表紙 前文

 

 ?あ ?い 'い ?う 'う ?え 'え ?お 'お                             ?め   ?や  ?ゆ  ?よ       ?わ  ?ゐ  ?ゑ  ?ん  

 

   つぃ:つ:(っ)[沖縄語辞典のQに属する]

 

 首里言葉には、「つぃ」という発音がある。これは、首里以外ではほとんど、「ち」と発音されるようである。したがって、沖縄語辞典の「つぃ」をすべて「ち」と発音しても十分通じることになり、むしろそのほうが沖縄語としては自然である。英語には、「tsi(つぃ)」という発音はないようである。ドイツ語の「z」は、「za(つぁ)」、「zi(つぃ)」、「zu(つ)」、「ze(つぇ)」、「zo(つぉ)」と発音される。この中で日本語の共通語には、「つ」の発音しかない。首里言葉には、この中で「つ」と「つぃ」だけが存在すると思っていたが、実は、「つぇ」の発音も存在するようである。これは、私にとっては一つの発見であった。たとえば、一(てぃい)つぃ、と「や」が接合した場合、「てぃいつぇえ」という発音になるようである。日本語の共通語の「タ行」の発音は複雑で、ta,ti,tu,te,toと、cha,chi,chu,che,choと、tsa,tsi,tsu,tse,tsoが、混在した形となっている。つまり、「ta(た)、chi(ち)、tsu(つ)、te(て)、to(と)」である。共通語には「ti(てぃ)」と「tu(とぅ)」の発音がなく、最近の沖縄の若い人たちにも、特に、「tu(とぅ)の発音ができない人が多くなってきているように思える。(っ)、についてであるが、これは、要するに共通語の促音に相当する。問題なのは、共通語の促音は必ず、語中で起こる現象であるが、沖縄語の場合は、語頭にも促音が存在するということである。ただし、人(っちゅ)と、子(っくぁ)の2語のみである。語頭の促音は、韓国語の、濃音・硬音(テンソリ)と似ているようである。韓国語の場合は、「p,t,k,s,ch」の発音に硬音が存在するようである。さて、沖縄語の、人(っちゅ)、子(っくぁ)はどのように発音するかであるが、これは、ネイティブの発音をまねればいいだけの話である。言葉で説明するのはむずかしいが、「良(い)い人(っちゅ)」、「良(い)い子(っくぁ)」の、「良(い)い」を頭の中で発音したあとに、人(っちゅ)、子(っくぁ)を実際に声を出して発音すれば、(っちゅ)、(っくぁ)という発音になるのではないかと思う。(っちゅ)、(っくぁ)は、(ちゅ)、(くぁ)よりもほとんど息が出ていない感じがする。これが発音できれば、韓国語の濃音を勉強する時に役立つのではないかと思う。

 

‐つぃ: (接尾) 一つ、二つ〜の「つ」に当たる。ものの数・年齢などを示す。一(て

ぃい)つぃ[一つ]から、九(くくぬ)つぃ、まで、および、幾(いく)つぃ[いく

つ]に付いている。

対(つぃい)@: @(名) 対。二つ相対して一組となっているもの。 ➁(接尾) 対

  のものを数える接尾辞。一対(いっつぃい)、など。

釣(つぃ)い@: (名) つるべ。井戸の水を汲んで釣り上げる桶。農村には檳榔の葉

で作ったものも見られた。

胴(つぃいが)⓪: (名) 三味線(さんしん)の胴。方形で角に丸みがある。両面に

大蛇の皮を張ったものは、蛇皮張(じゃふぃば)い、といい、上等である。ほかに、

紙張りで芭蕉の渋を塗った、渋張(しぶば)い、がある。 ※これは、形が、桝(つ

ぃいが)、に似ているからそう呼ぶのだと思われる。

桝(つぃいが)⓪: (名) 桝。また、枡目。桝で測った量。 @桝(つぃいが)ぬ足

(た)らん。/枡目が足りない。

啞者(つぃいがあ)⓪: (名) @おし。啞者(つぃいぐう)、の卑称。 ➁鳴かないせ

み。雌のせみ。

釣井戸(つぃいがあ)@: (名) つるべ井戸。滑車のないものをいう。滑車のあるも

のは、車井戸(くるまがあ)、という。

啞者(つぃいぐう)⓪: (名) おし。啞者。<噤(つぃぐ)ぬん(つぐむ)。

辻(つぃいじ)⓪: (名) [辻]那覇にあった遊郭の名。本土人・中国人・首里那覇

の上流人を相手とした高級な遊郭であった。那覇には、辻(つぃいじ)、中島(なかし

ま)、渡地(わたんじ)の三つの遊郭があり、辻(つぃいじ)、が高級で、中島(なか

しま)、は首里・那覇相手、渡地(わたんじ)、は、いなか相手と、それぞれ、客の層

が異なっていた。

月立(つぃいたち)⓪: (名) ついたち。月の第一の日。

序(つぃい)でぃ@: (名) ついで。よいつごう。 @序(つぃい)でぃぬ有(あ)

  いに持(むっ)ち来(くう)わ。/ついでがある時に持って来いよ。

就(つぃい)てえ@: ‐すぃん就(つぃい)てえ、の項参照。

終(つぃい)に@: (副) めったに。 @終(つぃい)に無(ねえ)ん事(くとぅ)。

/めったにないこと。

釣(つぃ)いぬ緒(うぅう)@: (名) つるべ縄。つるべの綱。

束(つぃか)⓪: (名) @束(たば)。 ➁つか。柄。刀剣・鎌などの手に握るところ。

番(つぃがあ)い@: (名) 交替。 *混効験集:坤巻・言語に、つかあい、とある。

番(つぃがあ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 交替する。交替制で仕事をする場合な

どにいう。 ※共通語の古語、番(つが)ふ、と関係のある語と思われる。

番(つぃがあ)るう⓪: (名) 交替。交替ですること。 @番(つぃがあ)るう為(っ

し)担(かた)みら。/交替でかつごう。

津嘉山(つぃかざん)⓪: (名) 津嘉山。 ※「つかざん」、島尻郡南風原町の地名。

支(つぃか)し@: (名) つっぱり。支え。支柱。つっかい棒。

塚所(つぃかじゅ)@: (名) [塚所]墓地のこと。上品な語。

養(つぃかな)⁼ゆん⓪: (他 ⁼あん、⁼らん、⁼てぃ) @(家畜類を)飼う。 ➁(下

男などを)養う。 @下座(んじゃ)養(つぃかな)ゆん。/下僕を養う。農村では

家族を養う場合にもいうことがある。

掴(つぃか)⁼ぬん⓪: (他 ⁼まん、⁼でぃ) つかむ。普通は、掴(かつぃみ)ゆん、

  を用いる。

飼(つぃかね)え物(むん)⓪: (名) 家畜。

養(つぃかね)えん子(ぐぁ)⓪: (名) 養子。養い子。

塚屋(つぃかや)@: (名) [塚屋]墓のそばに建て、死後49日間寝泊まりする小

屋。近親の者が寝泊まりして霊をとむらったが、後には代わりに番人を雇うようにな

り、その風もいつかすたれた。

付(つぃ)か⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (火が)つく。(灯火が)ともる。 @

火(ふぃい)ぬ付(つぃ)かゆん。/火がつく。

使・遣(つぃか)⁼ゆん@: (他 ⁼あん、⁼らん、⁼てぃ) @(人・物などを)使う。

使用する。 @包丁(ほおちゃあ)使(つぃか)ゆん。/包丁を使う。 @銭(じん)

使(つぃか)ゆん。/金を使う。 @手(てぃい)使(つぃか)ゆん。/唐手を使う。 

➁使いにやる。遣わす。 @遣(つぃけ)え遣(つぃか)ゆさ。/使いを遣るよ。 @ 

遣(つぃか)たる親(うや)ぬ家(やあ)んかい行(い)き。/遣わした親の家へ行

けの意。灯火によって来た虫を殺さずに放してやる時に言うまじない。

浸・漬(つぃ)か⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @(水中に)つかる。ひたる。 ➁

(漬け物が)漬かる。

疲(つぃか)り⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 疲れる。疲労する。多く精神的に疲れ

ることにいう。肉体的に疲れる意では、草臥(くたんでぃ)ゆん、怠(うぅた)ゆん、

などという。 @心労(しんどお)許(びけ)えい為(っし)疲(つぃか)り而居(と

お)ん。/心配ばかりして疲れている。

‐掴(つぃか)ん: (接尾) つかみ。 @一掴(ちゅつぃか)ん[一つかみ]、二掴(た

  つぃか)ん[二つかみ]、など。

告(つぃ)ぎ@: (名)[文] 告げ。告知。

付(つぃ)き赤(あか)がら⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) あかあかとつける。あか

りをつけて、明るくする。 @洋灯(らんぷ)付(つぃ)き赤(あか)がらしゅん。

/ランプをあかあかとつける。

付(つぃ)き揚(あ)ぎ⓪: (名) 料理の名。魚肉をつぶし、にんじん・ごぼうの類

を切ってまぜ、油であげたもの。付け揚げの意。 ※付け揚げ、は共通語である。

付(つぃ)き薬(ぐすい)⓪: (名) つけ薬。外用薬。

付(つぃ)き竹(だき)⓪: (名) つけ木。苦竹(にがたけ)の皮で作ったので、付

  (つぃ)き竹(だき)[つけ竹]という。

付(つぃ)き竹小(だきぐぁあ)⓪: (名) マッチ。

着・付(つぃ)き届(とぅどぅ)き⓪: (名) @最後のしまつ。あとしまつ。 ➁老

後の寄るべ。 Bお返し。お礼に物品を返すこと。

漬(つぃ)き菜(な)@: (名) 漬け菜。漬け物用の菜。

付(つぃ)き火(び)⓪: (名) つけ火。放火。火使(ふぃいづぃけ)え、ともいう。

漬(つぃ)き物(むん)@: (名) 漬け物。香の物。香(こお)る物(むん)、ともい

  う。

付・着(つぃ)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @付ける。 @泥(どぅる)付(つ

ぃ)きゆん。/泥を付ける。 ➁着ける。 @船(ふに)着(つぃ)きゆん。/船を

着ける。(着物にはいわない) B(灯火などを)つける。 @火(ふぃい)付(つぃ)

