表紙 前文

 

 ?あ ?い 'い ?う 'う ?え 'え ?お 'お                             ?め   ?や  ?ゆ  ?よ       ?わ  ?ゐ  ?ゑ  ?ん  

 

 深田恭子が「適応障碍」で休養した。身体的な病気かと診断を受けたところ、メンタルな疾患であったらしい。これを公表したのはかなり勇気のいる決断であっただろう。芸能界には似たような病気の人が結構いるはずだが、どうもカミングアウトするのがむずかしいようである。芸能人が発狂したという話をあまり聞いたことがない。プライドが高く、発狂するよりも死を選んでしまうのであろう。発達障害の私が今まで自殺もせず、発狂もせずにすんだのは、33回も職を変えたからである。深田恭子のような健常者(彼女は多分、HSPであると思われる)でも社会に適応できない場合がある。生まれつき社会に適応できないのが発達障碍者である。ある程度改善する場合もあるが一生直らない病気である。無理に社会に適応しようとすれば、うつ病・統合失調症などの二次障碍を引き起こす場合

がある。私自身、何度も「うつ病」を経験したことがある。便秘・下痢、不眠症、普段は集中できることに全く関心がもてない、部屋中がごみの山、風呂に入ることができない等である。職と職の間には必ず休養期間が存在し、3年間の「引き籠もり」も経験した。いままでのすべての会社はコミュ障の私に無理にコミュニケーションを要求し続けた。現在もまたそうである。発達障碍者が健常者の社会に合わせるのが当たり前だと健常者は思っている。どこが当たり前なのであろうか。それが当たり前だと思えるのが健常者であり、当たり前のことではないと思っていいのが障碍者である。障碍者の中には健常者の社会に合わせようと努力する人がいる。努力するのはその人の自由であるが、努力できない人を努力が足りないといって健常者の側にまわって勝ち誇った風な障碍者は果たしていかがなものであろうか。人類の進化のなかで、なぜ発達障碍は淘汰されなかったのか。それにはそれなりの理由が存在するのである。もしすべての人が社会に適応できる社会性を持っていたとしたらどうなるであろうか。健常者は毎日ほとんど「考えるということ」をしない。なぜなら社会性というものさえ持っていれば、何も考えずにほとんど毎日生きていけるからである。会社では常にまわりに合わせて、上のいうことさえ聞いていればほとんどそれですむのである。仕事のこと以外何も考える必要がなくこれ以上楽なことはないのである。そこに突如として発達障碍者が現れたとしたらどうであろうか。中にはなんとか努力して健常者に適応しようとする障碍者もいるかもしれない。そうではなくてまわりに全く適応しない障碍者が現れたとしたらどうであろうか。健常者は「考えるということ」をしなければならないのである。それが発達障碍が進化上淘汰されなかった理由である。健常者は発達障碍者が存在することによって、自分たち自身が何であり、自分たちの社会がどのようなものであるかを考えなおさなければならないのである。「考えるということ」をせず、まわりに同調ばかりする健常者が生み出したのがヒットラーのドイツであり、太平洋戦争へと突っ走った日本なのである。同調者だけの社会が常に美しく正しい社会を作り出すことは絶対にありえない。そこには必ず同調できない少数の人々が必要なのである。ノーベル賞受賞者のおよそ20%(五人に一人)がユダヤ人である。世界の総人口に占めるユダヤ人の割合はおよそ0,2%らしい。社会に同調できない少数者が社会を大きく変えることができるのである。精神障碍者のニーチェは健常者には考えもつかないような壮大な哲学を築きあげた。健常者には見えない世界が見えたのである。「ツァラトゥストラはこう言った」は健常者には一行も理解できなくて当然なのである。「神は死んだ」は、当時のヨーロッパの健常者には絶対に考えつかない言葉である。キリスト教が社会のほとんどすべてを支配していたのである。古典ギリシアの専門家であるニーチェにはキリスト教の支配しない古代ギリシアが非常によく見えたのであろう。と同時に精神障碍者のニーチェには健常者の社会がはっきりとよく見えたのである。カトリックはいまだに人工中絶に反対であり、LGTBにも反対の立場である。そもそもカトリック教会とLGTBとは何の関係もないことのように私には思われる。ニーチェもそう思うはずである。ある一人の男の子がローマ教皇に何度もためらいながら質問をした。「今、私の無くなったお父さんは天国にいますか。」それに対して教皇は自ら答えることなく、聴衆に対してその質問を問い返した。「みなさんはどう思いますか。」教皇は子供のこのような切実な質問にきちんとはっきりと答えることができないのである。コンクラーベで圧倒的な得票で選ばれた教皇がこの程度である。(子供の心よりも教義のほうが大切なのである。私が教皇ならはっきりと「はい」と答える。)歩行が困難なまでの肥満体でありながら、清貧をモットーとした「フランシスコ」という教皇名は選定ミスなのではないか。(念のために、私はカトリックの洗礼を受けたクリスチャンである。)プロテスタント教会も同様である。私はプロテスタントのある宗教施設で痛切な経験をしたことがある。その施設のキリスト教精神は実に悲惨であった。キリスト教が社会の根幹をなしていない日本では、儒教的・武士道的な道徳観念が社会を支配している。ようするに、まわりに同調・協調・妥協して生きるのがあたりまえなのが日本社会なのである。それができない人は社会性がないということで排除されるのである。障碍者が就労する施設を運営する人たちが障碍者のことが理解できていない場合は果たしたどのような情況になるのであろうか。また役所の管轄の人たちが障碍者のことが理解できていない健常者だったらどうであろうか。続きは次回。

 

   み:みゅ

 

 共通語に「みゅう」の発音は存在しない。ただし、人名としては存在する。大豆生田(おおまみゅうだ)、アン・ルイスの息子の美勇士(みゅうじ)など。(金田一春彦)

 

三(み): (接頭) 三。  @三回(みけえん)、三羽(みふぁに)、三人(みっちゃい)

など。

御(み)‐: (接頭) [美]御(み)。御(おん)。尊敬の接頭辞。御(み)‐、がつ

かず、御(ん)‐がつく語もある。御(ん)‐、の項参照。御足(みふぃしゃ)[おみ

足]、御鬚(みふぃじ)、御腰(みくし)、御下駄(みぢた)、御帯(みううび)など。

‐目・匁(み): (接尾) @目。順序を表す。 @四度目(ゆどぅみ)、六代目(るく

でえみ)など。 ➁匁。もんめの略。 @百匁(ひゃくみ)、百六十匁(ひゃくるくじ

ゅうみ)など。

三(みい)@: (感) みい。みっつ。声を出して数える時にのみいう。

目(みい)@: (名) @目。 @目(みい)張(は)ゆん。/(驚いて、またあきれ

て)目を見張る。 @目(みい)開(ふ)らちゅん。/目を開く。 @目(みい)引

返(ふぃちぇえ)らしゅん。/目を回す。気絶する。 @目(みい)固(くふぁ)ゆ

ん。/目がさめる。また、眠らなれなくなる。 @目(みい)閉(くう)ゆん。/目

を閉じる。見まいとする。また、死ぬ。 @目(みい)丸(まって)えん成(な)ゆ

ん。/(驚いて)目をまん丸くする。 @目(みい)蒸返(むげえ)ゆん。/見てい

てむかむかと腹が立つ。 @目(みい)に越(くぃい)ゆん。/(わがままなどの度

が過ぎて)目に余る。 @目(みい)ぬ蠅(ふぇえ)追(うう)り。/目の蠅を追え。

人をかれこれ言わずに自分のことをせよ。 @目(みい)ぬ肥(くぇえ)ゆん。/目

が肥える。鑑識力が増す。 @目(みい)ぬ舞(もお)ゆん。/見ていて腹が立つ。 

@目(みい)ん汁(しる)成(な)ち笑(わら)ゆん。/目がなくなるほど目を細め

て笑う。 @目(みい)ん研矢(とぅじゃ)成(な)ゆん。/目に角立てて怒る。 @

目(みい)ん振上(ふや)ぎらん。/目を上げて見ようともしない。無視する。また、

恥じて顔も上げられない。また、疲れ切って目も動かせない。 @目(みい)とぅ鼻

(はな)。/目と鼻(の間)。きわめて近い所。目(みい)とぅ鼻端(はなばな)、とも

いう。 @目(みい)とぅ同(いぃ)ん丈(たき)。/目と同じ高さ。また、子が成長

して親と同じくらいになること。 @目(みい)とぅ同(いぃ)ん丈(たき)成(な)

れえ気労苦労(きろおくろお)為(しゅ)る物(むの)お有(あ)らん。//子が大

きくなったら(目と同じ高さになったら)、とやかくこごとを言うものではない。 ➁

穴。貫通した穴を多くいう。 @石垣(いしがち)ぬ目(みい)。/石垣のすきまの穴。 

@針(はあい)ぬ目(みい)。/針の目。針のめど。 @走(はし)るぬ目(みい)か

ら透目(しゅうみい)為(しゅ)ん。/雨戸の穴からのぞき見する。 B欠点。欠陥。

また、会計上の欠損。また、手落ち。 @目(みい)開(あ)ちゅん。/イ・穴があ

く。ロ・会計・仕事などに、欠損・手落ちが生じる。ハ・期日などに間に合わずに恥

をかく。 @目(みい)喰(くぁあ)しゅん。/イ・穴を埋める。ロ・会計の穴を埋

める。また、間に合わせの処置をする。 @目(みい)ぬ多(うふ)さん。/欠点(手

落ち)が多い。 C刻み目。目盛り。 @碁盤(ぐばん)ぬ目(みい)。/碁盤の目。 

@秤(はかい)ぬ目(みい)。/はかりの目盛り。 D境遇。立場。 @嫌(や)な目

(みい)履合(はっちゃ)かてぃ。/いやな目に会って。 @入(い)ららん目(み

い)んかい入(い)っち。/恥ずかしい目に会って。困った目に会って。 Eめえっ。

叱ることの小児語。目を見ろの意。子供をにらんで叱る時にいう。 @目(みい)為

(しゅ)ん。/「めえっ」と言って叱る。 F(接尾)〜目。順番を表す。 @二(た

あ)つぃ目(みい)[ふたつ目]、三番目(さんばんみい)、五日目(ぐにちみい)、な

ど。

間(みい)⓪: (名) @中。間。物体・群衆などの、中。 @多(うほお)くぬ人(っ

ちゅ)ぬ間(みい)んかい入(い)っちん怖(う)じらん。/大勢の人の中に入って

も怖じない。 @水(みずぃ)ぬ間(みい)。/水の中。 @土(んちゃ)ぬ間(みい)。

/土の中。 ➁間(ま)。時間についていう。 @何(ぬう)ぬ間(みい)にが着(つ

ぃ)ちゃが。/いつの間に着いたか。

実(みい)@: (名) @実。中身。内容。実質。 @実(みい)ぬ入(い)ゆん。/

実が入る。みのる。 @実(みい)ぬ入而居(いっちょお)ん。/実が入っている。

中身が充実している。 @実(みい)ぬ入(い)ゆる中(なあか)首(くび)折(う

ぅ)うりり。/みのるほど頭を低くたれよ。立派になるほど謙遜せよ。 @実(みい)

成(な)しゅん。/物にする。実のあるものにする。完成させる。 @実(みい)成

(な)ゆん。/物になる。完成する。 ➁汁の中に入れる実。 B[新]実。果実。

元来は、成(な)い、という。

命(みい)@: (名) 命(めい)。運命。 @其(う)ぬ命(みい)有(や)てえさ。

/そういう運命だったのだ。人が死んだ時などにあきらめて言うことば。

満(みい)@: (名) いっぱい。 @甕(かあみ)ぬ満(みい)水(みずぃ)汲(く)

