまの不
揃いを直せ。
鰻(ぅんなぢ)⓪: (名) うなぎ。 @鰻(ぅんなぢ)成(な)い切(ち)りゆん。
/子供が裸で逃げまわって、つかまらないことをいう。うなぎになりきる意。
熟・膿(ぅん)⁼ぬん⓪: (自 ⁼まん、⁼でぃ) @(果実が)熟す。うれる。 A(は
れものが)膿む。
湯葉(ぅんば)@: (名) 食品名。さらしくじら。ぬたにして食べる。 ※湯葉に形
が似ているのでこの字を当てることにする。
湯葉(ぅんば)@: (名) 食品名。ゆば。
奪(ぅんば)い取(とぅ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) [文]奪い取る。
生(ぅん)ば着(ぎい)⓪: (名) 生(ぅん)ば着(ぎい)飯(めえ)、と同じ。
生(ぅん)ば着(ぎい)飯(めえ)⓪: (名) 農家で、出産祝いに出す飯。略して、
生(ぅん)ば着(ぎい)、ともいう。首里では、井戸(かあ)降(う)りいぬ御振舞(う
ふるめ)え、ともいう。
不食芋(ぅんばし)@: (名) 植物名。くわずいも。薬草となる。里芋に似ているが、
有毒。
奪(ぅんば)⁼ゆん@: (他 ⁼あん、⁼てぃ) [文] 奪う。口語は、奪(ぼお)ゆん。
怯(ぅんび)い⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) おびえる。ぞっとする。また、悪夢で
うなされる。
重(ぅんぶ)さん@: (形) 重い。
重(ぅんぶ)し@: (名) @おもし。漬けものなどのおもし。 A秤のおもり。分銅。
B心の重荷となるもの。 @重(ぅんぶ)し有(や)たん。/重荷だった。
蒸(ぅんぶ)しい⓪: (名) 料理名。野菜を主として、豆腐・肉などを加え、汁を少
なくして煮たもの。
蒸(ぅんぶ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 蒸す。ふかす。
産衣(ぅんぶぢん)@: (名) 産着(うぶぎ)。
溺(ぅんぶ)っくぃ⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) おぼれる。
重荷(ぅんぶにい)@: (名) 重荷。重い荷物。
産水(ぅんぶみずぃ)@: (名) 出産の時、生まれた赤子の額に数滴の水をつけてや
ること。また、その水。
重物(ぅんぶむん)@: (名) 重い物。
産湯(ぅんぶゆう)@: (名) 産湯。
重(ぅんぶ)らあしゃん@: (形) 重々しい。品格がある。
蒸(ぅんぶ)らし返(けえ)さあ⓪: (名) 料理の暖めかえし。蒸しかえした食物。
蒸(ぅんぶ)ら⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 蒸らす。たいた御飯などが蒸れるよう
にする。
蒸(ぅんぶ)り⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @(御飯などが)蒸れる。 A蒸され
るように暑い。 @蒸(ぅんぶ)りゆる如居(ぐとお)ん。/蒸されるように暑い。
膿(ぅんべ)え⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (傷口や腫れものが)化膿する。里芋
など食品によって腫れものが悪化する場合にいう。
埋(ぅんべ)え⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) うめる。水を入れてぬるくする。
馬(ぅんま)⓪: (名) @馬。 A琴・三味線のこま。形が馬に似ているのでいう。
午(ぅんま)⓪: (名) 午(うま)。十二支の第七位。方角は南、時刻は昼12時。