きゆん。/イ・灯火をつける。火をともす。ロ・火をつける。 @蝋(ろお)付(つ

ぃ)きゆん。/ろうそくをつける。 @松(てえ)付(つぃ)きゆん。/たいまつを

ともす。 C種付けをする。交尾させる。 @豚(ぅわあ)付(つぃ)きゆん。/豚

を交尾させる。

漬・浸(つぃ)き⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 漬ける。ひたす。また、漬け物を漬

  ける。 @水(みずぃ)んかい着物(ちん)浸(つぃ)きゆん。/水に着物を漬ける。

告(つぃ)ぎ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 告げる。知らせる。

津堅(つぃきん)⓪: (名) 津堅島。沖縄本島勝連岬(かっちんぬみさち)の南方に

ある島。また、津堅。 ※「つけん」、うるま市の地名。 *おもろさうし・1010

に、つけん、とある。

棕櫚(つぃぐ)⓪: (名) しゅろ(棕梠)。 *混効験集:坤巻・草木に、つぐ、とあ

  る。

梟(つぃくく)⓪: (名) ふくろう。みみずくは、猫梟(まやあづぃくく)、という。

尽(つぃく)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 尽す。 @孝(こお)尽(つぃく)しゅ

  ん。/孝を尽す。

津口(つぃぐち)@: (名) [津口]商売によい場所。人の多く集まるような所。さ

かり場。もとは港の意。 ※津口(つくち)は、共通語のように思われるが、日本国

語大辞典には載っていない。 *おもろさうし・505に、つくち、とある。

津口在番(つぃぐちぜえばん)@: (名)[古] [津口在番]役所の名。港湾出入管理

  所。

津口横目(つぃぐちゆくみ)@: (名)[古] [津口横目]港湾管理官。 

熟々(つぃくづぃく)@: (副) つくづく。よくよく。 

突(つぃ)く似(な)あ⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) @(紙などを)しわくちゃに

する。 @突(つぃ)く似(な)あ為而居(さっとお)ん。/しわくちゃである。 ➁

丸める。たたまずに、一つにまとめる。

突(つぃ)く似(な)あ剥(む)く似(な)あ⓪: (副) くしゃくしゃ。もみくちゃ。 

  <突(つぃ)く似(な)あ為(しゅ)ん。

噤(つぃぐ)⁼ぬん⓪: (他 ⁼まん、⁼でぃ) (口を)つぐむ。黙る。 

鯔(つぃくら)⓪: (名) 魚名。ぼら。

創(つぃく)り@: (名) 極地。 @言葉(くとぅば)ぬ創(つぃく)り。/ことば

の極致。ことばで言い表せることの最上。 @言葉(くとぅば)ぬ創(つぃく)れえ

八重瀬(えぇえじ)ぬ亀千代(かみぢゅう)、謀(はか)り事(ぐとぅ)ぬ創(つぃく)

れえ村原(むらばる)ぬ比屋刀自(ひゃあとぅじ)。/ことばの極致は八重瀬の亀千代、

計略の極致は村原の比屋の妻。いずれも組踊りの登場人物を言ったもので、その組踊

の名はそれぞれ、忠臣身替と大川敵討。 ※忠臣身替(ちゅうしんみがわり)は、辺

土名親雲上(へんとなぺえちん)作、大川敵討(おおかわてきうち)は、久手堅親雲

上(くでけんぺえちん)作の組踊である。

作(つぃく)り@: (名) 費用。出費。ついえ。 @少(いき)らぬ作(つぃく)れ

え有(あ)らん。/少々の費用ではない。 @何(ぬう)ぬ作(つぃく)りが。/何

でそんなに金がかかっているのか。

作(つぃく)り⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 費用がかかる。金がついえる。 @此

(く)ぬ家(やあ)造(ちゅく)いんでぃ随分(じいぶん)作(つぃく)り而居(と

お)んどお。/この家を建てるのにずいぶんかかっているぞ。

支(つぃけ)え@: (名) さしつかえ。さしさわり。 @支(つぃけ)えや無(ねえ)

ん。/さしつかえない。

使(つぃ)けえ@: (名) @使い。使者の意。用事の意はない。 ➁招き。招待。

番(つぃげ)え@: (名) 関節。つがい目。 @番(つぃげ)え怠(だる)さん。/

関節がだるい。 @番(つぃげ)えぬ外(はん)でぃゆん。/関節がはずれる。

使(つぃけ)え方(かた)@⓪: (名)(人・物の)使い方。使用法。

番(つぃげ)え外(はん)だあ⓪: (名) 関節がはずれた人。

使(つぃ)けえ減(びな)い⓪: (名) 使い減り。使ったために起きる減りや痛み。

‐びない<減(ふぃな)ゆん[減る]。 @使(つぃけ)え減(びな)いん為(さ)ん。

/使ってもへりも痛みもしない。

支(つぃけ)え引(ふぃ)けえ@: (名) (副) つっかえつっかえ。本をすらすら

読めないさまなど。

使(つぃけ)え水(みずぃ)⓪: (名) 用水。せんたくなどで使う、飲料にならない

  水。

使(つぃけ)え道(みち)⓪: (名) @(物・金銭・人などの)使い道。用途。使途。 

  ➁仕途。仕官の道。

使(つぃけ)え者(むん)⓪: (名) 使用人。

支(つぃけ)え⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) つかえる。とどこおる。支障が起きる。

都合(つぃごお)@: (名) 都合。

粒(つぃじ)⓪: (名) 粒。複合語に、御盆粒(うぶんつぃじ)[御飯粒]、米粒(く

みつぃじ)、粟粒(あわつぃじ)、など。 *おもろさうし・998に、つしや、とあ

る。

頂(つぃじ)@: (名) @頭上。 @頂(つぃじ)に頭(かみ)ゆん。/頭上に戴く。

奉戴する。 ➁頂上。山・坂などのてっぺん。 @坂(ふぃら)ぬ頂(つぃじ)。/坂

の上。 *おもろさうし・262に、つちへ、とある。

継(つぃ)⁼じゅん@: (他 ⁼がん、⁼じ) @継ぐ。(切れた糸などを)つなぐ。また、

(割れた茶碗などを)継ぎ合わせる。接合する。 ➁継ぐ。相続する。 @元祖(ぐ

ぁんす)継(つぃ)じゅん。/先祖のあとを継ぎ、祭祀を営む。

注(つぃ)⁼じゅん@: (他 ⁼がん、⁼じ) つぐ。器に注ぎ入れる。 @酒(さき)注

  (つぃ)じゅん。/酒をつぐ。

頂割(つぃじわ)い⓪: (名) 頭割り。人数割り。費用など人数に応じて割り当てる

こと。頭割(つぃぶるわ)い、ともいう。

蔦(つぃた)@: (名) つた。かずら。 ※共通語には、延(は)ふ蔦(つた)の、

  という枕詞があり、「わかれ」に掛かるようである。

伝(つぃた)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) [文]伝える。 @昔物語(んかしむぬ

がたい)百(むむ)伝(つぃた)い聞(ち)ちゅん。[昔物語 百伝え聞きゆん(手水

之縁)]昔物語をいくたびも伝え聞いている。 ※手水之縁(てみずのえん)は、平敷

屋朝敏(へしきやちょうびん)作の組踊である。

伝(つぃた)わ⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 伝わる。

月(つぃち)⓪: (名) @(天体の)月。 ➁(暦の)月。 *おもろさうし・45

  9に、月、とある。

突(つぃ)ち開(あ)き⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) さっと開ける。荒々しく開け

る。

突(つぃ)ち当(あ)たい⓪: (名) 突き当たり。行きどまり。

突(つぃ)ち当(あ)た⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @突き当たる。衝突する。 ➁

行きづまる。

搗(つぃ)ち臼(ううすぃ)⓪: (名)搗き臼。摺(すぃ)り臼(ううすぃ)[摺り臼]