ぬん。/かめにいっぱい水を汲む。 @腹(わた)ぬ満(みい)喰(か)ぬん。/腹

いっぱい食べる。

巳(みい)@: (名) 巳。十二支の第六位。方角なら東南やや南寄り。時刻なら午前

10時ころ。

姪(みい)@: (名)[文] 姪。

新(みい)‐: (接頭) 新しい意を表す接頭語。 @新衣(みいぢん)[新しい着物]、

新銭(みいじん)[新しい銭]、新家(みいやあ)[新しい家]、新門(みいじょお)[新

しい門]、など。

牝・雌(みい)‐:  (接頭) 牝。めすの。 @牝牛(みいうし)、雌瓦(みいがあら)、

など。

見合(みいああ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 見比べる。比較対象する。

見当(みいあ)てぃ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見つける。見つけ出す。 @今(な

ま)ねえ確(たし)かに見当(みいあ)てぃたん。/今は確かに見つけた。

新入(みいい)り⓪@: (名) 新入り。新参者。

見出(みいぃんじゃ)⁼しゅん⓪:⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 見つけ出す。見いだす。

芽出(みいぃんじ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 生え出る。

目膿(みいいん)でえ⓪: (名) ものもらい。目のふちにできる腫れもの。

姪甥子(みいうぃいっくぁ)⓪: (名) 甥姪。

見送(みいうく)い⓪: (名) 見送り。 @見送(みいうく)い為(しゅ)ん。/見

  送る。 @見送(みいうく)い為(しゅ)る人(っちゅ)。/見送り人。

牝牛(みいうし)⓪: (名) 牝牛。

見怖(みいう)じ⓪: (名) 見ただけでおじけづくこと。

見失(みいうしな)⁼ゆん⓪: (他 ⁼あん、⁼てぃ) 見失う。

目打(みいう)ち⓪: (名) @まばたき。 ➁目くばせ。

命衰(みいうとぅ)い⓪: (名) 死ぬこと。また、臨終。定められた命が落ちる意。  

@命衰(みいうとぅ)い為(しゅ)ん。/命を終える。「死ぬ」の上品な表現。

見落(みいう)とぅし⓪: (名) 見落とし。

見落(みいう)とぅ⁼しゅん⓪@: (他 ⁼さん、⁼ち) 見落とす。 

見覚(みいうび)⓪: (名) 見覚え。 @見覚(みいうび)ぬ無(ねえ)らん。/見

覚えがない。

見覚(みいうび)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見覚える。見て覚える。

見下(みいう)る⁼しゅん⓪@: (他 ⁼さん、⁼ち) 見下ろす。

身惜(みいぅんま)し者(むん)@ (名) 骨惜しみする者。なまけ者。

芽芋(みいぅんむ)⓪: (名) 収穫後、自然に生えたさつまいも。みい<芽(みい)

ゆん[生える]。

芽芋(みいぅんむ)抉(くじ)やあ⓪: (名) 人の畑の、芽芋(みいぅんむ)、を掘り

  あさる貧困な者。

目皮(みいがあ)⓪: (名) まぶた。目の皮の意。 @目皮(みいがあ)引(ふぃ)

っ込(く)ぬん。/(疲労して)まぶたがひっこむ。 @目皮(みいがあ)起(う)

くりゆん。/(元気が回復して)まぶたが盛りあがる。

茗荷(みいがあ)⓪: (名) 植物名。みょうが。

新代(みいかあ)い歯(ばあ)⓪: (名) 乳歯のあとに生え代わった歯。永久歯。

新代(みいかあ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 生え代わる。

雌瓦(みいがあら)⓪: (名) 雌瓦。雄瓦(うぅうがあら)、の下に置く、平らな瓦。

沖縄の瓦屋根は、暴風を防ぐために、雌雄二種の瓦を組み合わせてしっくいで固めて

葺く。

目鏡(みいかがん)⓪: (名) めがね。眼鏡(がんちょお)、ともいう。

目姦(みいがしま)しゃん⓪: (形) @見るにたえない。見たくないような。どうか

と思うような。 ➁目をわずらっている。眼病である。 @何(ぬう)目姦(みいが

しま)しゃ召(み)せえ侍(びい)んなあ。/何か目でもお悪いのですか。

目固々(みいかふぁかふぁ)⓪: (副) 寝つきの悪いさま。また、眠られないさま。

  目がこわばる意。

目姦(みいがまら)しゃん⓪: (形) 見るにたえない。見たくないような。見るのが

いやな。

見考(みいかんげ)え@: (名) 世話。見て考えてやる意。 @彼(あ)りが事(く

とぅ)良(ゆ)う見考(みいかんげ)え為(しゅ)ん。/彼のことをよく世話する。

見考(みいかんげ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 世話する。見考(みいかんげ)し

  ゅん、と同じ。

目小(みいぐぁあ)⓪: (名) 小さく細い目。また、そういう目をした者。そういう

人は概して小利口だといわれる。

間喰(みいくぁあ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 間に合わせる。 @此(く)りさ

  あい間喰(みいくぁあ)而居(ちょお)けえ。/これで間に合わせておけ。

目閉(みいくう)てぃい⓪: (名) 死ぬことの小児語。目を閉じる意。

目細前(みいくうめえ)⓪: (名) にらめっこ。まばたきしたり、笑ったりすれば負

  けとなる。

目転(みいくげ)え⓪: (名) 目を動かすこと。また、目を離すこと。 @目転(み

  いくげ)えん成(な)らん。/ちょっとも目が離せない。

目糞(みいくさ)あ⓪: (名) @始終目やにを出している者。 ➁(人の悪口として)

目くそやろう。ばかたれ。

目糞(みいくす)⓪: (名) 目くそ。目やに。

目薬(みいぐすい)⓪: (名) 目薬。 @喜屋武(ちゃん)ぬ目薬(みいぐすい)。/

喜屋武の目薬。少量で高価なものの代表としていう。

目口(みいくち)⓪: (名) 表情。顔つき。目と口の意。まれな語。 @目口(みい

  くち)柔々(やふぁやふぁ)とぅ。/表情がやさしく。

新口(みいぐち)⓪: (名) (商売の)くちあけ。

新(みい)くに@: (副) 新しく。あらたに。新(みい)くん、ともいう。 @新(み

い)くに造(ちゅく)らっ而居(とお)る道(みち)。/新しく作られた道。 @新(み

い)くに召居而居(みしょおちょお)る先生(しんしい)。/新しくいらした先生。

見込(みいく)⁼ぬん⓪: (他 ⁼まん、⁼でぃ) (相手の出方などを)見すかす。

目凝(みいぐふぁ)あ⓪: (名) よいっぱり。夜遅くまで目をさまして寝ない者(子

供)。

目凝(みいくふぁ)い⓪: (名) @(朝など)目がさめること。目ざめ。 ➁目凝(み

  いぐふぁ)い、と同じ。

目凝(みいぐふぁ)い⓪: (名) 夜眠れないこと。また、不眠症。

目凝(みいぐふぁ)さん⓪: (形) @遅くまで起きている。よいっぱりである。 ➁

眠くない。眠れない。多く、子供についていう。

目凝(みいくふぁ)やあ⓪: (名) @目ざまし。おめざ。朝など目をさました時に与

  える菓子の類。➁*夜眠れない人。不眠症の人。

目窪(みいくぶ)う⓪: (名) 目がくぼんでいる者。

目暗(みいくら)がん⓪: (名) 目まい。目がくらむこと。

見難(みいぐり)しゃん⓪: (形) @見にくい。見ることが困難である。 ➁見苦し

い。みっともない。醜いの意では、嫌(や)なさん、という。

目転々(みいぐるぐる)⓪: (副) @(物を捜す時などに)目をきょろきょろさせる

さま。 @目転々(みいぐるぐる)為(しゅ)ん。/※動詞化。 ➁ぱっちり。小児

などの目のさま。

目転々(みいぐるぐる)う⓪: (名) 目をきょろきょろさせている者。

目転回(みいぐるまあ)い⓪: (名) 目をきょろきょろさせて見回すこと。 @目転

回(みいぐるまあ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

新(みい)くん@: (副) 新(みい)くに、と同じ。

目縊(みいくん)だあ⓪: (名) 見た目にはっきりしない物。見ても何だかわからな

い、形のくずれた物。字体・模様・織り目などについていう。

目縊(みいくん)だあ字(じい)⓪: (名) 何だかわからない字。読めないようなく

  ずれた字。

見返(みいけえ)し返(げえ)し⓪: (副) くりかえし見るさま。 @夢(いみ)ん

見返(みいけえ)し返(げえ)し。/夢を何度も何度も見て。

見返(みいけえ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 見返す。くり返して見る。

目返(みいけえ)らあ⓪: (名) (疲れて)目がくぼむこと。疲れた目つきをしてい

ること。 @目返(みいけえ)らあ成而居(なとお)ん。/(疲れて)目がくぼんで

いる。

目窪(みいこお)があ⓪: (名) 疲れた時などに目がくぼむこと。目返(みいけえ)

らあ、ともいう。

見下(みいさ)ぎ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見下げる。軽蔑する。

目下(みいさ)げえ@無(ねえ)らん⓪: (句) ひっきりなしに。絶え間なく。 @

目下(みいさ)げえ無(ねえ)らん人(っちゅ)ぬ通(とぅう)ゆん。/ひっきりな

しに人が通る。 @目下(みいさ)げえ無(ねえ)らん小満芒種(しゅうまんぼおし

ゅう)ぬ雨(あみ)ぬ降(ふ)い続(つぃづぃ)ちゅんねえ寄読(ゆんたく)しゅん。

/ひっきりなしにつゆの雨が降り続くようにおしゃべりを続ける。

新(みい)さん@: (形) 新しい。 @畳(たたの)お新(みい)く、刀自(とじぇ)

え古(ふる)く。/畳は新しく、妻は古く。 @衣(ちの)お新(みい)く新(みい)

く、命(ぬちぇ)え強(ちゅう)く。/着物はいつも新しく、命は強く。子に新しい

着物を着せる時にいうことば。

目蛍々(みいじいんじいん)⓪: (名) (頭などを強打して)目から火が出ること。

また、その火。じいんじいん、は、ほたるの小児語。 @目蛍々(みいじいんじいん)

飛(とぅ)ぶん。/目から火が出る。

間(みい)じ抉(ぐう)じ@: (副) ぶつぶつ不平やこごとをいうさま。 @間(み

  い)じ抉(ぐう)じ為(しゅ)ん。/ぶつぶつ言う。

目引(みいし)ち鼻引(はなし)ち⓪: (名) 病気。かぜなど。鼻引(はなし)ち、

は鼻かぜ。目引(みいし)ち、の目(みい)‐は鼻に対して目といったまでのもの。 

@胴一人(どぅうちゅい)者(むの)お目引(みいし)ち鼻引(はなし)ちぬ場所(ば

しゅ)後悔(しゅっくぇえ)為(しゅ)ん。/ひとり者は病気の時に困る。

名所(みいしゅ)@: (名) 名所。また、名産地。

新十六日(みいじゅうるくにち)⓪: (名) 正月16日に営む法事。正月16日は一

般に墓参に日であるが、前年に死んだ者のある家では特に法事を営む。その法事をい

う。

見知(みいし)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼っち) 見知る。知り合いになる。 @見知(み

いし)ららん。/会ってもわからない。(成長した場合などに)見違えるようにようす

が変わる。 @汝(ぃやあ)や見知(みいし)ららん成而居(なとお)さ。/おまえ

は見違えるようになったよ。 @見知(みいし)らん。/見知らぬ。

箕雑器(みいじょおきい)⓪: (名) み(箕)。米麦など穀類をふるって、殻や塵をよ

  りわける道具。竹を編んで作り、円形で、浅く広い。

見捨(みいすぃ)てぃ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見捨てる。 @見捨(みいすぃ)