其処(ぅんま)@: (名) @そこ。そっち。そちら。 Aそのかた。第三人称の、其
(う)り[その者]の敬語。 @其処(ぅんま)あ何処(まあ)御有候(うやんせえ)
が。/そのかたはどなたでいらっしゃいますか。
馬上(ぅんま,ぅうぃい)⓪: (名) 馬場。
馬馬(ぅんまぅんま)⓪: (名) 馬の小児語。
孫(ぅんまが)⓪: (名) 孫。
其処蛾砂蛾砂(ぅんまがさがさ)此処蛾砂蛾砂(くまがさがさ)@: (副) あちこち
でちょこちょこ仕事をするさま。 @其処蛾砂蛾砂(ぅんまがさがさ)此処蛾砂蛾砂
(くまがさがさ)為(っし)性(しょお)らあしい仕事(しぐと)お一(てぃい)つ
ぃん為(せえ)無(ねえ)ん。/あちこちでちょこちょこ仕事をして、まともな仕事
は一つもしていない。
馬小(ぅんまぐぁあ)⓪: (名) 子馬。
其処此処(ぅんまくま)@: (名) そこここ。あちこち。
馬揃(ぅんまずり)い⓪: (名) 競馬。馬を揃えて勝負を争うこと。馬術競技。馬勝
負(ぅんましゅうぶ)、と同じ。
馬丁(ぅんまたい)⓪: (名) 馬丁。
馬手間(ぅんまでぃま)⓪: (名) 農村の結婚はたいてい同部落の間で行われたが、
まれに他村から嫁をもらう場合、男は女の村の青年たちに酒代を出す習慣があった。
その酒代をいう。
馬乗(ぅんまぬ)い⓪: (名) 馬乗り。乗馬。また、馬に乗る人。
馬乗(ぅんまぬ)い袴(ばかm)⓪: (名) はかま。男子用。乗馬の時にのみ着用し
たのでいう。袴(はかま)、は女用の下着。
午(ぅんま)ぬ方(ふぁ)⓪: (名) 午(うま)の方角。南。
馬乗(ぅんまぬ)やあ⓪: (名) 馬乗り。馬に乗る人。相当の資産があり、名馬を求
め、方々の馬場で競馬があるたびに出場して、勝負を争った。
馬(ぅんま)ぬ家(やあ)⓪: (名) うまや。馬小屋。
馬引(ぅんまふぃ)ちゃあ⓪: (名) 馬方。馬を引く者の意。馬持(ぅんまむ)ちゃ
あ、ともいう。
馬持(ぅんまむ)ちゃあ⓪: (名) 馬方。馬を持っている者の意。馬引(ぅんまふぃ)
ちゃあ、ともいう。
其処向(ぅんまむ)てぃ⓪: (名) そっちの方。そっち側。
生(ぅん)まり@: (名) 生まれ。出生。
其処(ぅんま)り辺(かあ)⓪: (名) その辺。
生(ぅん)まり変(かあ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (死後に)生まれ変わる。
生(ぅん)まり故郷(くちょお)@: (名) 生まれ故郷。
生(ぅん)まり島(じま)⓪: (名) 生まれた部落。故郷の部落。
馬勝負(うましゅうぶ)⓪: (名) 競馬。馬術競技。馬揃(ぅんまずり)い、ともい
う。
生(ぅん)まり性質(しょおしつぃ)@: (名) 生まれつきの性質。
生(ぅん)まり高(だか)さん@: (形) 生まれがいい。尊い生まれである。
生(ぅん)まり肝(ぢむ)@: (名) 生まれながらの心。天性。
生(ぅん)まり切(ぢ)り者(むん)@: (名) うまずめ。
生(ぅん)まり付(づぃ)ち@: (名) 生まれつき。生まれつきの素質。
生(ぅん)まり年(どぅし)@: (名) 十二支の上での生まれた年。生まれてから1
2年ごとにめぐってくる年。すなわち、13・25・37・49・61・73〜の年。
厄年とされる。生年(しょおにん)、ともいう。晴(は)り厄(やく)、の項参照。
生(ぅん)まり日(びい)@: (名) 生まれた日。誕生日。
生(ぅん)まり⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @生まれる。 @生(ぅん)まりらん
生(ぅん)まり。/生まれがいのない生まれかた。生まれなかったらと思われるよう