に対していう。

継(つぃ)ぢ降(う)り⓪: (名) 継ぎ降りの意。苦労して死んだ者が先祖にあり、

  その先祖の祭りを怠った場合、子孫にも同様な苦労が続くこと。

月影(つぃちかぢ)⓪: (名) 月影。

撞(つぃ)ち鐘(がに)@: (名) つり鐘。つき鐘。

突(つぃ)ち頭(かみ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) (頭上のものを)頭で突き上

げる。

突(つぃ)ち被(かん)し⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) おっかぶせる。次から次へ

とおっかぶせる。 @仕事(しぐとぅ)突(つぃ)ち被(かん)しゆん。/仕事を次

から次へとおっかぶせる。 @乳(ちい)突(つぃ)ち被(かん)しゆん。/乳が出

過ぎて、小児がのどをつまらせる。

接(つぃ)ぢ木(き)@: (名) つぎ木(接木)。

突(つぃ)ち抉(くじ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 突きさす。突いてくじる。

付(つぃ)ち口(くち)⓪: (名) 付け根。 @股(むむ)ぬ付(つぃ)ち口(くち)。

/ももの付け根。

着(つぃ)ち口(くち)⓪: (名) 終点。行き着く所。

継(つぃ)ぢ口(ぐち)@: (名) 継ぎ目。

月代(つぃちしる)⓪: (名)[文] [月代]尚巴志王が守護神として祭った神の名。 

@月代(つぃちしる)ぬ守(まむ)い精高(すぃだか)さぬ真者(まむん)御影(み

かぢ)照(てぃ)り渡(わた)てぃ国(くに)や円(まる)む。[月代の守り 勢高さ

の真物 美影照り渡て 国やまるむ]月代の神の守りであり気高い偉人である尚巴志

王の御威光が輝いて国はよく治まる。尚巴志王の三山統一をたたえた歌。 *おもろ

さうし・5に、月しろ、とある。

月末(つぃちすぃ)⓪: (名) 月末。つきずえ。

継(つぃ)ぢ数(すう)⓪: (名) 先祖から受け継いだ、先祖と同じような運命。つ

ぃぢ<継(つぃ)ぢゅん。すう、は運命。 @継(つぃ)ぢ数(すう)頭(かみ)ゆ

ん。/先祖から受け継いだ、先祖と同じような運命を受ける。

月眺(つぃちなが)み⓪: (名) 月見。

付(つぃ)ち肝(ぢむ)⓪: (名) 近付いて来る人の心。次の句で用いる。 @付(つ

  ぃ)ち肝(ぢむ)どぅ愛(かな)しゃ。/近づいて来る者はかわいい。

戊(つぃちにい)⓪: (名) 戊(つちのえ)。十干の一つ。

月(つぃち)ぬ雨傘(あまがさ)⓪: (名) 月暈(つきがさ)。

月(つぃち)ぬ毎(かあじ)⓪: (名) 月ごと。毎月。

己(つぃちぬとぅ)⓪: (名) 己(つちのと)。十干の一つ。

月(つぃち)ぬ物(むん)⓪: (名) 月のもの。月経。十五日(じゅうぐにち)、とも

  いう。

月(つぃち)ぬ夜(ゆう)⓪: (名) 月夜。

突(つぃ)ち放(はな)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 突き放す。突っぱなす。

突(つぃ)ち放合(はなせ)え⓪: (名) 突き放し合いの意。遊戯の名。相対して一 

方の手で縄を引き合い、他方の手で突き合う遊び。

月日(つぃちふぃ)⓪: (名) 月日。

突(つぃ)ち穿(ふ)が⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 突いて穴をあける。

月不足(つぃちぶすく)⓪: (名) 早産。月不足の意。

月見(つぃちみ)⓪: (名) 月見。 ※万葉集には、「月見」という語は出てこないよ

  うである。

月模合(つぃちむええ)⓪: (名) 毎月一回開く組織の模合(むええ)[無尽講]。

継(つぃ)ぢゃあし接(は)ぢゃあし⓪: (名) 継(つぃ)ぢゃあ接(は)ぢゃあ、

と同じ。

継(つぃ)ぢゃあ⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 継ぎ合わせる。つなぎ合わせる。

継(つぃ)ぢゃあ接(は)ぢゃあ⓪: (名) 継ぎはぎ。継ぎ合わせてつくろうこと。 

  @継(つぃ)ぢゃあ接(は)ぢゃあ為(しゅ)ん。/※動詞化。

付上(つぃちゃ)が⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) つけ上がる。増長する。 ※これ

は、自動詞のように思われる。

付上(つぃちゃ)ぎ申上(もおしゃ)ぎ@: (名) 告げ口。陰口。

付上(つぃちゃ)ぎ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 押し上げる。背負っている子がず

り落ちそうな時に押し上げる場合などにいう。

月夜(つぃちゅう)⓪: (名) 月夜。

付・着(つぃ)⁼ちゅん⓪: (自 ⁼かん、⁼ち) @付く。 @泥(どぅる)ぬ付(つぃ)