  てぃらりゆん。/見捨てられる。

見透(みいすぃ)ま⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) (大したものでないことを)見破

る。見抜く。

目擦(みいすぃ)り擦(すぃ)り⓪: (副) (起床直後などに)目をこするさま。 @

  目擦(みいすぃ)り擦(すぃ)り為(しゅ)ん。/※動詞化。

目垂(みいだ)いい⓪: (名) 目じり、あるいはまぶたが垂れ下がった者。下がり目。

  目垂(みいだ)やあ、ともいう。

目立(みいだ)⁼ちゅん⓪: (自 ⁼たん、⁼っち) 目立つ。

目垂(みいだ)やあ⓪: (名) 目垂(みいだ)いい、と同じ。

目怠(みいだる)さん⓪: (形) 目がだるい。目が疲れてだるい。

見汚(みいぢた)なさん@: (形) 薄ぎたない。

見知合(みいちゃ)あ知(し)り知合(ちゃ)あ⓪: (名) 知り合い。日ごろ知り合

っている間柄。 @見知合(みいちゃ)あ知(し)り知合(ちゃ)あぬ者(むん)。/

知り合いの者。

見欲(みいちゃ)くん⓪無(ねえ)ん⓪: (句) みっともない。見苦しい。

三人(みいちゅ)う⓪: (名) 三つ子。三生児。三歳の子の意では、三(み)つぃん

  子(ぐぁ)、という。

見切(みいち)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼っち) 見切る。見限る。見捨てる。 @見切

(みいち)らりゆん。/見捨てられる。

目切(みいち)らあ⓪: (名) まぶたに傷あとのある者。南国特有のもので、暑さの

ためまぶたにはれ物ができ、その傷あとのために、まぶたが切れ、眠っている時も薄

目をあいているように見える。目切(みいち)りい、ともいう。

目切(みいち)りい⓪: (名) 目切(みいち)らあ、と同じ。

見極(みいちわ)み⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見きわめる。

新衣(みいぢん)@: (名) 新しい着物。

三(みい)つぃ@: (名) みっつ。三。また、三度。 @幾(いく)つぃん三(みい)

つぃん。/いくつも。たくさん。

見付(みいつぃ)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見つける。見いだす。見当(みい

あ)てぃゆん、ともいう。

目付(みいつぃ)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見つめる。

三(みい)つぃ一(てぃい)つぃ@: (名) 三分の一。

雌弦(みいづぃる)⓪: (名) 雌弦。三味線(さんしん)の三の糸。最も細く、最も

  音の高い糸。雄弦(うぅうづぃる)[一の糸]、中弦(なかづぃる)[二の糸]に対する。

三(みい)つぃ割(わ)い⓪: (名) 三つ割り。三分。三割(みちゃあ)い、三(み)

ち割(わ)い、ともいう。

姪子(みいっくぁ)⓪: (名) 姪。

新人(みいっちゅ)@: (名) 梅毒にかかったことのない人。みい<新(みい)さん。

  古人(ふるっちゅ)、の対。

夫婦(みいとぅ)⓪: (名) 夫婦。めおと。

雌鶏(みいどぅい)⓪: (名) めんどり。 @雌鶏(みいどぅい)ぬ歌(うた)れえ

厄(やく)。/めんどりが時を告げたら厄がある。

見遠(みいどぅう)さん⓪: (形) 久しく会わない。久しぶりである。 @見遠(み

いどぅう)さ。/お久しゅう。しばらく。久しく会わなかった目下へのあいさつ。目

上へは、拝(うぅが)ん遠(どぅう)さ、という。

見通(みいとぅう)し⓪: (名) 見とおし。洞察。

見所(みいどぅくる)⓪: (名) 見どころ。見る価値のあるよいところ。

新刀自(みいとぅじ)@: (名) 新しい妻。にいづま。

新年(みいどぅし)@: (名) 新年。

見届(みいとぅどぅ)き⓪: (名) 見とどけること。確認。

見届(みいとぅどぅ)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見届ける。たしかに認める。

終わりまでよく見る。

夫婦(みいとぅ)ん達(だ)⓪: (名) 夫婦。主として平民が使う語。‐だ、は複数

の意か。

夫婦(みいとぅ)ん達(だ)行会(いちぇ)え⓪: (名) 夫婦関係。夫婦の性的な関

係。

夫婦(みいとぅ)ん達(だ)相争(おおえ)え⓪: 夫婦げんか。 @夫婦(みいとぅ)

ん達(だ)相争(おおえ)えや犬(いん)ぬん喰(くぁあ)ん。/夫婦げんかは犬も

食わぬ。

夫婦(みいとぅ)ん達(だ)小為(ぐぁあせ)え⓪: (名) おとうさんおかあさんの

  役になってするままごと。

夫婦(みいとぅ)ん達(だ)連(づぃ)り⓪: (名) 夫婦連れ。

夫婦(みいとぅ)ん達(だ)物語(むぬがたい)⓪: (名) 夫婦だけの話。夫婦の寝

  物語。

見度(みいとお)ん⓪無(ねえ)ん⓪: (句) みっともない。見苦しい。見度(みい

ちゃく)無(ねえ)ん、と同じ。 @見度(みいとお)ん無(ねえ)ん事(くと)お

為(さ)ん物(むん)でえ。/みっともないことはしないことだよ。

見成(みいな)い⓪: (名) ようすを見てみること。また、見立て。

見成(みいな)い聞(ち)ち成(な)い⓪: (名) 見成(みいな)り聞(ち)ち成(な)

り、と同じ。

見做(みいな)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) [文] 見なす。

目涙(みいなだ)⓪: (名) 涙。目にたまる涙。

見成(みいな)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 見立てる。ようすを見る。見てきめる。 

@胴(どぅう)くる見成(みいな)てぃ買(こお)れえ。/自分で見立てて買え。 @

場所(ばしゅ)見成(みいな)てぃから為(しゅ)ん。/その場の空気を見てからす

る。

見習(みいなら)⁼ゆん⓪: (他 ⁼あん、⁼てぃ) 見習う。見て覚える。

見成(みいな)り聞(ち)ち成(な)り⓪: (名) 見たり聞いたりすること。見聞き。

見聞。見成(みいな)い聞(ち)ち成(な)い、ともいう。 @見成(みいな)り聞

(ち)ち成(な)り為(しゅ)ん。/見聞する。 @見成(みいな)り聞(ち)ち成

(な)りぬ広(ふぃる)さん。/見聞が広い。

見慣(みいな)り⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見なれる。

新北風(みいにし)@: (名) 秋ごろに吹き始める北風。みい<新(みい)さん。に

  し、は北・北風。

命日(みいにち)⓪: (名) 命日。普通は、御命日(うみいにち)、という。月を同じ

くする年一回の命日は、正御命日(しょおうみいにち)、という。 *混効験集:坤巻・

言語に、めい日、とある。

目(みい)ぬ緒(うう)⓪: (名) 目の緒の意。文語は、目(み)ぬ緒(う)。次の句

で用いる。 @目(みい)ぬ緒(うう)に下(さ)がゆん。/まぶたに浮かんで離れ

ない。目の前にちらついて離れない。

見逃(みいぬがあ)ら⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 見のがしてやる。見ないふりを

して許してやる。

目(みい)ぬ口(くち)⓪: (名) 目がしら。目(みい)ぬ尻(つぃび)、の反対側。

目(みい)ぬ心(しん)⓪: (名) ひとみ。瞳孔。

目抜(みいぬ)ち鼻抜(はなぬ)ち⓪: (副) @子供が悪ふざけをするさま。目を突

いたり鼻を突いたりする意。 ➁人のあら捜しをするさま。また、意地悪なことを言

うさま。 @目抜(みいぬ)ち鼻抜(はなぬ)ち為(しゅ)ん。/※動詞化。

目(みい)ぬ尻(つぃび)⓪: (名) 目じり。まなじり。 @目(みい)ぬ尻(つぃ

  び)っしん見(んん)だん。/(軽蔑して)見むきもしない。眼中におかない。

目(みい)ぬ縁(ふち)⓪: (名) 目のふち。まぶち。

目(みい)ぬ前(めえ)⓪: (名) 目の前。目先。眼前。 @目(みい)ぬ前(めえ)