なあわれな境遇。 A(砂糖や型に入れた菓子などが)うまくできあがる。
膿(ぅんみ)⓪: (名) 膿(うみ)。
梅(ぅんみ)@: (名) 梅。
御姉(ぅんみい)⓪: (名) ねえさん。姉、また、未婚の女。士族についていう語。
かりに三人姉がいれば、一番上を、大御姉(うふ,ぅんみい)[大おねえさん]、中を、
御姉(ぅんみい)[ねえさん]、すぐ上を、御姉小(ぅんみいぐぁあ)[小おねえさん]
のように呼び分ける。
御姉小(ぅんみいぐぁあ)⓪: (名) 前項を参照。
梅色(ぅんみいる)@: (名) 茶色。樺色。 ※梅干の色と思われる。
梅色(ぅんみいる)う@: (名) 茶色のもの。樺色のもの。
熟(ぅん)み朽(く)⁼ちゅん⓪: (自 ⁼たん、⁼ち) @(果実が)熟し過ぎる。 A
(はれものが)膿んでくずれる。
梅酒(ぅんみざき)@: (名) 泡盛に梅と砂糖とを入れたもの。
梅染(ぅんみず)み@: (名) 梅染め。茶褐色の染物。
梅干(ぅんみぶ)し@: (名) 梅干。
芋(ぅんむ)⓪: (名) 甘藷。さつまいも。単に、芋(ぅんむ)[いも]といえば常に
甘藷をさす。 @芋(ぅんむ)作(つく)ゆん。/農業をする。
芋大主(ぅんむうふしゅう)⓪: (名) 1605年に中国からさつまいもを伝えた野
国総管の俗称。
芋皮(ぅんむがあ)⓪: (名) さつまいもの皮。豚の飼料とする。
芋糟(ぅんむかすぃ)⓪: (名) さつまいもから澱粉を取った残りのかす。二、三日
桶に入れて蒸らし、ねばり気が出てから小さく握り、乾燥させて貯蔵し、凶作に備え
る。
芋糟炊(ぅんむかすぃだあ)ちい⓪: (名) 芋糟(ぅんむかすぃ)、を粉にしてから煮
て固めたもの。食糧不足の時に用いる。
芋糟納豆(ぅんむかすぃなっとぅう)⓪: (名) 菓子の名。芋糟(ぅんむかすぃ)、を
粉にして、砂糖を入れ、ごまなどを加えて練り固めたもの。ようかんのように、切っ
て食べる。
芋葛(ぅんむくじ)⓪: (名) さつまいもからとった澱粉。洗濯物の糊にも使う。
芋葛(ぅんむくじ)平焼(ふぃらやち)い⓪: (名) 料理名。さつまいもの澱粉とさ
つまいもを練りまぜて油揚げにしたもの。
芋葛(ぅんむくじ)澱粉湯(ぷっとぅるう)⓪: (名) さつまいもの澱粉のくず湯。
芋酒(ぅんむざき)⓪: (名) さつまいもを原料にした酒。いも焼酎。
芋(ぅんむ)作(つく)やあ⓪: (名) 農民。百姓。さつまいもを作る者の意。
芋練(ぅんむに)い⓪: (名) 料理の名。いもねりの意。さつまいものくずいも・虫
食いいもなどを練ったもの。下等な食物。しかし、粉芋練(くう,ぅんむに)い、田芋
練(たあぅんむに)い、などの上等なものもある。
芋(ぅんむ)ぬ口(くち)⓪: (名) さつまいもの(ように黙りこんでいる)口の意。
また、そのような者。無口な者を嘲笑していう語。
芋(ぅんむ)ぬ汁(しる)⓪: (名) さつまいもを煮る時出る汁。 @芋(ぅんむ)
ぬ汁(しる)浚(さあ)ゆん。/さつまいもの煮汁をあける。
芋市場(ぅんむまち)⓪: (名) さつまいもの市。首里では、近在からさつまいもが
運ばれるので、午前10時ごろ始まり、正午ごろ終わるのが普通であった。
御前(ぅんめえ)⓪: (名) おばあさん。祖母、また、老婆。士族についていう語。
芋沸(ぅんもお)かしい⓪: (名) さつまいもを野菜といっしょに煮た味噌汁。冬に
よくつくる。
ぅんん@: (感) うん。ああ。親しい者・目下に対して、同意・肯定の意を表す語。
単なる応答の場合は、ふんん。
蕪菜(ぅんんでぃい)⓪: (名) かぶらな。蕪。野菜名。
否(ぅんんなあ)⓪: (名) きたないものの小児語。ばっちいもの。<蜷(ぃんな)。