ちゅん。/泥が付く。 @人(っちゅ)ぬ付(つぃ)ちゅん。/人が付く。人気が集

まる。 @火(ふぃい)ぬ付(つぃ)ちゅん。/火がつく。 ➁着く。舟・荷・人な

どが着く。 @何時(いつぃ)首里(しゅい)んかい着(つぃ)ちゃが。/いつ首里

に着いたか。

月読(つぃちゆ)ん日読(ふぃいゆ)ん⓪: (副) 月を数え、日を数えて待つさま。

待ちに待って。指折り数えて。

突・撞(つぃ)⁼ちゅん@: (他 ⁼かん、⁼ち) @突く。槍などで突く。 ➁撞く。鐘

  をつく。

月割(つぃちわ)い⓪: (名) 月割り。月の数に割りふること。

鼓(つぃぢん)@: (名) つづみ(鼓)。 *おもろさうし・1324に、つゞみ、と

  ある。

鼓灯籠(つぃぢんどぅうるう)⓪: (名) 綱引き(つぃなふぃち、その項参照)の時

に、旗頭(はたがしら、その項参照)の上につける灯籠。その形が鼓に似ているので

名付けたもの。

慎(つぃつぃし)⁼ぬん@: (他 ⁼まん、⁼でぃ) @つつしむ。礼をつくし、気を付け

  る。ひかえ目にする。 ➁物忌みをする。

慎(つぃつぃし)み@: (名) @言行をつつしむこと。つつしみ。 ➁物忌み。

突(つぃつぃ)ち鶏(どぅい)⓪: (名) 闘鶏(たうちい)、で、けんかをけしかける

ため、一羽を捕らえ、他の一羽をつつかせること。また、その鶏。突(つぃつぃ)ち

取(どぅ)やあ、ともいう。

突(つぃつぃ)ち取(どぅ)やあ⓪: (名) @突(つぃつぃ)ち鶏(どぅい)、と同じ。 

➁転じて、相手にけんかをけしかける者。

突(つぃつぃ)⁼ちゅん⓪: (他 ⁼かん、⁼ち) @(人・ものを)つつく。また、こづ

く。こづきまわす。 ➁ついばむ。(鳥が)つついて食う。

突(つぃつぃ)⁼ちゅん⓪: (他 ⁼かん、⁼ち) 咳きこむ。続けざまに咳をする。 @

  吃逆(さっくぃい)突(つぃつぃ)ちゅん。/咳きこむ。

続(つぃづぃ)⁼ちゅん⓪: (自 ⁼かん、⁼ち) 続く。 @長雨(ながあみ)ぬ続(つ

  ぃづぃ)ちゅん。/長雨が続く。

突(つぃつぃ)ち入(ん)⁼ちゅん⓪: (他 ⁼かん、⁼ち) 咳きこむ。盛んに咳をする。 

※これは自動詞と思われる。

狐(つぃつぃに)@: (名) 狐。沖縄にはいない。人をだます動物として話にでる。

包(つぃつぃ)⁼ぬん⓪: (他 ⁼まん、⁼でぃ) 包む。

包(つぃつぃ)み⓪: (名) 包み。包(つぃつぃ)ん、と同じ。

包(つぃつぃ)ん⓪: (名) 包み。包んだ物。包(つぃつぃ)み、ともいう。御作(う

  ちゅくぃ)い包(じち)ん[ふろしき包み]ともいう。

橘餅(つぃっぺん)⓪: (名) [橘餅]菓子の名。九年母(くにぶ)、の砂糖漬。 @

氷(くうり)橘餅(つぃっぺん)甘生姜(あましょおが)。/氷砂糖に橘餅に甘しょう

が。

伝(つぃ)てぃ@: (名) つて。手づる。 ※共通語の古語には、伝(つ)つ、とい

う動詞があった。ただし、終止形が文献に登場する事はなく、ほとんどが、連用形の、

伝(つ)て、らしい。

伝(つぃて)え@: (名) 伝え。言い伝え。伝説。 @彼(あ)ん言(ぃゆ)る伝(つ

ぃて)えぬ有(あ)ん。/そういう言い伝えがある。

伝(つぃて)え話(ばなし)@: (名) 伝え話。伝説。

伝(つぃて)え⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 伝える。

苞(つぃとぅ)⓪: (名) みやげ。みやげもの。「つと」に対応する。 ※宇津保物語・

吹上に、「都のつとに何をせむ」とある。 *混効験集:坤巻・言語に、つと、とある。

勤(ついとぅ)み⓪: (名) 勤め。勤務。

勤・努(ついとぅ)み⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @勤める。勤務する。 ➁努め

る。また、辛抱する。我慢する。 @努(つぃとぅ)みてぃ待而居(まちょお)れえ。

/辛抱して待ってろよ。

綱(つぃな)⓪: (名) 綱。縄。なあ(縄)と意味は変わらないが、綱(つぃな)の

方を多く用いる。強調して、綱縄(つぃななあ)、ともいう。 @綱(つぃな)綯(の

お)ゆん。/縄をなう。 ※沖縄語辞典、(名)、が抜けている。

綱束子(つぃなざあら)⓪: (名) 短い綱を折り曲げて作ったたわし。さあら、は、

たわし。

繋緒(つぃなじゅう)⓪: (名) 布を織り上げて、最後に巻き板に巻いた残りの経糸。

  つなぎ緒の意。つなぎ合わせて用いるのでいう。

繋(つぃな)⁼じゅん⓪: (他 ⁼がん、⁼じ) (糸・紐などを)つなぐ。

綱縄(つぃななあ)⓪: (名) 綱。縄。綱(つぃな)の意味を強めた語。‐なあ、は

縄。 @嫌(や)な者(むん)連(つぃ)りれえ綱縄(つぃななあ)掛(か)かゆん。

/悪者といっしょにいると縄目にかかる。

綱引(つぃなふぃ)ち⓪: (名) 綱引き。沖縄の年中行事の一つ。首里・那覇を始め、

各村で夏、稲の収穫が終わり、藁ができるころに行われた。村で東西が対抗して行う。

首里では、各村が独立して別個に行うものと、首里全体が東西に分かれて行う、あい

じょおううんな[綾門大縄]とがあった。後者は首里正門前にある綾門大通りで行い、

最も盛大であった。綱引(つぃなふぃ)ち、に用いる綱は、その頭部が輪になり、雌

綱(みいんな)、の輪は大きく、雄綱(うぃうんな)、の輪は小さい。雄綱の輪を雌綱

の輪に入れ、雄綱の輪に棒[兼(か)にち、という]を通し、雌綱の輪と組み合わせ

る。雌綱、雄綱ともに太くて引きにくいので、さらにそれに細い綱[手(てぃい)ん

縄(な)、という]をたくさん付けて、人々はその細い綱を引く。三本勝負で、二勝す

れば勝ち。

常(つぃに)⓪: (名) @常。平素。 @静(しずぃ)か成(な)り染(す)みり常

(つぃに)に身(み)が心(くくる)、波(なみ)立(た)たん水(みずぃ)どぅ影(か

じ)や映(うつぃ)る。[静なれそめれ 常に身が心 波立たん水ど 影やうつる]常

に心を静かに持て。波立たぬ水にこそ影が映るのだ。 ➁あたりまえ。並み。普通。 

B転じて、平気。 @常(つぃに)どぅやる。/平気だ。

角(つぃぬ)⓪: (名) つの(角)。

角熱(つぃぬあっ)たみ⓪: (名)[古] 牛肉。角のあるものの肉の意。 *混効験集:

  乾巻・飲食に、つのあつため、とある。

角細工(つぃぬぜえく)⓪: (名) 角細工。角類で器具を作ること。また、それを作

  る人。

角立(つぃぬた)てぃい⓪: (名) [角立]男の子が三歳になった時、頭のまわりを

剃り、さらに頭の頂上から前額の方に細く溝形に剃る古い行事。男性を象徴しており、

女の子の、新立(さらた)てぃい[その項参照]に対する。 

角叉(つぃぬまた)⓪: (名) つのまた。海草の名。食用となり、また、糊を作る。

角生(つぃぬみ)いやあ⓪: (名) 角の生えたもの。牛・鬼など、角の生えて恐ろし

いもの。

抓(つぃ)⁼ぬん⓪: (他 ⁼まん、⁼でぃ)[文] つねる。口語は、爪付(つぃんつぃ)

きゆん。 @我(わ)が身(み)抓(つぃ)でぃ見(ん)ちどぅ他所(ゆす)ぬ上(ぅ

うぃ)や知(し)ゆる、無理(むり)為(すぃ)るな浮世(うちゆ)情(なさき)許

(ばかり)。[わが身つで見ちど 他所の上や知ゆる。無理するな浮世 なさけばかり]

わが身をつねって他人の身の上を知る。無理をするな。浮世は情だけでもつのだ。

積(つぃ)⁼ぬん@: (⁼まん、⁼でぃ) @(他)積む。 @焚物(たむん)積(つぃ)

ぬん。/たきぎを積む。 ➁(自)積もる。 @霰(あらり)ぬ積(つぃ)ぬん。/

あられが積もる。

摘(つぃ)⁼ぬん@: (他 ⁼まん、⁼でぃ) (草花・桑の葉などを)摘む。

詰(つぃ)⁼ぬん@: (他 ⁼まん、⁼でぃ) 詰める。詰めて入れる。 @御重(うじゅ

  う)詰(つぃ)ぬん。/重箱に詰める。

椿(つぃばち)⓪: (名) つばき(椿)。

突花(つぃばな)⓪: (名) あざみ。とげがあるので、刺(んづぃ)突(つぃ)ちゃ

あ(とげの付いたものの意)ともいう。

尻(つぃび)重(ぅんぶ)さん@: (形) 無精である。骨惜しみをして動かない。尻

  が重い意。

尻(つぃび)@: (名) @尻。 @尻(つぃび)突(つぃ)ちい為(しゅ)ん。/尻

餅をつく。 @尻(つぃび)ぬ軽(かっ)さん。/(女が)尻が軽い。浮気である。[尻 

(つぃび)軽(がっ)さん、とは異なる]。 ➁器物などの下部・底・末端。 B末尾。

結末。しまつ。 @尻(つぃび)ぬ無(ねえ)ん。/あとしまつをしない。 @尻(つ

ぃび)ん切(ち)りらん。/煮えきらない。あいまいではっきりしない。気味(ちび)

ん切(ち)りらん[気味も切れないの意か]ともいう。 Cびり。

尻(つぃび)軽(がっ)さん@: (形) 気軽に動く。

尻括(つぃびくく)い⓪: (名) しめくくり。結末。結着。

尻屎(つぃびくす)@: (名) びり。また、最下等のもの。

尻屎(つぃびくす)う⓪: (名) @尻ぬぐいをしないこと。また、その者。 ➁仕事

  のしめくくりをしないこと。また、その者。 Bびり。びりの者。

尻口(つぃびくち)@: (名) 尻と口の意。つじつま。次の句で用いる。 @尻口(つ

ぃびくち)ぬ当(あ)たらん。/つじつまが合わない。尻と口とが合わない意。尻(つ

ぃび)ぬ合(ああ)らん、ともいう。

尻探(つぃびさぐ)い⓪: (名) ようすをこっそりさぐること。 

尻痩尖(つぃびさじ)らあ⓪: (名) 尻がやせてとがった者。

尻素引(つぃびすんちゃ)あ⓪: (名) @いざり。膝行。幼児などがすわったままで

進むこと。また、その者。 ➁仕事などのしめくくりをしないこと。また、その者。

尻垂(つぃびた)い@: (名) 尻べた。尻たぶ。尻の肉の垂れ下がった部分。

尻垂(つぃびた)い帯(ううび)⓪: (名) 尻の方にさがった帯。またそのような、

男のだらしない格好。

尻立尖(つぃびたっちゅ)う⓪: (名) 尻のとがった者。尻の突き出た者。

尻立(つぃびたっ)とぅう⓪: (名) うつぶせになり、尻を高く持ち上げること。

尻臀(つぃびたんだ)@: (名) 尻べた。尻たぶ。尻の肉の多い部分。 ※たんだは、

共通語の、尻臀(しりたぶら)、尻臀(しりたむら)の、たぶら、たむら、と関係のあ

る語と思われる。

尻尖(つぃびとぅが)やあ⓪: (名) 寝てばかりいる無精者。ものぐさ。尻がとがっ

  ているため座れないかのように、寝ている者という意味。

尻捩(つぃびに)じりい⓪: (名) いざり。膝行。また、いざる者。幼児の膝行は、

尻(つぃび)素引(すんちゃ)あ、という。

尻(つぃび)ぬ尖(ぐっす)い⓪: (名) 尾骶骨。

尻拭(つぃびぬぐ)やあ⓪: (名) 人の失敗などのあとしまつ。尻ぬぐい。また、尻

ぬぐいをする者。

尻(つぃび)ぬ回(まあ)い⓪: (名) 直腸(の粘膜や筋層)。 @尻(つぃび)ぬ回

(まあ)い脱(ぬ)がしゅん。/脱肛する。

尻(つぃび)ぬ目(みい)⓪: (名) 肛門。

尻(つぃび)穿(ふ)ぎ掃笥(ばあき)@: (名) @底抜けのざる。 ➁転じて、し

まりのない者。助力のしがいのない者。

壷(つぃぶ)@: (名) @壷。油壷(あんだつぃぶ)、など。 ➁酒杯。

灸点(つぃぶ)@: (名) つぼ。灸をすえる場所。灸点。

坪(つぃぶ)@: (名・接尾) 坪。土地の面積の単位。口語では、畝・段などは使わ

ず、すべて坪でいう。一坪(ちゅつぃぶ)、二坪(たつぃぶ)、など。

津波(つぃふぁ)⓪: (名) 津波。 ※「つは」、国頭郡大宜味村の地名。塩屋大橋の

  手前である。

津覇(つぃふぁ)⓪: (名) 津覇。 ※「つは」、中頭郡中城村の地名。

津花波(つぃふぁなふぁ)⓪: (名) 津花波。 ※「つはなは」、中頭郡西原町の地名。

津波古(つぃふぁぬく)⓪: (名) 津波古。 ※「つはこ」、南城市佐敷の地名。馬天

  港がある。

石蕗(つぃふぁふぁ)⓪: (名) つわぶき(植物名)。

壷折(つぃぶ)い@: (名) 壷折り。着物の裾を折りからげること。尻からげ。裾全

体を折りまげて帯にはさむ。日本流に後ろの裾だけをからげることには、大和壷折(や

まとぅつぃぶ)い、という。

灸点所(つぃぶどぅくる)@: (名) @つぼどころ。灸点。灸穴。 ➁急所。命所(ぬ

ちどぅくる)、ともいう。

蕾(つぃぶ)⁼ぬん⓪: (自 ⁼まん、⁼でぃ) 蕾む。蕾となる。 @蕾(つぃぶ)でぃ

  居(うぅ)る花(はな)。/[つぼんでをる花]蕾んでいる花。

蕾(つぃぶみ)⓪: (名) 蕾。多くは、丸盛(むっく)う、という。

壷屋焼(つぃぶやや)ち@: (名) 壷屋焼き。壷屋(つぃぶや)[那覇の近くの地名]