  ぬ事(くとぅ)。/さし迫った事。

見場(みいば)⓪: (名) 見かけ。みば。外見。 @見場(みいば)とお汝銘々(な

あめえめえ)。/見かけとは反対だ。

馬鳴々(みいはあはあ)⓪: (感) 馬鳴々(みいははあ)、と同じ。

目粗籠(みいばあらあ)⓪: (名) 目のあらい竹かご。目かご。鶏を飼う場合などに

用いる。 @目粗籠(みいばあらあ)っし鶏(とぅい)覆(うす)ゆん。/目かごを

鶏にかぶせる。

目張(みいば)い⓪: (名) 魚名。目張(めばる)。飛び出た大きな目をしている。目

張魚(みいばゆ)、ともいう。赤目張(あかみいば)い、黒目張(くるみいば)い、の

同種がある。 ※目張(めばる)は、カサゴ目メバル科であり、ミーバイは、スズキ

目ハタ科の違う魚である。

目張(みいは)い怒鳴(あだあ)し⓪: (名) にらみつけてどなること。目張(みい

は)い叱(うだあ)し、ともいう。 @目張(みいは)い怒鳴(あだあ)しぬ度(ど

ぅく)過(すぃ)ぢてぃ。/どやしつける度が過ぎて。 @目張(みいは)い怒鳴(あ

だあ)し為(しゅ)ん。/※動詞化。

目張(みいは)い叱(うだあ)し⓪: (名) 目張(みいは)い怒鳴(あだあ)し、と

  同じ。

目張(みいは)い盗人(ぬすどぅ)⓪: (名) 目の前で泥棒をはたらくこと。また、

  まんまと詐欺にかけること。また、そのような泥棒・詐欺漢。

目張(みいは)い事(ぐとぅ)⓪: (名) 唖然とするようなできごと。意外な、驚く

べきこと。詐欺・盗難に会った場合などにいう。

目剥(みいは)があ⓪: (名) 目剥(みいは)ぎい、と同じ。

目剥(みいは)ぎ⓪: (名) ただれ目。目のふちが赤くただれて痛む病気。

目剥(みいは)ぎい⓪: (名) ただれ目にかかった者。目剥(みいは)があ、ともい

う。

目張(みいは)っぱい⓪: (名) 目切(みいち)り、と同じ。目がひきつっているこ

と。

目張(みいは)っぱやあ⓪: (名) 目切(みいち)らあ、と同じ。目のひきつった者。

見間違(みいばっぺ)え⓪: (名) 見間違い。見誤り。

見果(みいは)てぃ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見終わる。残らず見る。

見放(みいはな)⁼しゅん⓪@: (他 ⁼さん、⁼ち) 見放す。見捨てる。

馬鳴々(みいははあ)⓪: (副) ヒヒーン。馬の鳴き声。 ※これはやはり感動詞で

  あろう。 

目外(みいはん)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 見そこなう。見る機会を失する。

目外(みいはん)だあ⓪: (名) 期待はずれ。あてはずれ。 @目外(みいはん)だ

あ成(な)たん。/あてがはずれた。 @目外(みいはん)だあぬ事(くとぅ)。/期

待はずれのこと。

目外(みいはん)ぬう⓪: (名) 目外(みいはん)だあ、と同じ。

見栄(みいふぁ)⓪: (名) 見かけ。みば。外見。見場(みいば)、と同じ。

目外々(みいふぁあふぁあ)⓪: (名) 失望感・羞恥感などにおそわれて、目がほて

るように感ずること。 @目外々(みいふぁあふぁあ)成而居(なとお)ん。/(失

望感や羞恥感で)ぼうっとしている。 @目外々(みいふぁあふぁあ)ぬ事(くとぅ)。

/(失望感や羞恥感で)ぼうっとするようなこと。

目光(みいふぃちゃ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) にらんで目を光らせる。にらむ。

目が光る意。 @目光(みいふぃちゃ)てぃ見(んん)でえ。/にらんでごらん。 @

彼(あ)りんかい目光(みいふぃちゃ)らったん。/彼ににらみつけられた。

目光(みいふぃちゃ)らしゃん⓪: (形) まぶしい。まばゆい。

目穿(みいふ)があ⓪: (名) 一厘銭。穴あき銭。目(みい)、は穴。穿(ふ)があ<

穿(ふ)ぎゆん。明治年間に通用していた一厘銭には四角な穴があいていた。20枚

を一縄にして一貫(いっくぁん)といった。

目袋(みいぶくる)う⓪: (名) 目がはれぼったいこと。(泣いたあとなどで)まぶた

がはれること。また、そのような目をした人。

目節膨(みいぶしふっくぁ)あ⓪: (名) 目袋(みいぶくる)う、と同じ。

目惚(みいぶ)り⓪: (名) ほれぼれと見ること。見とれること。

見回(みいまあ)い@: (名) 見回り。見回ること。また、見回って世話すること。 

@見回(みいまあ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

見回(みいまあ)⁼ゆん⓪@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見回る。

見回(みいまあ)らあ石(くう)⓪: (名) 石合戦。

見間違(みいまちげ)え⓪: (名) 見間違い。見そこない。

目眉(みいまゆ)⓪: (名) 目と眉。また、容貌。顔だち。 @目眉(みいまゆ)黒々

(くるぐる)とぅ清(ちゅ)ら二才(にいせえ)有(や)い侍(びい)ん。/眉目秀

麗な青年でございます。

見守(みいまん)⁼じゅん⓪: (他 ⁼だん、⁼てぃ) 見守る。大事に見守る。 @子(っ

くぁ)孫(ぅんまが)見守(みいまん)じゅん。/子や孫を見守る。

間々穿(みいみいくう)じい⓪: (名) 隅々までほじくりあさること。重箱のすみを

ほじくるようなこと。また、人のあら捜しをすること。 @間々穿(みいみいくう)

じい為(しゅ)ん。/すみをほじる。また、あら捜しをする。 @間々穿(みいみい

くう)じいぬ強(ちゅう)さん。/あら捜しがひどい。

間々絶々(みいみいてえでえ)⓪: (副) くまなく。すみずみまで。

目々穿(みいみいふう)があ⓪: (副) 穴だらけ。 @目々穿(みいみいふう)があ

  成而居(なとお)ん。/穴だらけだ。

新道(みいみち)@: (名) 新道。古道(ふるみち)[旧道]の対。

新婿(みいむうく)@: (名) 新郎。花婿。

目虫(みいむし)⓪: (名) 目の虫の意。次の句でいう。 @目虫(みいむし)這(ほ

  お)ゆん。/(朝寝すると)目に虫がはう。朝寝坊をあざけって言う。

雌物(みいむな)あ⓪: (名) 雌物(みいむん)[雌]、と同じ。

見物(みいむん)⓪: (名) 見もの。見ておもしろいもの。 *おもろさうし・59

  に、みもの、とある。

雌物(みいむん)⓪: (名) 雌。動物のめす。雌物(みいむな)あ、ともいう。

新物(みいむん)@: (名) 新しいもの。新品。

見舞(みいめ)え⓪: (名) 見舞い。不幸・病気などを見舞うこと。

新米(みいめえ)@: (名) 新米でたいた飯。また、その飯をたく祝い。農家でいう。 

新家(みいやあ)@: (名) 新しい家。新築した家。また、あらたに分家した家。

身治(みいやあ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 癒着する。傷口がなおってふさがる。

身治(みいや)い膏薬(ごおやく)⓪: (名) 癒着させるための膏薬。

見易(みいやっ)さん⓪: (形) @見やすい。容易に見られる。 ➁見られる。見る

にたえる。 @見易(みいやすぃ)く成而居(なとお)ん。/(病状・暮らしなどの

見るかげもなかった者が回復して)見られるようになる。

身柔(みいやふぁ)ら擬(ぎ)さん⓪: (形) 体が弱そうである。ひよわそうに見え

る。みい‐、は身の意か。

目病(みいや)み⓪: (名) 眼病。

見誤(みいやん)⁼じゅん⓪: (他 ⁼だん、⁼てぃ) 見誤る。見そこなう。

新良(みいゆ)か人(っちゅ)⓪: (名) 新参の士族。廃藩前に、平民から士族とな

った者。新参(しんざん)、ともいう。また、16万貫の金を出せば士族となれたので、

そのような士族にもいう。またこの場合は、買(こお)い良(ゆ)か人(っちゅ)、と

もいう。

新嫁(みいゆみ)@: (名) 花嫁。新婦。

芽(みい)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 生える。生ずる。 @歯(はあ)ぬ芽(み

い)ゆん。/歯がはえる。 @草(くさ)ぬ芽(みい)ゆん。/草がはえる。

見(みい)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 見える。目にうつる。 @舟(ふに)ぬ見

  (みい)ゆん。/舟が見える。

見様(みいよお)⓪: (名) @見よう。見かた。見る方法。 ➁目くばせ。目で合図

すること。 B外見。みば。体裁。

目様口様(みいよおくちよお)⓪: (名) 目つきや口の形で合図すること。 @目様

口様(みいよおくちよお)為(しゅ)ん。/※動詞化。

見(みい)らんかあ⓪見(みい)らんかあ⓪: (句) 遠方にあってかすかに見えるも

ののさま。 @見(みい)らんかあ見(みい)らんかあ為居(しょお)ん。/かすか

に見えている。

御入(みい)り髪(がん)@: (名) 入(い)り髪(がん)[かもじ・入れがみ]の敬

語。御為入(みすぃい)ん、ともいう。

見分(みいわ)か⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 見分ける。弁明する。 @親(うや)

見分(みいわ)かしゅん。/(幼児が)親を見分ける。

見分(みいわ)き⓪: (名) 見分けること。見分け。区別。見分(みわ)き、ともい

う。 @良(いぃ)い事(くとぅ)嫌(や)な事(くとぅ)ぬ見分(みいわ)きん無

(ねえ)らん。/善悪の区別もつかない。

見分(みいわ)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 見分ける。見て区別する。

迷惑(みいわく)@: (名) 不面目。不名誉。恥さらし。

目皺(みいわじゃ)ん口皺(くちわじゃ)ん⓪: (名) 顔をしかめること。疲労した

時・痛い時・酸っぱい物を食べた時などに、目をすぼめ口をゆがめること。‐わじゃ

ん<皺(わじゃ)ぬん。

目笑(みいわれ)え⓪: (名) ほほえみ。微笑。 @目笑(みいわれ)え為(しゅ)

  ん。/※動詞化。

十六綯(みい)ん@: (名) 織機の筬(おさ)の種類の名。十六よみ。経糸1280

本を通すもの。また、それで織った布。解(ふどぅ)ち、の項参照。

雌綱(みいんな)⓪: (名) 雌綱。綱引きの時の一方の綱。雄綱(うぅうんな)に対

する。綱引(つぃなふぃ)ち、の項参照。

雌綱(みいんな)走(ば)い⓪: (名) むなしく目をあけていること。ぼんやりと見

ていること。ポカンとしていること。また、啞然としていること。 @雌綱(みいん

な)走(ば)い為居(しょお)ん。/ポカンとしている。啞然としている。

御帯(みううび)@: (名) おみ帯。帯の敬語。

見掛(みか)き⓪: (名)[文] 見掛け。外見。 @見掛(みか)きとお応(うぅう)

じらん。/外見とは合わない。見掛け倒し、あるいは見掛け以上。

‐目化(みか)⁼しゅん⓪: (接尾 ⁼さん、⁼ち) 擬声語・擬態語につき、〜という、〜

という音を立てるの意を表す。 @ドゥサ目化(みか)しゅん[どしんという音を立

てる]、ユタ目化(みか)しゅん[ゆらゆらさせる]、ヒヤ目化(みか)しゅん[えい

っと言う]など。

味方(みかた)@: (名) 味方。

女敵(みがたち)⓪: (名) めがたき(女敵)。恋がたき。

御影(みかぢ)@: (名)[文] [美影]御姿。

銘(みがち)⓪: (名) 銘。刀・鐘・位牌などの銘。

三日月(みかづぃち)@: (名) 三日月。

御髪挿(みかみさ)し@: (名) 男のするかんざし[髪挿(かみさ)し]の敬語。御

かんざし。

御空足(みからふぃしゃ)@: (名) はだしの敬語。御素足。

身代(みが)わい@: (名) 身代わり。

蜜柑(みかん)⓪: (名) 蜜柑。

蜜柑水(みかんすぃい)⓪: (名) 蜜柑水。明治時代にあった飲み物の名。

三毛猫(みきいまやあ)@: (名) 三毛猫。

回(みぐ)い@: (名) 「めぐり」に対応する。 @周囲。まわり。 ➁回転。また、

金の回転・事業の経営・食物の消化など。 B(接尾)周。めぐり。まわり。 @一

回(ちゅみぐ)い[一周]など。

回(みぐ)い灯籠(どぅうるう)⓪: (名) まわり灯籠。走馬燈。盆と正月16日に

用いる。

回(みぐ)い者(むん)@: (名) 働き者。活動家。

回(みぐ)い破(やん)じ⓪: (名) 金の回転・事業の経営などの失敗。

御腰(みくし)@: (名)[文] 御腰。腰(くし)、の敬語。 @御腰(みくし)拝(う

ぅが)ぬん。/あんましてさしあげる。

御腰(みくし)拝(うが)ん@: (名) 腰をもむこと[腰叩(くしたた)ち]の敬語。

あんますることの敬語。貴族をあんまする場合には、さらに丁寧に、御精拝(みしい

うが)ん、という。

御腰立(みくしだ)ち@: (名)[文] 主君を助けて後盾となること。 @命(いぬち)

振(ふ)り捨(すぃ)てぃてぃ御腰立(みくしだ)ち為(すぃ)りゆ。[命ふり捨てて 

御腰立ちすれよ(忠臣身替)]命を捨てて主の後立のなれ。 ※忠臣身替(ちゅうしん

みがわり)は、辺土名親雲上(へんとなぺえちん)作の組踊である。

御口(みくち)@: (名) お口。口(くち)、の敬語。 @御口(みくち)三司官(さ

んしくぁん)、御胴(うんじゅ)蛭(びいる)。/口は三司官のように達者だが、体は

みるのようにぐにゃぐにゃでたよりにならない。

見事(みぐとぅ)@: (名) 見事。すぐれて立派なこと。拝(うぅが)ん事(ぐとぅ)、

はその敬語。 @肝心(ちむくくる)ん見事(みぐとぅ)に持(むっ)ち、働(はた

ら)ち方(がた)ん至極(しぐく)上分(じょおぶん)な男(うぅとぅく)有(や)

や侍(びい)たすぃが。[肝心も見事に持つち 働き方も至極上分な男ややべいたすが

(花売之縁)]心も立派に持ち、働き方もいたってよい男でありましたが。 ※花売之

縁(はなうりのえん)は、高宮城親雲上(たかみやぐすくぺえちん)作の組踊である。

見込(みく)⁼ぬん⓪: (他 ⁼まん、⁼でぃ) 見込む。あてにする。望みありと見る。

  予定する。

見込(みく)み⓪: (名) 見込み。

恵(みぐ)み⓪: (名)[文] 恵み。 @豊(ゆた)かなる御世(みゆ)ぬ徴(しるし)

現(あらわ)りてぃ雨露(あみつぃゆ)ぬ恵(みぐ)み時(とぅち)ん違(たが)ぬ。

[豊なる御世の しるしあらはれて 雨露のめぐみ 時もたがぬ]豊かな御世のしる

しがあらわれて、雨露の恵みも時節をたがえない。

三小盛(みくむ)い⓪: (名) 銭300文。6厘に当たる。銭(じん)、の項参照。

回(みぐ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @めぐる。回る。回転する・周囲を回る・

  角を曲がる・方々を回るなど。 ➁立ち寄る。ちょっと寄る。 

回(みぐ)ら⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 回(みぐ)ゆん、の使役の形。めぐらす。

回す。また、金などを回転させる。回(まあ)しゅん、は儘(まあ)しゅん[死ぬ]

と同音なので、忌んで、回(みぐ)らしゅん、を多く用いる。

見苦(みぐる)しゃん⓪: (形) 見苦しい。みっともない。見苦(みいぐり)しゃん、

  ともいう。

回(みぐ)るん倒(とお)るう⓪: (名) 小児の遊戯の名。敏速に体を回して倒れな

い方が勝ち。

岬(みさち)@: (名) 岬。海中に突き出た陸地。

見里(みさとぅ)⓪: 見里。 ※見里(みさと)は国頭郡大宜味村に存在した地名。親

  田、屋嘉比、見里が合併して、田嘉里(たかざと)となった。

御先立(みされ)え⓪: (名) 御先立(うされ)え、御先立(みされ)え婆婆(ぱあ

  ぱあ)、と同じ。

御先立(みされ)え婆婆(ぱあぱあ)⓪: (名) 士族の結婚式の世話役をつとめる平

  民の老女。花嫁を迎え、儀式の案内・進行などいろいろの世話をする。

御精拝(みしいうが)ん@: (名) 貴族の腰をあんますること。腰叩(くちたた)ち、

の貴族に対する敬語。

飯受(みしう)き⓪: (名) (下宿業などで)まかないをすること。

見(み)し卵(くうが)⓪: (名) @見せ卵の意。産卵しようとする鶏の巣に、あら

かじめ入れておく卵。産卵を促進させる意味でする。 ➁転じて、子を生むことを望

んだ夫婦が、出産を誘うために、仮にもらって来た子供。

飯笥(みしげえ)⓪: (名) しゃもじ。農民が多く使う語。首里では多く、飯笥(い

いじょえ)、という。

見(み)じ知(し)らじ⓪: (名) 見ず知らず。一面識もないこと。 @見(み)じ

知(し)らじ里前(さとぅめ)手水(てぃみずぃ)てぃすぃ知(し)らん当(あ)て

ぃ無(な)しでむぬ許(ゆる)ち給(たぼ)り。[見ず知らず里前 手水てす知らぬ あ

てなしよだいもの ゆるちたばうれ(手水之縁)]見ず知らずのあなた様、わたしは手

水ということを知らない心の幼い娘ですからお許し下さい。 ※手水之縁(てみずの

えん)は、平敷屋朝敏(へしきやちょうびん)作の組踊である。 @見(み)じ知(し)

らじぬ人(っちゅ)。/見ず知らずの人。

目下(みした)⓪: (名) 目下。多くは、手下(てぃいしちゃ)、という。

見(み)し無(な)あく@: (感) めっそうな。女の発する語。あきれた場合、ある

まじいことを見聞きした場合などに、多くは指を鳴らしながらいう。見(み)し無(な)

たあく、見(み)し無(な)たらあく、ともいう。 @鶴(つぃるう)、鶴(つぃるう)、

見(み)し無(な)あく。/つる子、つる子、あきれたねえ。 @扨(さっ)てぃむ

扨(さっ)てぃむ、見(み)し無(な)あく。/なんとまあ、めっそうな。

見(み)し無(な)たあく@: (感) 見(み)し無(な)あく、と同じ。

見(み)し無(な)たらあく@: (感) 見(み)し無(な)あく、と同じ。

見(み)し端(ふぁ)⓪: (名) 見え。外見の飾り。見せかけ。

見世物(みしむん)⓪: (名) 見世物。

見(み)し⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @: 見せる。 @弟(うっとぅ)見(み) 

しゆん。/次の子ができる。二番目以降の子が生まれる時にいう。弟を見せる意。 ➁ 

(〜して)見せる。 @行(ぃん)じ見(み)しゆん。/行って見せる。 @読(ゆ)

でぃ見(み)しゆん。/読んで見せる。 @行(ぃん)じ見(み)しり。/行くなら

行って見ろ。 @来(っち)見(み)しり。/来るなら来て見ろ。(※前項)ともに、

制止しても聞かない場合にいう。 B(接尾)〜しやがる。命令形で用いる。‐見(み)

しり、‐見(み)しれえ、の項参照。

小鰊(みじゅん)⓪: (名) いわし。 ※沖縄のスーパーでよく見られる大衆魚で本

土の「イワシ」に相当する。唐揚げにするとおいしい。現在では、「みじゅん」がもと

になった「ミズン」が共通語として通用するようである。

⁻見(み)しり: (接尾) 〜しやがれ。⁻見(み)しれえ、ともいう。 @読(ゆ)み

見(み)しれえ。/読みやがれ。読(ゆ)でぃ見(み)しれえー読んでみろーとは別。 

@取(とぅ)い見(み)しれえ。/取りやがれ。 @行(い)ち見(み)しれえ。/

行きやがれ。

⁻見(み)しれえ: (接尾) 〜しやがれ。⁻見(み)り、の項を見よ。

飯椀(みしわん)⓪: (名) 飯椀。御飯茶碗。

水(みずぃ)@: (名) 水。 @水(みずぃ)ぬ寒(かん)入而居(いっちょお)ん。

/冬になって水が冷たくなった。水が寒に入った意。 @水(みずぃ)回(まあ)ゆ

ん。/(食物が)腐って水っぽくなる。(食物が)汗をかく。

水洗(みずぃあれ)え⓪: (名) 水洗い。

水入(みずぃい)り⓪: (名) 水入れ。硯にさす水をいれておく小さな器。

水色(みずぃ’いる)⓪: (名) 青。水色。藍のやや薄い色。青色(おおるう)、は緑

  色をいう。

水色(みずぃいる)⓪: (名) 水色(みずぃ’いる)、と同じ。

御添入(みすぃい)ん⓪: (名) かもじの敬語。御入(みい)り髪(がん)、ともいう。

普通は、入(い)り髪(がん)、という。

水音(みずぃうとぅ)⓪: (名) 水音。水の音。

水雲菜(みずぃうんちぇえ)@: (名) じゅんさい。水草の名。水面に生える。葉茎

  を食用とする。

水鏡(みずぃかあがあ)⓪: (名) 水鏡。水に姿を映して見ること。

水瘡(みずぃがあさ)⓪: (名) 水瘡(みずぃがさ)、と同じ。

水甕(みずぃがあみ)⓪: (名) 水がめ。炊事用水・飲料水を井戸から汲んで入れて

  おくかめ。多くは、半胴甕(はんどぅうがあみ)、という。

水瘡(みずぃがさ)⓪: (名) 水痘。水疱瘡。

水被(みずぃかざ)あ⓪: (名) 湿気によって腐ること。多雨・冠水などで、さつま

  いもが腐ることなど。

水被(みずぃかざ)あ芋(ぅんむ)⓪: (名) 湿気によって腐ったさつまいも。冠水

  いも。

密(みすぃ)かってえん@: (名・副) ひそか(に)。内密。内緒。 @密(みすぃ)

かってえんな話(はなし)。/ひそかな話。 @密(みすぃ)かってえんどぅ有(や)

てえる。/内密であったのだ。 @密(みすぃ)かってえんぬ事(くとぅ)。/ひそか

なこと。 @彼(あ)りが密(みすぃ)かってえん言(い)ち呉(くぃ)たん。/彼

がひそかに話してくれた。 *混効験集:坤巻・言語に、みそか言、とある。

水金(みずぃかに)⓪: (名) 鉛。水金(みずぃがに)[水銀]、とは別。

水金(みずぃがに)⓪: (名) 水銀。水金(みずぃかに)[鉛]、とは別。

見(み)すぃが見(み)すぃ@: (副) 見す見す。見ていながら。わかっていながら。  

@見(み)すぃが見(み)すぃ為(さ)ったん。/見す見すやられた。

密(みすぃ)か物語(むぬがたい)⓪: (名) [文]男女のひそかな語らい。

身尽(みすぃが)ら@: (名) 体ひとつ。単身。身すがら。 @此(く)ぬ子(くぁ)

どぅん捨(すぃ)てぃてぃ身尽(みすぃが)らに成(な)りば、姑(しゅとぅ)一人

(ちゅい)が事(くとぅ)や自由(じゆ)に成(な)ゆん。[此子ども捨てて 身すが

らになれば 姑一人が事や 自由になゆん(大川敵討)]この子を捨てて身ひとつにな

れば、しゅうとめひとりの世話はできる。 ※大川敵討(おおかわてきうち)は、久

手堅親雲上(くでけんぺえちん)作の組踊である。

密(みすぃ)く⓪: (副) [文]丁寧に。慎重に。よくよく。「みすく、こまく、能々

密の心也(混効験集)」 @やあ生(な)し子(ぐぁ)密(みすぃ)く聞(ち)ち拝(う)

がみ。[やあ産し子 みすく聞拝め(銘苅子)]さあ子供よ、よくよく聞け。 ※銘苅

子(めかるし)は、玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)作の組踊である。 @御情(う

なさき)ぬ御肝(うぢむ)密(みすぃ)く取(とぅ)い受(う)きてぃ肝(ちむ)割

(わ)りてぃ実(じち)に御宣(うんぬ)きよおり。[御情の御肝 みすく取請けて 肝

割れて実に おんによけやうれ(大川敵討)]お情深いお心を丁寧にお受けして、心を

開いて真実を申し上げよ。 ※大川敵討(おおかわてきうち)は、久手堅親雲上(く

でけんぺえちん)作の組踊である。 *混効験集:乾巻・言語、および坤巻・言語に、

みすここまく、とある。

水薬(みずぃぐすい)⓪: (名) 水薬。

水零(みずぃくぶ)し⓪: (名) 便所で女のみが使う手洗い。昔は便所で紙を使用せ

  ずに水を使用した。そのための水を入れておく器をいう。

水車(みずぃぐるま)⓪: (名) 水車。

水性(みずぃしょお)@: (名) 水性。陰陽家のいう水の性(を持った者)。

御下駄(みずぃた)⓪: (名) 下駄(ぢた)[表付きの下駄]の敬語。

水丈(みずぃだき)@: 水の高さ。水かさ。水深。

水溜(みずぃた)まい⓪: (名) 水たまり。雨水などのたまったところ。

水(みずぃ)垂(た)ら垂(た)ら@: (副) 水(みずぃ)態(ってえ)ん、と同じ。 

@水(みずぃ)垂(た)ら垂(た)ら為居(しょお)ん。/みずみずしい。

御精入(みすぃづぃり)⓪: (名) 神の託宣。聞得大君(ちふぃぢん)[きこえ大君]、

君(ちん)、宣(ぬう)る[のろ]などの託宣のことば。 @御神(うかみ)現(あら

わ)りてぃ、御言葉(うくとぅば)ぬ有(あ)りば、御精入(みすぃづぃり)ぬ有(あ)

りば。[御神あらはれて お言葉のあれば みすずりのあれば(孝行之巻)]神様が現

れておことばがあったので、御託宣があったので。 ※孝行之巻(こうこうのまき)