で焼く陶器。

壷屋市場(つぃぶやまち)⓪: (名) 陶器市。瀬戸物市。 @壷屋市場(つぃぶやま

ち)ぬ如(ぐとお)さ。/足の踏み場もない。

頭(つぃぶる)⓪: (名) @頭。つぶり。 @頭(つぃぶる)ぬ痛(や)ぬん。/頭

が痛い。 @頭(つぃぶる)ぬ動(ぅんじゅ)きわどぅ尾(ずう)ん動(ぅんじゅ)

ちゅる。(諺)/頭(かしら)が動いて始めて尾(手下)も動く。 ➁ふくべ。ひょう

たん。実は若いうちは食用にし、熟したのちは中をくり抜いて容器とする。また、そ

の容器。形が頭に似ているのでいう。杓子型のものをいい、ひょうたん型に中央がく

ぼんだ形のものは、瓢箪頭(ひょおたんつぃぶる)、という。 *混効験集:乾巻・草

木に、つほる、とある。

頭重(つぃぶるぅん)ぶう⓪: (名) 頭が重いこと。頭が重く気分がすぐれないこと。

頭突当(つぃぶるがっぱい)⓪: (名) 鉢合わせ。二人が頭をぶっつけ合うこと。

頭具(つぃぶるぐう)⓪: (名) 頭。多くは卑称として用いる。 @頭具(つぃぶる

ぐう)割(わ)らりんどお。/頭を割られるぞ。頭をたたき割ってやるぞ。

頭触合(つぃぶるさあえ)え⓪: (名) 子供の競技の名。帽子とりに似て、相手の頭

  に触れたら勝つ団体競技。‐さあええ、は、さわり合い。

頭傷寒(つぃぶるしょおかん)⓪: (名) [頭傷寒]脳脊髄膜炎。脳膜炎。

頭痛(つぃぶるや)ん⓪: (名) 頭痛。

頭割合(つぃぶるわあえ)え⓪: (名) ごった返しの混雑。狭い場所で大勢がひしめ

き合うこと。頭の割り合いの意。

頭割(つぃぶるわ)い⓪: (名) 頭割り。人数割り。頂割(つぃじわ)い、ともいう。

詰(つぃ)まい⓪: (名) 詰まること。窮すること。困窮。

蹄(つぃまぐ)@: (名) ひづめ(蹄)。

爪転(つぃまくる)び@: (名) つまづいて転ぶこと。 @足転(あしまる)び為(す

ぃ)るな爪転(つぃまくる)び為(すぃ)るな。[足まろびするな つまころびするな

(銘苅子)]つまづいて転ぶな。 ※銘苅子(めかるし)は、玉城朝薫(たまぐすくち

ょうくん)作の組踊である。転(まろ)ぶ、は共通語である。

詰(つぃ)ま⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @詰まる。金銭・ことばなどに窮する。 

@詰(つぃ)まい切而居(ちっちょお)ん。/窮しきっている。 ➁詰まる。(穴など

が)塞がる。 B詰まる。小さくなる。(洗濯した布などが)縮まる。

詰(つぃ)まるう@: (名) 背たけが低く小さい者。体が詰まっていて小作りな者。

  ちび。

詰(つぃ)ま剥(ん)⁼ちゅん@: (他 ⁼かん、⁼ち) (洗濯した布・衣類を)しわを

  無くすために、しめして引き伸ばす。 

詰(つぃ)み⓪: (名) 詰め。勤務。ある場所に詰めて勤務すること。複合語に、八

重山詰(えぇえまづぃ)み[八重山勤務]、夜詰(ゆづぃ)み[夜の当番。宿直]など

がある。

爪(つぃ)み・錘(つぃみ)@: (名) @爪。 ➁紡錘。つむ。糸をつむぐ機につい

た鉄錐。 @糸車(やあま)ぬ錘(つぃみ)。/糸車の紡錘。

爪形(つぃみかた)@: (名) 爪跡。爪でつけたかた。爪による傷跡。

罪心(つぃみぐくる)⓪: (名) (女郎を)独占したい心。(女郎を)独占したく思う

ほどの親密さ。

爪屎(つぃみくす)@: (名) @爪の垢。 ➁爪の垢ほどの少量。

詰(つぃ)み女郎(ずり)⓪: (名) ある客が一定期間独占して買い切った女郎(ず

  り)。つぃみ<詰(つぃ)みゆん[詰める]。

積(つぃ)み手間(でぃま)@: (名) 積み賃。舟の運賃。

罪科(つぃみとぅが)⓪: (名) つみとが。罪科。文語的な語。

積(つぃ)み荷(に)@: (名) 積み荷。

詰(つぃ)み奉公(ぶうくう)⓪: (名) 詰めきりの奉公。昼夜詰め切って奉公する

こと。

爪回(つぃみまあ)やあ⓪: (名) 爪のところにできる腫物。

詰(つぃ)み⁼ゆん⓪: (自・他 ⁼らん、⁼てぃ) @詰める。任地に詰めて勤務する。 

@番所(ばんじゅ)なかい詰(つぃ)みゆん。/役場に詰める。 ➁詰める。切って

短くする。 @断髪(だんぱつぃ)詰(つぃ)みゆん。/髪を切る。 @爪(つぃみ)

詰(つぃ)みゆん。/爪を切る。 B(女郎を)買い切って他の客をとらせないよう

にする。 @女郎(ずり)詰(つぃ)みゆん。/女郎を独占する。 C[文]思い詰

める。思いがつのる。 @首里(しゅい)参内(めでい)済(すぃ)まち戻(むどぅ)

る道(みち)すぃがら、恩納岳(うんなだき)見(み)りば白雲(しらくむ)ぬ掛(か)

かる、恋(くい)しさや詰(つぃ)みてぃ見欲(みぶしゃ)許(びけ)い。[首里めだ

いすまち 戻る道すがら 恩納岳見れば 白雲のかかる 恋しさやつめて 見欲しや

ばかり]首里での御奉公をすまして帰る道すがら、恩納岳を見れば白雲がかかってい

て、恋しさはつのり会いたくてたまらない。 *混効験集:乾巻・言語および、坤巻・

言語に、つめて、とある。

積(つぃ)むい@: (名) @積もること。積み重なること。 ➁見積もり。 B心積

もり。あて。

紬(つぃむじ)⓪: (名) 紬。久米島で参した。

積(つぃ)む⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 積もる。積み重なる。 @仕事(しぐと

ぅ)ぬ積(つぃ)むゆん。/仕事が積もる。

積(つぃ)む⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) あらかじめ見積もる。心積もりをする。

  あてにする。 @積(つぃ)むららん。/あてにできない。

露(つぃゆ)⓪: (名) 露。文語ではわずかなもの・はかないもののたとえとする。 

@死(し)にゅる我(わ)が命(いぬち)露(つぃゆ)程(ふど)ん思(うま)ん。

[死にゆるわが命 つゆ程も思まぬ]死ぬわが命は露ほども惜しいと思わぬ。 @露

(つぃゆ)ぬ命(いぬち)。/[露の命]はかない命。 *おもろさうし・805に、

つよ、とある。

釣(つぃ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 釣る。 @魚(いゆ)釣(つぃ)ゆん。/

魚を釣る。

吊(つぃ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @ひきつける。小児が高熱でけいれんを起

こす。 ➁手足の筋などがつる。

面(つぃら)⓪: (名) 顔。文語や複合語には、顔(かう)、という形もある。 @面

(つぃら)洗(あら)ゆん。/顔を洗う。 @面(つぃら)開(ふら)からん。/会

わせる顔がない。穴があれば入りたい。ふらからん、は開けられないの意。 @面(つ

ぃら)高打上(たかうちゃ)ぎ。/顔を高く上げること。高慢にそりかえること。ま

た、足もとに気をつけないこと。

面淡(つぃらあふぁ)さん@: (形) おもはゆい。恥ずかしくて見られない。見る方

が恥ずかしくなる。

面置(つぃらう)ちき⓪: (名) 顔つき。

面影(つぃらかあぎ)⓪: (名) 顔だち。容貌。

面額(つぃらがく)⓪: (名) 顔の輪郭。顔のかたち。

面庇(つぃらがたか)⓪: (名) 次の句で用いる。 @縁(いぃん)ぬ面庇(つぃら

がたか)。/縁が顔をかばう。縁のある者は、ひいき目で顔もきれいに見える。かたか、

は、かばうものの意。

面頷(つぃらがまち)⓪: (名) つら。面(つぃら)、の卑語。かまち、は頭の卑語。 

@面頷(つぃらがまち)割(わ)らりんどお。/つらを割られるぞ。けんかの時のこ

とば。 ※頷(かまち)は、共通語である。

面小(つぃらぐぁあ)⓪: (名) 次の句で用いる。 @面小(つぃらぐぁあ)成(な)

  ゆん。/恥ずかしくて顔を向けられない。顔が小さくなる心地がするの意。

面質持(つぃらしちむ)ち⓪: (名) 顔(面目)を抵当にすること。証文を入れずに

  面目によって金などを借りること。

面二(つぃらたあ)ちゃあ⓪: (名) 二枚舌。内股膏薬。顔が二つある者の意。

面魂(つぃらだまし)⓪: (名) かしこい顔つき。 @面魂(つぃらだまし)ぬ有(あ)

ん。/聡明な顔つきをしている。魂喰(たましくぇ)え影(かあぎ)、ともいう。

面矯(つぃらた)まやあ⓪: (名) 額と顎が高く、中央がくぼんだ醜い顔。 

面突込(つぃらつぃいく)ん⓪: (名) 顔をつっ込むこと。乳児が母の胸に、また、

水泳で水中に顔をつっ込むことなど。

面面(つぃらづぃら)あとぅ⓪: (副) 面とむかって。 @面面((つぃらづぃら)あ

  とぅ言(い)い切(ち)ゆん。/面とむかってののしる。

面一(つぃらてぃい)つぃ⓪: (名) 生き写し。瓜二つ。顔がそっくりなこと。那覇

  では、張(は)い抜(ぬ)じ、という。

連(つぃら)に@: (名) @長歌。琉歌の長歌。 ➁連歌。琉歌をふたり以上でよみ

つらねること。また、よみつらねた歌。

面憎(つぃらにく)さん⓪: (形) 顔が憎らしい。

面(つぃら)ぬ皮厚(かああつぃ)い⓪: (名) つらの皮が厚い者。厚顔。あつかま

  しい者。

面(つぃら)ぬ恥(はじ)⓪: (名) 顔に現れる恥。恥ずかしさが顔の色に現れるこ

と。 @面(つぃら)ぬ恥(はじ)ぬ有(あ)りわどぅ人間(にんじん)やる。/恥

じる色があってこそ人間だ。

面恥(つぃらは)じかしゃん⓪: (形) おもはゆい。顔を見られるのが恥ずかしい。

面(つぃら)ふぁあふぁあ⓪: (名) 顔がほてること。微熱のある時、恥ずかしい時

  などにこうなる。

面振(つぃらぶ)い⓪: (名) 顔をそむけること。そっぽを向くこと。負けたり面目

を失ったりした場合のそれにいう。

面膨(つぃらふっくぁ)あ⓪: (名) 不平不満などで、ふくれっつらをした者。

面触(つぃらふ)らあ⓪: (名) 馬鹿づら。人を罵倒していう語。‐ふらあ<触(ふ)

りゆん。

面見(つぃらみ)い口(くち)⓪: (名) 顔色。顔のようす。‐みいくち、は一見す

ることの意。

面見固(つぃらみっくぁ)さん⓪: (形) 顔が憎らしい。

面見肥(つぃらみっくぇ)え⓪: (名) かわいらしい者。とてもかわいい者。わざわ

ざ反対に「顔が憎い者」といった語。 ※「顔が憎い者」は、面見固(つぃらみっく

ぁ)あ、というはずである。

面木目(つぃらむくみ)⓪: (名) 顔つき。面相。つらがまえ。むくみ、は木目。

面汚(つぃらゆぐ)し⓪: (名)[新] つらよごし。

面弱(つぃらよお)⓪: (名) 泣きそうな顔。べそ。悲しそうな顔。

面幅(つぃらわあ)⓪: (名) 顔の広さ。また、大きい顔。また、度胸のある、人前

で恥じない顔。反対には、面小(つぃらぐぁあ)成(な)ゆん[恥じて顔が小さくな

る]という。

面割(つぃらわ)い道具(どおぐ)⓪: (名) 顔がつぶれること。面目を失うこと。

連(つぃ)り@: (名) 連れ。同伴者。仲間。

連(つぃ)り台(でえ)@: (名) [連台]長方形の大きな盆。重箱や食器類を載せ

て運ぶのに用いるもの。

連(つぃ)り長(なが)あ長(なが)あ⓪: (副) 列をなして長くつらなるさま。延々

と。

連(つぃ)り無(な)さん⓪: (形) つれない。情ない。 @連(つぃ)り無(な)

さや夢(ゆみ)ぬ世(ゆ)ぬ中(なか)に居(うぅ)とぅてぃ朝夜(あさゆ)義理(ぢ

り)ぬ上(ぅうぃ)に思(うむ)い草臥(くた)ち。[つれなさや夢の 世の中に居と

て 朝夕義理の上に 思いくたち]情ないことに短い一生のうちで、いつも義理の上

に思い悩んで。 @連(つぃ)り無(な)しい仕方(しかた)。/つれない次第。情な

いていたらく。 ※万葉集では、つれもなし、という形で登場するようである。

連(つぃ)り人数(にんず)@: (名) 連れの人たち。同行の人たち。

連(つぃ)り目(み)@: (名) 同じ年ごろ。結婚の相手としてころあいな同年輩。

同(いぃ)ぬ連(つぃ)り目(み)、ともいう。 @扨(さてぃ)む扨(さてぃ)遣手

母(あんまあ)、連(つぃ)り目(み)成(な)る男(うぃきが)〜(泊阿嘉)何とま

あ、ばあや、同じ年ごろの男が〜。

連(つぃ)り⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 連れる。同伴する。押(う)し連(つぃ)

りゆん、ともいう。

弦・筋(つぃる)@: (名) @つる。琴・三味線・弓などの弦。 ➁筋。筋肉のすじ。 

@喉筋(ぬうでぃいづぃる)[のどの筋]、腕筋(うでぃづぃる)[腕の筋]、踵筋(あ

どぅづぃる)[アキレス腱]など。 *おもろさうし・1044に、つる、とある。

鶴(つぃる)@: (名) 鶴。鶴(つぃる)ん鳥(とぅい)、ともいう。 @千鶴(しん

つぃる)万亀(まんかみ)。/鶴は千年、亀は万年。

連(つぃる)が⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @連なる。つながる。続く。 @天(て

ぃん)とぅ地(じい)とぅ連(つぃる)が而居(とお)ん。/天と地と連なっている。 

➁(つながって〜まで)達する。〜に及ぶ。 @水(みずぃ)ぬ首(くび)までぃ連

(つぃる)が而居(とお)ん。/水が首まで達している。 @多(うほお)く喰(か)

でぃ喉(ぬうでぃい)までぃ連(つぃる)が而居(とお)ん。/たくさん食べて(食

物が)のどまで達している。 B(水などに)つかる。(水などにつかって、水が)〜

まで達する。 @首丈(くびだき)水(みずぃ)んかい連(つぃる)が而居(とお)

ん。/首の高さまで水につかる。 C(接尾)〜し続ける。 @夢(いみ)見連(み

いつぃる)がゆん。/夢を長く見続ける。 @物(むぬ)読(ゆ)ん連(つぃる)が

ゆん。/はてしなくおしゃべりを続ける。

連(つぃる)ぎ@: (名) @つながっているもの。連なるもの。 ➁(接尾) @二

反連(つぃる)ぎ[二反続きの反物]、二枚(にんめえ)連(つぃる)ぎぬ筵(むしん)

[二枚続きの毛布]など。

連(つぃる)ぎ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 連ねる。連続させる。

連(つぃる)⁼じゅん@: (他 ⁼がん、⁼じ) つなぐ。連結させる。

筋垂(つぃるだ)い@: (名) 失望。落胆。がっかりして体中の筋がだれるの意。 @

  筋垂(つぃるだ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

筋毛(つぃるぢ)⓪: (名) けづめ。鳥類の攻撃用の爪。

つぃるつぃる@: (副) よたよた。よちよち。歩きはじめの幼児などの走りまわるさ

  ま。

連(つぃる)⁼ぶん⓪: (自 ⁼ばん、⁼でぃ) つるむ。交尾する。

鶴(つぃる)ん鳥(とぅい)@: (名) つぃる(鶴)、と同じ。

爪(つぃん)き⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) つねる。爪付(つぃんつぃ)きゆん、

と同じ。

紡(つぃん)⁼じゅん⓪: (他 ⁼がん、⁼じ) 紡ぐ。綿・繭などをつむにかけて糸にす

  る。また、糸によりをかける。

頂倒(つぃんた)あ⓪: (名) 次の句で用いる。 @頂倒(つぃんた)あ返(けえ)

ゆん。/(上が重くて)ひっくり返る。頂倒(つぃんた)あ返(けえ)りゆん、とも

いう。

頂倒(つぃんた)あ返(けえ)い⓪: (名) (上が重くて)ひっくり返ること。

爪矯(つぃんだ)み@: (名) つましらべ。音締め。琴・三味線などの音調をととの

  えること。

爪付(つぃんつぃ)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) つねる。指先などで強くねじる。

丁度(つぃんとぅ)@: (副) ぴったり。きっちり。丁度。 @丁度(つぃんとぅ)