は、玉城朝薫 (たまぐすくちょうくん)作の組踊である。 *混効験集:坤巻・神

祇に、みすづり、とある。

水(みずぃ)態(ってえ)ん@: (副) みずみずしいさま。水のしたたるようなさま。

水(みずぃ)垂(た)ら垂(た)ら、ともいう。 @水(みずぃ)態(ってえ)ん為

而居(しょお)ん。/みずみずしい。

水(みずぃ)ぬ間(みい)⓪: (名) 水の中。水中。 @魚(いよ)お水(みずぃ)

ぬ間(みい)居(う)てぃん息(いいち)為擬(しいぎ)さん。/魚は水の中でも息

をするらしい。 @此(く)ぬ草(くさ)あ水(みずぃ)ぬ間(みい)なかい育(す

だ)ちゅん。/この草は水中で育つ。

水鼻垂(みずぃはなだ)い⓪: (名) 水ばな。鼻みず。

水撥(みずぃは)にい⓪: (名) 水鉄砲。

水撥(みずぃは)に合(え)え⓪: (名)) @水かけ遊び。水のかけ合い。 ➁水かけ

論。

水引(みずぃふぃ)ち⓪: (名) 水引き。仏壇の前の卓に掛ける小さな幕。

水膨(みずぃぶく)るう⓪: (名) 水ぶくれ。やけどのあとなどにできる水ぶくれ。

水負(みずぃま)き@: (名) 水に負けること。他郷などで、慣れない水のために体

  が弱ること。

水盛(みずぃむ)い⓪: (名) @見つもり。目算。あらかじめする概算。 ➁あて。

水盛(みずぃむ)い相違(そおい)⓪: (名) 目算がはずれること。あてがはずれる

こと。

水弄(みずぃむたあ)ん⓪: (名) 水遊び。

珍(みずぃら)しゃん⓪: (形) 珍しい。珍(みんだ)しゃん、ともいう。 *混効

験集:坤巻・言語に、めつらしや、とある。 *おもろさうし・61に、めつらしや、

とある。おもろでは、「美しい」という意味に使われるようである。

召(み)せえん⓪: (他・不規則) @言うの敬語。仰せられる。言召(いみ)せえん 

[おっしゃる。対等・目上に用いる。]よりもさらに目上に用いる。 ➁するの敬語。

あそばす。おやりになる。為召(しみ)せえん[なさる。される。対等・目上に用い

る。]よりもさらに目上に用いる。 B食べるの平民年長に対する敬語。あがる。

‐召(み)せえん: (接尾・不規則) お〜になる。〜なさる。〜される。「連用形」(ま

たは、「連用形」から末尾の「i」を除いた形)に付き、尊敬の敬語を作る。 @読(ゆ)

み召(み)せえん[読まれる]、御読(うゆ)み召(み)せえん[お読みになる]、若

(わか)さい召(み)せえん[お若くていらっしゃる]、書(か)ち召(み)せえ有侍

(やびい)ん[お書きになります]など。なお、召(ん)せえん、の項参照。

満(み)た⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 満たす。いっぱいにする。満(み)ちゆん、

ともいう。 @甕(かあみ)満(み)たしゅん。/かめを満たす。

見立(みた)てぃ⓪: (名) @見立て。鑑定。見て決めること。 @見立(みた)て

ぃ為(しゅ)ん。/見立てる。 ➁見込み。 @見立(みた)てぃぬ良(ゆ)たしゃ

ん。/見込みがある。

揺揺(みたみた)⓪: (副) ゆらゆら。ゆれ動くさま。 @橋(はし)ぬ揺揺(みた

みた)為(っし)恐(うとぅる)しゃん。/橋がゆらゆら揺れてこわい。

道(みち)@: (名) @道。道路。 ➁人の行うべき道。また、方法。 B(接尾)

道。また、方法。 @子産(っくぁな)し道(みち)ぇえ知(し)っち育(すだ)て

ぃ道(みち)ぇえ知(し)らん。/子の産み方は知っていて、育て方は知らない。

道歌(みちうた)@: (名) [道歌]俚謡の一種。いなかの道を行きながら歌う歌。

たとえば、次のようなもの。 @本部(むとぅぶ)今帰仁人(なきじな)が宿(やど

ぅ)借(か)いが来(く)らわ、言葉(くとぅば)柔々(やふぁやふぁ)とぅ戻(む

どぅ)ち遣(や)らし。[本部今帰仁なが 宿借りが来らは 言葉やはやはと 戻ちや

らせ]本部や今帰仁の者が宿を借りに来たら、乱暴者だからことばやさしくことわっ

てやれ。 @名護(なぐ)からや羽地(はにじ)伊差川(いざしちゃ)や一里(いち

り)、真喜屋馬場(まぢゃがにく)迄(までぃ)や二里(にり)ぬ積(つぃ)むい。[名

護からや羽地 伊差川や一里 真喜屋兼久までや 二里のつもり]名護からだと羽地

の伊差川までは一里、真喜屋の馬場までは二里とされている。 ※「かにく」は、砂

地・馬場などを意味する普通名詞で、昔、真喜屋には競馬場があったようだ。

道打(みちう)ち@: (名) 馬による散歩。馬の遠乗り。

道小(みちぐぁあ)⓪: (名) 小道。

閉(み)ち込(く)み⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 閉じ込める。

道決(みちざく)い@: (名) 道普請。道路工事。

道芝(みちしば)@: (名)[文] 道ばたの草。 @浅(あさ)ましや一人(ふぃちゅ

い)思(うむ)い焦(く)がりとぅてぃ、道芝(みちしば)ぬ露(つぃゆ)とぅ共(と

ぅむ)に消(ち)い果(は)てぃてぃ、犬猫(ぃいんまや)ぬ餌食(いぃじき)成(な)

ゆらとぅ思(み)ば。[浅間しや一人 思焦れとて 道柴の露と 共に消え果てて 犬

猫のゑじき なゆらとめば(花売之縁)]なさけないことよ。ひとりで思いこがれなが

ら、路傍の露と消え果てて、犬猫のえじきになるかと思うと。 ※花売之縁(はなう

りのえん)は、高宮城親雲上(たかみやぐすくぺえちん)作の組踊である。 ※共通

語の柴(しば)と芝(しば)は、語源が同じようである。

満(み)ち潮(しゅ)⓪: (名) 満潮。 @干瀬(ふぃし)に居(うぅ)る鳥(とぅ

い)や満(み)ち潮(しゅ)恨(うら)みゆい、我身(わみ)や赤月(あかつぃち)

ぬ鶏(とぅい)どぅ恨(うら)む。[干瀬に居る鳥や 満潮恨みゆい 我身や暁の 鳥

ど恨む]潮の引いた岩の上にいる鳥は満潮を恨んでいるが、わたしはあかつきを告げ

る鳥を恨む。

道直(みちすぃが)ら@: (名) 道すがら。道中。道のついで。 @里前(さとぅめ)