当(あ)た而居(とお)ん。/ぴったり合っている。 *混効験集:坤巻・言語に、

つむと、とある。

角滑(つぃんなん)⓪: (名) かたつむり。

鶴(つぃん)ぬ子(く)⓪: (名) [鶴の子]芋の一種。やつがしら。 ※鶴の子芋

は、共通語である。

唾飲(つぃんぬ)ん⓪: (名) 唾を飲むこと。かたずを飲むこと。気をつけて事のな

りゆきを見守る時などにいう。 @唾飲(つぃんぬ)ん為(しゅ)ん。/かたずを飲

む。

突(つぃ)ん穿(ぷ)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 突き抜ける。くぐり抜ける。

唾吐(つぃんぺ)え⓪: (名) 唾。つばき。 @唾吐(つぃんぺ)え飛(とぅふぇ)

え目(み)かしゅん。/唾をぺっとはく。唾は魔よけとなるので、怪しいものを見れ

ばその方向に唾をはく。落とし物をすれば唾を手のひらにのせ、気付物(きじむな)

あ気付物(きじむな)あ吾物(わあむん)尋(とぅ)めえらち呉(くぃ)り。(きじも

のよ、きじものよ、わたしの物を捜させてくれ。きじむなあ、は木の精。)と言い、そ

の唾を指で打ち、唾の飛んだ方向を捜す。腫物なども、唾をつけると痛みなどが早く

ひくとされる。

積(つぃ)ん回(まあ)さあ⓪: (名) 土や石を積みめぐらせて円形に盛り上げたと

ころ。上に赤木やガジマルを植えてある。一里塚のように里程標としたものと思われ

る。

詰(つぃ)ん曲(ま)が⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) ひん曲がる。

詰(つぃ)ん曲(ま)がるう⓪: (名) @ひん曲がること。 ➁寒さなどで、縮こま

  ること。

釣(つぃ)ん矛(ぶく)⓪: (名) 釣り竿。

頭返(つぃんぶるげえ)い⓪: (名) でんぐり返し。頭を下にしてひっくりかえるこ

  と。つぃんぶる<つぃぶる(頭)。

角法螺(つぃんぼおらあ)⓪: (名) 海産の小さい巻き貝の名。ほら貝型のきわめて

小さい貝。にしの一種。

通(つう)じ@: (名) 通じ。便通。

作(つく)い飾(かざ)い⓪: (名) 装飾。飾り付け。

作(つく)い方(かた)⓪: (名) 作り方。製造法。

作(つく)い声(ぐぃい)⓪: (名) 作り声。作った声。

作(つく)い事(ぐとぅ)⓪: (名) 作りごと。無いことをあるように見せかけるこ

と。

作(つく)い変(け)え⓪: (名) 作りかえ。改造。

造(つく)い花(ばな)⓪: (名) 造花。

作(つく)い話(ばなし)⓪: (名) 作り話。

作(つく)い広(ふぃる)み⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 作ってひろげる。(家な

どを)増築する。

作(つく)い物作(むづく)い⓪: (名) 農作物。季節季節の作物。

作(つく)い物言(むに)い⓪: (名) 作(つく)い物言(むぬい)い、と同じ。

作(つく)い物言(むぬい)い⓪: (名) 作りごと。無いことをあるように言うこと。

作(つく)い物(むん)⓪: (名) @作物。農作物。 @作(つく)い物(むん)ぬ

  出来(でぃき)らん。/作物ができない。 ➁加工品。

作(つく)い破(やん)じ⓪: (名) 作りそこない。できそこない。

作(つく)い破(やん)⁼じゅん⓪: (他 ⁼だん、⁼てぃ) 作りそこなう。

作(つく)い病(やんめえ)⓪: (名) 仮病。仮病(ちびょお)、ともいう。

作(つく)い分(わあ)きい⓪: (名) 作物の折半。分作り。一方が土地・賃金・種

子・苗などを出し、一方が耕作して利益を折半すること。

作(つく)い笑(われ)え⓪: (名) 作り笑い。

作(つく)やあ⓪: (名) @作者。製作者。 ➁農夫。農民。芋作(ぅんむつく)や

あ[芋作りの意]ともいう。 Bおしゃれ。

作(つく)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @作る。製作する。製造する。こしらえる。 

@家(やあ)作(つく)ゆん。/家を建てる。 ➁(農作物)を作る。 @芋(ぅん

む)作(つく)ゆん。/さつまいもを作る。また、農業をする。百姓をする。 B化

粧する。めかす。(顔を)作る。

繕(つくり)い込(くん)てぃい⓪: (名) つくろい整えること。 @僅(わずぃ)

かな物(むん)さあに繕(つくり)い込(くん)てぃい為(っし)間(みい)喰(く

ぁあ)しゅん。/わずかな物でつくろい整えて間に合わせる。 @繕(つくり)い込

(くん)てぃい為(しゃ)んてえまん育(すだ)ちぇえ分(わ)かゆん。/どんなに

つくろっても育ちはわかる。

繕(つくり)い⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 繕(つくり)ゆん、と同じ。

繕(つくり)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @つくろう。補修する。修繕する。 ➁

小細工をする。ごまかす。とりつくろう。 Bつくろい整える。野菜の悪い葉を除く

とか、果物のへたを取るなど、また、化粧する。

妻(つま)@: (名) [妻]「妻」に対応する。王の妾。王の妻妾[妃(ふぃい)、夫

人(ふじん)、妻(つま)]の中で最も身分が低く、身分に関係なく拾われた妾をいう。

平民の場合はその家族は士族になる。出身地の名をかぶせて。何々・母(あやあ)と

呼ばれた。母(あやあ)彼(あ)ん知(し)られ、ともいう。

子(っくぁ)@: (名) 子。子供。親に対する子。大人に対する子供は、童(わらび)。 

@子(っくぁ)生(な)しゅん。/子を生む。 @子(っくぁ)ぬ強(ちゅう)れえ

親(うや)あ偉人(いじん)。/子が大きくなれば親は仕合せ。

子(っくぁ)富貴(うぇえき)ん人(ちゅ)@: (名) 子煩悩。子だくさんの人。

子(っくぁ)思(うみ)い⓪: (名) 子を思うこと。子煩悩。

子(っくぁ)思(うむ)やあ⓪: (名) 子を思う者。子煩悩の者。

子(っくぁ)孫(ぅんまが)@: (名) 子と孫。子孫。

子(っくぁ)小(ぐぁあ)@: (名) 小さい子。 @子小(っくぁぐぁあ)一(てぃ

いつぇ)え。/鳩(ほおとぅ)の鳴き声。子供を一人の意。 @くとぅうくぃいくぃ

い子小(っくぁぐぁあ)一(てぃいつぇ)え奥武山(おおぬやま)行(ぃん)じ産(な)

さわ呉(くぃ)らやあ。/(童謡)クトゥークィークィー(鳩の鳴き声)、子供を一人、

奥武の山へ行って生んだらあげよう。

子(っくぁ)産(な)さあ⓪: (名) @多産の女。 ➁乳児のある女。子(っくぁ)

持(む)ちゃあ、と同じ。

子(っくぁ)産(な)し道(みち)@: (名) 子供の生み方。 @子(っくぁ)産(な)

し道(みちぇ)え知(し)っち、育(すだ)ち道(みちぇ)え知(し)らん。/子の

生み方は知っていて、育て方は知らない。子を生みっぱなしにして、ろくに養育しな

い者をいう。

子(っくぁ)産(な)しみやあ⓪: (名) 産婆。子を生ませる者の意。

子(っくぁ)贔屓(びいち)@: (名) 子びいき。わが子をひいきすること。

子(っくぁ)贔屓(びいちゃ)あ⓪: (名) わが子をひいきする者。親馬鹿。

子(っくぁ)持(む)ち@: (名) 子持ち。子のあること。子を連れていること。女

  親をいう。

子(っくぁ)持(む)ちゃあ節(ぶし)@: (名) [子持節] 歌曲の名。子持節。

その本歌は子を失った悲哀を歌った次の歌。 @誰(たる)ゆ恨(うら)みとぅてぃ

鳴(な)ちゅが浜千鳥(はまちどぅり)会(あ)わん連(つぃ)り無(な)さや我身

(わみ)ん供(とぅむ)に。[誰よ恨めとて 鳴きよが浜千鳥 逢わぬつれなさや わ

みも共に]誰を恨んで鳴くのか浜千鳥、子に会えないつれなさは、わたしも同じだ。

子(っくぁ)持(む)ちゃあ星(ぶし)⓪: (名) 子持ち星。そばに小さな星を従え

た星。 ※これは、そばに小さな星を従える星を一般的にいう語のようで、いわゆる、

固有名詞ではなく普通名詞のようである。ちなみに、子持ち銀河というのがある。

子(っくぁ)守(む)やあ⓪: (名) 子もり。小児のもりをする者。上流家庭では特

にそのために少女が雇われる。

子(っくぁ)守(む)やあ歌(うた)@: (名) 子もり歌。たとえば次のようなもの。 

@ぃよおい、ぃよおい泣(な)くなよ、大村(うふむら)御殿(うどぅん)ぬ角(か

どぅ)なかい耳切(みみち)り坊主(ぼおじ)ぬ立而遣侍(たっちょやび)ん。添(す

ぃ)い具(ぐ)ん、包丁(ほおちゃ)ん持而遣侍(むっちょやび)ん〜。(おどしつけ

る歌の例)イョーイ イョーイ 泣くなよ、大村御殿の角に耳切り坊主が立ってます。

ナイフもほうちょうも持ってます〜。 @姉(ぅんみい)が姉(ぅんみい)が守(む)