舟(ふに)送(うく)てぃ戻(むどぅ)る道直(みちすぃが)ら、降(ふ)らん夏暗

(なつぃぐ)りに我袖(わすでぃ)濡(ぬ)らち。[里前船送て 戻る道すがら 降ら

ぬ夏ぐれに 我袖ぬらち]愛する男の船を送って帰る道すがら、夏の雨に会ったわけ

ではないのにわが袖をぬらした。 @道直(みちすぃが)ら有(や)たん。/道のつ

いでだった。

乱(みだ)り⓪: (名) (秩序・規律などの)乱れ。乱(んじゃ)り、の項参照。

乱(みだ)り世(ゆう)⓪: (名) 乱世。

乱(みだ)り⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (秩序・規律などが)乱れる。乱(んじ

  ゃ)りゆん、の項参照。

三年(みちゅ)@: (名) 三年(みとぅ)、と同じ。

三所(みちゅくる)⓪: (名) 御三人。三人(みっちゃい)、の敬語。三所(みとぅく

る)、御三所(うみちゅくる)、ともいう。

満(み)⁼ちゅん⓪: (自 ⁼たん、⁼っち) 満ちる。いっぱいになる。充満する。 @

満(み)たんカラカラあ弱満(よおん)ち心(ぐくる)。/中身のいっぱいない酒瓶(内

容のない人間)はかえってそうぞうしい。 @満(みっ)ち余(あま)ゆん。/才走

る。満ちて余る意。

目(み)⁼ちゅん⓪: (接尾 ⁼かん、⁼ち) 擬声語・擬態語について、〜という音を出

す、〜という状態になるなどの意を表す。〜めく。 @揺(ゆ)た目(み)ちゅん[ゆ

らめく]、鼓動(だく)目(み)ちゅん[どきどきする、ときめく]など。

道連(みちづぃ)り⓪: (名) 道連れ。道中を連れだって行く人。

道中(みちなか)⓪: (名) 途中。道中。 @道中(みちなか)が有(や)ゆら殺(く

る)さりが為(し)ちゃら。[道中がやゆら 殺されがしちやら。(手水之縁)]まだ引

かれて行く途中であろうか、もう殺されてしまったろうか。 ※手水之縁(てみずの

えん)は、平敷屋朝敏(へしきやちょうびん)作の組踊である。

道半(みちなか)ら@: (名) 中途。なかば。半(なか)ら道(みち)、ともいう。

道(みち)ぬ島(しま)@: (名) 十島(土噶喇列島)と奄美諸島。薩摩への道の島

  の意。

道端(みちばた)⓪: (名) 道ばた。路傍。

道間違(みちばっぺ)え@: (名) 道を間違えること。道に迷うこと。

導(みちび)⁼ちゅん@: (他 ⁼かん、⁼ち) [文] 導く。口語では、添(そお)て

  ぃ行(い)ちゅん[連れて行く]、習(なら)あしゅん[指導する]などという。

道隔(みちふぃざ)み@: (名) 道路をへだてること。家などが道をへだてて向き合

うこと。

満(み)ち間(まあ)⓪: (名) 遊戯(の道具)の名。十六武蔵。

道幕(みちまく)@: (名) [道幕]貴族の葬式の際、婦人の行列は両側を幕でかこ

  んで進む。その幕。

三日(みちゃ)⓪: (名) [文]三日(みっちゃ)、の文語。

三切合(みちゃあ)い@: (名) 三分すること。三つ割り。また、三切れ。 @三切

合(みちゃあ)い向(ん)かい為(しゅ)ん。/三つ割りにする。

身着合(みちゃあ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 癒着する。身合(みいやあ)しゅ

ん、と同じ。

道寄(みちゆ)らり@: (名) 道草を食うこと。

閉(み)ち⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 閉ざす。(戸・ふたなどを)閉める。 @

走(はし)る閉(み)ちゆん。/雨戸を閉める。

満(み)ち⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 満たす。満(み)たしゅん、ともいう。満

ちるは、満(み)ちゅん、という。 @甕(かあみ)満(み)ちゆん。/かめを満た

す。

蜜(みつぃ)⓪: (名) 蜜。花の蜜。

目付(みつぃ)き⓪: (名) @鑑定。見立て。品物・人物などを見分けること。 ➁

診断。 B見込み。 @目付(みつぃ)きぬ立而居(たっちょお)ん。/見込みが立

っている。将来性がある。

目付(みつぃ)き違(ちげ)え⓪: (名) 見込み違い。見立ての誤り。誤診。

三(み)つぃ叉(ぐやあ)⓪: (名) 道が三方に分かれる所。三つ角。三叉路。

御頂(みつぃじ)⓪: (名) ふくさ。進物・神仏へのお供え物の上にかける、小さい

  四角の絹の布。つぃじ(頂)に、御(み)‐[敬意の接頭辞]のついた形か。

三(み)つぃ葉(ば)@: (名) 野菜の名。みつば。

三(み)つぃ星(ぶし)@: (名) (オリオン座の)三つ星。

三(み)つぃ割(わ)い⓪: (名) 三(みい)つぃ割(わ)い、と同じ。

三(み)つぃん子(ぐぁ)@: (名) 三つ子。三歳の子。物の道理をわきまえぬ小児。

三生子は、三生(みいちゅう)、という。

三日(みっか)@: (名) 三日。みっか。

目暗(みっくぁ)⓪: (名) 盲。盲目。 @目暗(みっくぁ)ぬ蛇(ふぃいぶ)ん怖

(う)じらん。/盲蛇に怖じず。

目暗(みっくぁ)あ⓪: (名) 目暗(みっく)う、と同じ。

目暗(みっくぁ)あ通(とお)るう⓪: (名) 遊戯の名。めくらおに。鬼が目隠しを

してする鬼ごっこ。 ※「とお」は、「とお、なまやさ」の「とお」、と思われる。も

しかすると中国語かもしれない。

見難(みっくぁ)さん⓪: (形) 憎い。憎らしい。

目暗(みっく)う⓪: (名) めくらの人。盲人。目暗(みっくぁ)あ、ともいう。

滅多(みった)⓪: (名) めった。むちゃ。 @滅多(みった)な事(くとぅ)。/め

ったなこと。むちゃなこと。 @滅多(みった)に。/むやみに。やたらに。 @滅

多(みった)に人(っちゅ)呪(ぬら)ゆん。/やたらに人を𠮟る。

満(み)っち余(あま)やあ⓪: (名) 才走った者。小利口者。

三日(みっちゃ)@⓪: (名) 三日。みっか。一日の三倍。月の第三日は多く、三日

(さんにち)、という。

三人(みっちゃい)@: (名) 三人。 @三人(みっちゃい)揃(すりれ)え世間(し

きん)。/三人そろえば世間となる。

満倦(みっちゃ)かあん@: (名・副) いっぱい。 満ちているさま。 @甕(かあ

み)ぬ満倦(みっちゃ)かあん水(みずぃ)汲(く)ぬん。/かめにいっぱい水を汲

む。 ※満倦(みっちゃ)かあん為居(しょお)ん。/いっぱいに満ちている。

満倦(みっちゃ)か⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 満ちる。いっぱいになる。

三日(みっちゃ)ぬ御祝(ういうぇ)え⓪: (名) 三日(みっちゃ)ぬ御祝(うゆう

ぇ)え、と同じ。

三日(みっちゃ)ぬ御祝(うゆうぇ)え⓪: (名) 旅に出た人の家で、出帆後三日目

に行う祝い。帆船時代に、大和(やまとぅ)、に行く船が三日目あたりに七島灘の難所

にかかるので、その無事を祈るために祝ったものであろう。

三日(みっちゃ)ぬ節供(しく)@: (名) 正月3日の祝い。その日、国王は円覚寺・

天王寺・天界寺の三寺に参詣し、一般家庭では、鹿擬(しかむどぅ)ち[料理名。そ

の項参照。]などのごちそうを作って祝った。

三年(みとぅ)@: (名) 三年。みとせ。三年(みちゅ)、三年(さんにん)、ともい

  う。

見取(みとぅ)い⓪: (名) 見てとること。見定めること。見て決めこむこと。 @

見取(みとぅ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

見所(みどぅくる)⓪: (名) 見どころ。見所(みいどぅくる)、と同じ。

見届(みとぅどぅ)き⓪: (名) 見とどけること。確認。見届(みいとぅどぅ)き、

  ともいう。

三年四年(みとぅゆとぅ)@: 三、四年。

芽取(みどぅ)り⓪: (名) 芽。草木の芽。枝から出る芽。また、種子から出る芽。 

@芽取(みどぅ)り咲(さ)ちゅん。/(草木の)芽が出る。

目取真(みどぅるま)⓪: (名) 目取真。 ※「めどるま}、かつて南城市大里に存在

した地名。

目涙(みなだ)⓪: (名) 目涙(みいなだ)、と同じ。

見習(みなれ)え⓪: (名) 見習い。業務などを実地について練習すること。

三七日(みなんか)@: (名) 三七日。死後21日目の法事。

身遅(みにい)しゃ@; (名) ひもじさの敬語。御空腹。貴族の家庭で使われる語。 

@身遅(みにい)しゃ御会召(ぅわあみ)せえ侍(びい)らやあ。/御空腹でいらっ

しゃいましょうねえ。

目(み)ぬ緒(う)⓪: (名)[文] 目(みい)ぬ緒(うう)、の文語。目の緒の意。

身(み)ぬ上(ぅうぃい)⓪@: (名)[文] @身の上。境遇。 ➁わが身。自分の身

の上。 @意見(いちん)寄(ゆ)すぃ事(ぐとぅ)や身(み)ぬ上(ぅうぃい)ぬ

宝。[意見寄事や 身の上の宝]意見や忠告はわが身にとっての宝。

美濃紙(みぬがみ)⓪: (名) 紙の一種。美濃紙。

身(み)ぬ足(だ)る⓪: (名) 料理名。豚肉にいかの墨と黒ごまをつけ、醤油味に

して蒸したもの。

目(み)ぬ前(めえ)⓪: (名) 目(みい)ぬ前(めえ)、と同じ。

御別珍(みびっちん)@: (名) 別珍(びっちん)[紙入れ・財布]の敬語。お財布。

御足(みふぃしゃ)⓪: (名) おみ足。足の敬語。

御鬚(みふぃぢ)@: (名) 御ひげ。ひげの敬語。

三坂(みふぃら)@: (名) [三平等]首里三坂(しゅいみふぃら)、の項参照。

御昼間(みふぃるま)⓪: (名) 御昼間御盆(みふぃるまうぶん)、と同じ。

御昼間御盆(みふぃるまうぶん)⓪: (名) お昼御飯。昼間物(ふぃるまむん)[昼飯、

  その項参照]の丁寧語。

御星(みふし)@: (名) 星の敬語。星は尊いものとされていた。人にはおのおのの

  命となる星があって、それが落ちると死ぬとされる。

見本(みふん)⓪: (名)[新] 見本。もとは、手本(てぃふん)、といった。

身分(みぶん)@: (名) 身分。階級。

耳(みみ)⓪: (名) 耳。 @耳(みみ)傾(ふぃらみ)ゆん。/耳を傾ける。熱心

に聞く。耳をすます。また、(動物が)耳を立てる。

耳皮(みみがあ)⓪: (名) 耳の皮の意。耳たぶ。豚肉料理でいう。

耳皮刺身(みいがあさしみ)⓪: (名) 料理名。豚の耳の酢のもの。焼いて毛を取り

  去った豚の耳を煮て、薄く切り、野菜をまぜて酢であえたもの。

耳姦(みみがしま)⁼しゃん⓪: (形) やかましい。うるさい。

耳矩(みみがに)⓪: (名) 理解力。かしこい頭。聡明さ。 @耳矩(みみがに)ぬ

有(あ)ん。/理解力がある。かしこい。

耳凝(みみぐ)い⓪: (名) きくらげ。きのこの一種。木にはえ、形が人の耳に似て

いる。干したものを食用にする。 ※中国語で、黒木耳(ヘイムアー)という。沖永

良部では「みんぐそ」、奄美大島では「みんぐり」、宮崎県西彼杵郡では「みみなば」

という。沖縄のスーパー等では生のものが置いてある。

耳穿(みみくじ)やあ⓪: (名) 耳かき。

耳穿(みみくじ)らあ⓪: (名) 耳穿(みんくじ)らあ、と同じ。

耳糞(みみくす)⓪: (名) 耳くそ。耳あか。

蚯蚓(みみじ)⓪: (名) みみず。

揉(みみ)⁼じゅん@: (他 ⁼がん、⁼じ) @(身体を、また野菜などを)もむ。 ➁

  いじめる。とっちめる。 @揉(みみ)がりゆんどお。/いじめられるぞ。

耳(みみ)ぬ垂(た)い⓪: (名) 耳たぶ。耳の下部の垂れ下がった部分。耳(みみ)

  ぬ頬垂(ふうた)い、ともいう。

耳(みみ)ぬ葉(ふぁあ)⓪: (名) 耳たぶ。外耳全体をいう。 @耳(みみ)ぬ葉

(ふぁあ)にん入(い)りらん。/聞こうともしない。 @耳(みみ)ぬ葉(ふぁあ)

迄(までぃ)ん笑(わら)ゆん。/耳まで笑う。非常に喜んで笑うさまをいう。

耳(みみ)ぬ頬垂(ふうた)い⓪: (名) 耳(みみ)ぬ垂(た)い、と同じ。

身持(みむ)ち@: (名) 身持ち。体の保ちかた。また品行。その敬語は、御胴持(う

んじゅむ)ち。 @身持(みむ)ち大切(てえしち)に為(っし)よお。/体を大切

にしろよ。お大事に。

目元(みむとぅ)⓪: (名)[文] 目もと。目のあたり。 @生(な)し子(ぐぁ)見

送(みうく)いに此(く)り迄(までぃ)や来(ちゃ)すぃが、哀(あわ)り連(つ

ぃ)り無(な)さや後影(あとぅかぢ)ん見(み)らん、目元(みむとぅ)暗々(く

らぐら)とぅ成(な)るが心気(しんち)。[なし子見送りに これまでよ来やすが あ

われつれなさや あと影も見らぬ 目もとくらぐらと なるが心気(忠臣身替)]子の

見送りにここまでは来たが、ああ、つれないことに後姿も見えない。目の前が暗くな

る心持ちである。 ※忠臣身替(ちゅうしんみがわり)は、辺土名親雲上(へんとな

ぺえちん)作の組踊である。

見物御門(みむぬうじょお)⓪: (名) 首里城の門の名。御城(うぐすぃく)、の項参

  照。 *混効験集:乾巻・家屋に、みものおぢやう、とある。

見舞(みめ)え⓪: (名) 見舞(みいめ)え、と同じ。

宮(みや)@: (名) 宮。神をまつった建物。獅子(すぃいし)ぬ宮(みや)[末吉の

宮]、安里(あさとぅ)ぬ宮(みや)などがある。 *おもろさうし・1044に、み

や、とある。

土産(みゃあぎ)⓪: (名) みやげ。土産(なあぎ)、ともいう。

宮古(みゃあく)@: (名) 宮古(なあく)、ともいう。 @宮古群島。 ➁宮古島。

  宮古群島の主島。 *おもろさうし・311に、みやこ、とある。

宮平(みゃあでえら)⓪: (名) 宮平。宮平(なあでえら)、ともいう。 ※宮平(み

やひら)、島尻郡南風原町の地名。姓としては、島尻郡座間味村で最も多い名字である。

名護市にも多い姓である。

宮城(みゃあぐすぃく)⓪: 宮城。 ※宮城(みやぎ)、国頭郡大宜味村、国頭郡東村、

中頭郡北谷町、うるま市、浦添市、那覇市、島尻郡南風原町の地名。那覇市は、「みや

ぐすく」と読むようである。大宜味村・うるま市では島の名前でもある。 *おもろ

さうし・1219に、みやくすく、とある。

宮里(みゃあざとぅ)⓪: (名) 宮里。 ※宮里(みやざと)、名護市、うるま市、沖

  縄市の地名。

都(みやく)@: (名) 都。国王のいる地。また、都市。

脈(みゃく)⓪: (名) 脈。脈搏。脈(なあく)、ともいう。

目当(みや)てぃ⓪: (名) 目あて。目標。

深山(みやま)@: (名)[文] 深山。奥山。

美童・女童(みやらび)⓪: (名) 娘。おとめ。「めわらべ」に対応する。農村の未婚

の娘をいう。

御世・御代(みゆ)@: (名)[文] 御世。

妙(みゅう)@: (名) 妙。変。奇妙。 @妙(みゅう)な事(くとぅ)。/妙なこと。 

@迚(どぅ)っとぅ妙(みゅう)有(や)ん。/とても変だ。

美御香(みゅうこお)@: (名) 美御香(にゅうこお)、と同じ。 

美御草履(みゅうざれえ)@: (名) 美御草履(ぬうざれえ)、と同じ。 *混効験集:

  乾巻・器材に、みおじやらい、とある。

美御見掛(みゅんか)き⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ)御覧になる。見る(んんじゅん)

の敬語で、御見掛(うみか)きゆん、よりさらに上の敬語。美御見掛(ぬんか)きゆ

ん、ともいう。

美御顔(みゅんち)@: (名) お顔。御顔(うんち)、のさらに上の敬語。美御顔(ぬ

んち)、ともいう。 @波(なみ)ぬ声(くぃ)ん止(とぅ)まり、風(かじ)ぬ声(く

ぃ)ん止(とぅ)まり、首里天愛(しゅいてぃんじゃな)し美御顔(みゅんち)拝(う

ぅ)がま。[波の声もとまれ 風の声もとまれ 首里天ぎやなし 美御機拝ま]波の声

も静まれ、風の声も静まれ、首里の国王様の御機嫌を伺おう。 ※恩納なべの有名な

琉歌である。 *混効験集:乾巻・支体に、みおむき、とある。

美御受事(みゅんちぐとぅ)@: (名) 仰せ。国王のおことば。美御受事(ぬんちぐ

とぅ)、ともいう。

美御胴(みゅんぢゅ)@: (名) [美御胴] あなたさま。第二人称の貴族に対する

  敬語。美御胴(にゅんぢゅ)、美御胴(ぬんぢゅ)、ともいう。

美御頂鬢(みゅんちょおび)@: (名) [美御美髪]貴族の髪の敬語。おぐし。美御

  頂鬢(ぬんちょおび)、ともいう。髪の普通の敬語は、御頂鬢(うんちょおび)。

美御遣(みゅんつぃけ)え@: (名) 御招待。また、御案内。貴人を招待または、案

内すること。御遣(うんつぃけ)え、のさらに上の敬語。 *混効験集:乾巻・言語

に、みおむつかい、とある。

美御宣(みゅんにゅ)き⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 奏上する。言上する。(国王

などに)申し上げる。御宣(うんぬ)きゆん、のさらに上の敬語。 *混効験集:乾

巻・言語に、みおみのけ、とある。

冥加(みょおが)⓪: (名) 名誉。ほまれ。冥加の転意したもの。冥加(のおが)、と

もいう。

名字(みょおじ)⓪: 苗字。名字(のおじ)、ともいう。家号と同じ苗字の場合は、家(や

  あ)ん名(なあ)、という。

弥勒(みるく)@: 弥勒(みろく)。弥勒菩薩。首里の赤田に首里殿内があり、そこに祀

ってある。旧暦8月16日に弥勒会が行われる。 @赤田首里殿地(あかたしゅんど

ぅぬち)黄金灯籠(くがにどぅうるう)提(さ)ぎてぃ其(う)りが明(あか)がり

ば弥勒(みるく)御迎(うんけ)。[赤田首里殿内 黄金燈籠下げて おれが明かがれ

ば 弥勒御迎]赤田の首里殿内に黄金の燈籠を下げて、それに火がともったら、弥勒

をお迎えしよう。 @弥勒(みるく)ぬ笑(わら)たんねえ。/弥勒が笑ったように。

にっこりと笑ったさま。 *おもろさうし・375に、みろく、とある。

弥勒御迎(みるくうんけ)え⓪: (名) 弥勒会。旧暦8月16日に、首里赤田の首里

  殿内で行われる。 ※弥勒会(みろくえ)、と読むようである。会(え)は呉音である。

弥勒世(みるくゆう)@: (名) [弥勒世]豊年。 @弥勒世(みるくゆ)や目(み)

ぬ前(め)引(ふぃ)ち寄(ゆ)すぃてぃ居(うぅ)すぃが蓋幕(ふたかちゃ)ぬ布

(ぬぬ)や織(うぅ)たみ童(わらび)。[弥勒世や目の前 ひきよせて居すが ふた

かちやの布や 織ためわらべ]豊年は目の前に近づいているが、ふたかちゃ(その項

参照)の布は織ったか、子供よ。

弥勒世果報(みるくゆがふう)⓪: [弥勒世果報]弥勒世(みるくゆう)、と同じ。

弥勒(みるく)ん子(ぐぁ)@: (名) 弥勒会[弥勒御迎(みるくうんけ)え]の時、

  弥勒のお供をする子供たち。美しく装束して行列をにぎやかにする。

見(み)る見(み)る⓪: (副) 見ていながら。見す見す。 @見(み)る見(み)

る引(ふぃ)ん逃(が)ちゃん。/見す見す逃した。

見(み)る欲(ゆく)⓪: (名) でき心。見ると起こる欲。

見分(みわ)き⓪: (名) 見(み)い分(わ)き、と同じ。 

耳閉(みんか)あ⓪: (名) つんぼ。耳閉(みんくう)の卑称。

濁食居(みんくぁあう)う⓪: (名) @ひどくよごれたりにじんだりして、もとの形

がわからないもの。そのような字体など。 ➁顔がすっかりよごれること。また、ひ   

どくよごれた顔。 @濁食居(みんくぁあう)うしゅん。/(子どもをこわがらせる   

時などに)指で目や口を引っ張って、恐ろしい顔つきをする。

濁(みんぐぁ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 濁らす。濁らせる。

巡(みんぐぁ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) @回す。めぐらす。巡(みぐ)らしゅ

ん、ともいう。 @独楽(くうるう)巡(みんぐぁ)しゅん。/こまを回す。 ➁惑

わす。

濁(みんぐぃ)⓪: (名) 濁り。濁ること。濁っていること。 @濁(みんぐぃ)ぬ

有(あ)ん。/濁っている。

濁(みんぐぃ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (水などが)濁る。

回(みんぐぃ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @回る。めぐる。回(みぐ)ゆん、と

もいう。 ➁惑う。

耳閉(みんくう)⓪: (名) つんぼ。次項参照。

耳穿(みんくじ)らあ⓪: (名) つんぼ。また、耳の遠い者。耳閉(みんか)あ、耳

閉(みんくう)、耳穿(みみくじ)らあ、耳穿(みんくじ)り者(むん)、ともいう。

耳穿(みんくじ)り物語(むぬがた)い⓪: (名) 耳の遠い者との話。また、そのよ

うなとんちんかんで互いに通じない話。

耳穿(みんくじ)り者(むん)⓪: (名) 耳穿(みんくじ)らあ、と同じ。

木綿布(みんさあ)⓪: (名) @布の名。緯糸を合わせて太くして織ったもので、帯

用。 ➁それで作った帯。木綿布帯(みんさあううび)、と同じ。 @情(なさき)呉

(くぃ)る許(びけ)い手拭(てぃさぢ)呉(くぃ)てぃ何(ぬ)為(しゅ)が、腰 

(がまく)縊(く)ん締(し)みる木綿帯(みんさ)呉(くぃ)らな。[情呉ゆるびけ 

い 手巾呉てのしゆが 腰くんしめる みんさ呉らな(かなよ節)]贈り物をするぐ    

らいなら、手ぬぐいぐらいやって何になるか、腰をぎゅっとしめるメンサ帯をやりた

い。

木綿布帯(みんさあううび)⓪: (名) 木綿布(みんさあ)、の帯。いなかの女が用い  

るもの。

綿糸(みんし)⓪: (名) 真綿。屑繭を引き伸ばした絹綿。

耳出(みんじゃ)い⓪: (名) 耳だれ。耳の穴から流れ出るうみ。また、その病気。

耳出(みんじゃ)い草(ぐさ)⓪: (名)植物名。雪の下。井戸ばたなどの湿地に生え   

る草。葉をもんで油とまぜたものを耳だれの薬にする。

面状(みんじょお)@: (名) [面状]顔付き。面相。 @面状(みんじょお)ぬ悪

  (わっ)さん。/顔付きが悪い。

珍(みんだ)し物(むん)⓪: (名) 珍しい物。

珍(みんだ)しゃん⓪: (形) 珍しい。珍(みずぃら)しゃん、ともいう。

水棚(みんたな)⓪: (名) 流し。台所の流し台。水棚の意。

水棚水入(みんたなしいり)⓪: (名) 台所の流しの先に設ける水だめ。

目玉(みんたま)⓪: (名) 目玉。目の玉。眼球。

耳垂(みんた)り編笠(あんじゃさ)⓪: (名) 顔を深くおおう編み笠。深編み笠。

耳垂(みんた)りい⓪: (名) 耳垂(みんた)り編笠(あんじゃさ)、と同じ。 

面付(みんぢ)ち⓪: (名) [面付]名義。 @誰(たあ)面付(みんぢ)ち成而居  

(なとお)が。/だれの名義になっているか。

面付(みんぢ)ち@: (名) [面付]顔付き。顔色。相手・状況によって変わる顔付

きをいう。

名義違(みんぢちげ)え⓪: (名) 名義変更。

耳惜(みんちゃ)さん⓪: (形) やかましい。うるさい。<耳(みみ)+惜(いちゃ)

  さん。

耳茶葉(みんちゃばあ)⓪: (名) 耳の卑語。ののしっていう時に使う。

耳惜物(みんちゃむん)⓪: (名) 目に入ったごみ。 @耳惜物(みんちゃむな)あ

耳惜物(みんちゃむな)あ慶良間(きらま)ぬ後(くし)んかい行(い)きよお。/

目に入ったごみよ、目に入ったごみよ、慶良間島のむこうに飛んでいけ。目に入った

ごみをふっと吹いて取る時にとなえるまじない。 @棚原山(たなばるやま)ぬ耳惜

物(みんちゃむん)。/棚原山(たなばるやま)は西原村にあり、その村の娘たちが松

の枯葉を集めに行くところ。そこへ首里の青年たちが遊びに行き、目に入ったごみを

取ってくれと称して娘に近付く。娘が男の目に口を近付けた時、男は接吻を盗む。そ

の遊びをいう。そこでは、一人の娘が他の娘の所に近づこうとする時には、其処(う

ま)あ松葉(まあつぃばあ)や有(あ)み[そこには松葉はあるか]と声をかけ、此

処(くま)あ無(ねえ)ん[ここにはない]と返事があれば、察して近づかないとい

うような、不文律ができていたという。

面倒(みんどお)⓪: (名) 面倒。厄介。 @面倒(みんどお)な事(くとぅ)。/面

  倒な事。 @面倒(みんどお)有(や)ん。/面倒だ。

桜草(みんな)⓪: (名) 植物名。るりはこべ。瑠璃色の小さい花が咲く。家畜の飼   

料となる。 ※分類学上は「はこべ」とは近縁ではない。

水納(みんな)⓪: (名) @水納島。沖縄本島本部半島西方にある小島。 ※国頭郡

本部町に属する島である。 ➁水納島。宮古群島の島の名。 ※宮古郡多良間村に属

する島である。 ※「水納」は「水無」が語源のようである。

壬(みんにい)⓪: 壬(みずのえ)。十干の一つ。

水(みん)ぬ子(くう)@: (名) 水の子。水の実。祭祀の際、なまのまま小さく四  

角に切って施餓鬼用として供える野菜。

癸(みんぬとぅ)@: (名) みずのと(癸)。十干の一つ。

面目(みんぶく)⓪: (名) 面目。面目(みんむく)、ともいう。 @面目(みんぶく)

ぬ無(ねえ)らん。/面目ない。 @面目(みんぶく)ぬ立(た)たん。/面目が立

たない。面目(みんぶく)ぬ倒(とお)りゆん[面目が倒れる]ともいう。

身(み)ん仏(ぶとぅき)い⓪: (名) 植物名。いぬびえ。飢饉の時に食用となる雑

草。

面目(みんむく)⓪: (名) 面目(みんぶく)、と同じ。