い立(た)てぃてぃ、下駄小(じたぐぁ)ん草履小(さばぐぁ)ん履(く)ましゅん

どお、唐(とお)ん大和(やまとぅ)ん歩(あっ)かさやあ、吾達(わったあ)御坊

主小(うんぼじゅぐぁあ)や泣(な)ちゃ侍(び)らん、ぅうぇる、ぅうぇる、ぅう

ぇる。(愛情のこもった歌の例)ねえさんがねえさんがおもりして育て、下駄もぞうり

もはかせてあげるよ。唐も大和も旅させてあげるよ。うちのおぼっちゃまは泣きませ

ん。ウェルウェルウェル。

‐為(っし): (助) で。材料・道具などを表す。<っし[して。<為(しゅ)ん]。「で

は」は、‐為(せ)え、となる。 @麺麭(ぱの)お麦(むじ)為(っし)作(つく)

ゆん。/パンは麦で作る。 @石(いし)為(っし)打(う)ちゅん。/石で打つ。 

@沖縄口(うちなあぐち)為(っし)話(はなし)為(しゅ)ん。/沖縄語で話をす

る。 @装(すが)い為(せ)え人(っちゅ)ぬ良(ゆ)し悪(あせ)え言(ぃや)

らん。/服装では人のよしあしは言えない。

人(っちゅ)@: (名) 人。また、他人。文語では、人(ふぃとぅ)、ともいう。 @

人(っちゅ)成(な)ゆん。/人となる。成長して人並みになる。 @人(っちゅ)

に頼(いぃい)らっ而居(とお)ん。/人に信頼されている。信望がある。 @人(っ

ちゅ)ぬ上(ぅうぃい)んでぃん思(うまあ)らん。/他人の身の上とも思われない。

あまりにかわいそうで、我が身のような気持ちがする。 @人(っちゅ)ぬ心(くく

る)。/人の心。人間の心。わかりにくいもの・移りやすいものという場合に多く使う。 

@人(っちゅ)ぬ口(くち)。/世間の評判。人のうわさ。 @人(っちゅ)ぬ口(く

ちぇ)え恐(うとぅる)しい物(むん)。/人のうわさは恐ろしいもの。 @人(っち

ゅ)ぬ事(くとぅ)。/他人事。人の事。 @人(っちゅ)ぬ事(くとぅ)為(しゅ)

んでぃ胴(どぅう)持(む)ち倒(とお)しゅん。/人のことを助けようとして、わ

が身をそこなう。 @人(っちゅ)ぬ言葉(くとぅば)。/他人の言。 @人(っちゅ)

ぬ言葉(くとぅば)縊(くん)じゅん。/人のことばのあげ足をとる。 @人(っち

ゅ)ぬ立(た)ち囲而居(くくどお)ん。/人が立ち囲んでいる。人垣を作っている。 

@人(っちゅ)ぬ付(つぃ)ちゅん。/大勢の人が寄ってくる。(医者などが)人気が

ある。 @人(っちゅ)ぬ胴(どぅう)。/人の体。人身。 @人(っちゅ)ぬ殿地(と

ぅんち)。/人様の御屋敷。他人の家の敬称。女が言う。 @人(っちゅ)ぬ命(ぬち)。

/人の命。人命。 @人(っちゅ)ぬ願(にげ)や徒(あだ)あ成(な)らん。/人

の願いはあだにはならぬ。祈ればかなえられる。 @人(っちゅ)ぬ倣(ねえ)び。

/人真似。他人の真似事。 @人(っちゅ)ぬ非(ふぃい)赤(あか)がらしゅん。

/人の非をあばく。 @人(っちゅ)ん在(あ)らん。/他人でもない。他人行儀に

しなくてもよい。 @人(っちょ)お在(あ)らん。/イ・人でなしである。人非人

である。ロ・他人ではない。他人行儀にするな。

人(っちゅ)足(あし)⓪: (名) 人の往来。 @人足(っちゅあし)ぬ切(ち)り

ゆん。/往来がとだえる。

人(っちゅ)後(あとぅ)@: (名) 人におくれること。人後。 @人後(っちゅあ

とぅ)成(な)ゆん。/人におくれる。人後に落ちる。

人(っちゅ)彼(あ)な者(むん)@: (名) 他人。親類でない者。 @遠(とぅう)

さる親戚(ぅうぇえか)や近(ちちゃ)さる人(っちゅ)彼(あ)な者(むん)。/遠

い親類より、近い他人。

人(っちゅ)酔(うぃ)い@: (名) 人いきれに酔うこと。劇場など、大勢の人の中

にいたために頭痛などを起こすこと。‐うぃい<酔(うぃ)いゆん。 ※ちなみに、

人いきれ、を漢字で書くと、人熱れ。

人(っちゅ)怖(う)じ⓪: (名) 人怖じ。人見しり。

人(っちゅ)侮(うせ)えい物言(むに)い@: (名) 人を馬鹿にした言い方。軽蔑

  したことば使い。

人(っちゅ)侮(うせ)えい者(むん)@: (名) 人をあなどる者。人を軽蔑する者。

人(っちゅ)嬉(うっ)しゃ擬(ぎ)さん@: (形) 愛想がいい。人がよさそうに見

える。

人(っちゅ)音(うとぅ)@: (名) 人の来る足音。また、人のいる気配を感じさせ

  る音。

人(っちゅ)敬(うやめ)え⓪: (名) 人を敬うこと。また、謙譲で礼儀正しいこと。 

人(っちゅ)姦(かしま)しゃあ⓪: (名) 人をうるさがること。また、その者。人

間ぎらい。 @人(っちゅ)姦(かしま)しゃあ有(や)ん。/人間ぎらいである。

人(っちゅ)数(かずぃ)@: (副) 人ごとに。どの人にも。 @人数(っちゅかず

ぃ)尋(とぅ)うたすぃが分(わ)からんたん。/会う人ごとに尋ねたが、わからな

かった。

人(っちゅ)柄(がら)@: (名) 人柄。

人(っちゅ)変(が)わいい者(むん)@: (名) @変わり者。変人。 ➁非凡な人。

偉人。 ※発音は、っちゅがわいむん、のような感じがするがどうであろう?

人(っちゅ)喰(くぇ)え蛭(びいら)@: (名) 南京虫。‐びいら<蛭(ふぃいら

  あ)。

人(っちゅ)事(ぐとぅ)@: (名) @人との交際。社交。 @人事(っちゅぐとぅ)

ん一大物(ちゅうぇえむん)やさ。/人との交際も大変なものだ。(交際費がかかる。) 

➁人の悪口。 @人事(っちゅぐとぅ)読(ゆ)ぬん。/人の悪口をしゃべる。

人(っちゅ)指(さ)し指(いいび)@: (名) 人さし指。

人(っちゅ)先(さち)@: (名) 人に先んじること。っちゅめえ(人前)、ともいう。

  人後(っちゅあとぅ)、の対。

人(っちゅ)丈(だき)@: (名) 人の背たけ。人の背たけほどの高さ。

人(っちゅ)騙(だま)しゃあ⓪: (名) 人をだます者。詐欺師。

人(っちゅ)肝苦(ちむぐり)しゃ@: (名) 慈愛。人を憐れみ、いつくしむこと。 

@人(っちゅ)肝苦(ちむぐり)しゃ為(しゅ)ん。/※動詞化。

人(っちゅ)通(どぅう)い@: (名) 人通り。人の往来。

人(っちゅ)並(な)み@: (名) 人並み。世間並み。

人(っちゅ)馴(な)り@: (名) (子供・動物などが)人に馴れること。

人(っちゅ)抜(ぬ)じ者(むん)@: (名) 詐欺師。

人(っちゅ)抜(ぬ)じゃあ@: (名) 詐欺師。‐ぬじゃあ<抜(ぬ)じゅん。

人(っちゅ)盗人(ぬすどぅ)@: (名) 人さらい。

人(っちゅ)肌(はだ)@: (名) 人の肌。また、そのぬくみ。

人(っちゅ)間違(ばっぺえ)@: (名) 人間違い。あらぬ人をその人かと思い違え

  ること。

人(っちゅ)離(ばな)り@: (名) 人里離れた所。

人(っちゅ)触合(びれ)え@: (名) 人との交際。人とのつきあい。 @人触合(っ

ちゅびれ)えや難(むつぃか)しい物(むん)。/人とのつきあいはむずかしいもの。

人(っちゅ)滅(ふる)ばしゃあ⓪: (名) 借金をふみ倒す者。‐ふるばしゃあ<滅

(ふる)ぶん。

人(っちゅ)勝(まさ)い@: (名) 人にまさること。文語は、人勝(ふぃとぅまさ)

  い。

人(っちゅ)儘(まま)@: (名) 人の言いなり。人のするまま。 @人儘(っちゅ

まま)に成(な)ゆん。/人の言いなりになる。人の言うままに従う。

人(っちゅ)前(めえ)@: (名) @人前。 @人前(っちゅめえ)居(うぅ)てぃ

恥(はじ)掻(か)かさったん。/人前で恥をかかされた。 ➁人に先んじること。

人よりすぐれること。 @常(ちゃあ)人前(っちゅめえ)成(な)てぃ歩(あっ)

ちゅん。/いつも人に先んじている。