表紙 前文

 

 ?あ ?い 'い ?う 'う ?え 'え ?お 'お                             ?め   ?や  ?ゆ  ?よ       ?わ  ?ゐ  ?ゑ  ?ん  

 

 社会人の中で、英語を話してみたい・英語が話せたらいいと思っている人は、100人中100人はいるだろう。ところが、これから実際に独力で英語を勉強し始めようという人は100人の中に一人もいないであろう。実際に英語を勉強し続ける人は1000人の中に一人もいないであろう。そしてついに、ペラペラというまでに英語が話せるようになる人は一万人に一人もいないであろう。つまり、沖縄県に145人もいないという計算になる。(社会人がこれから独力で英語を始めた場合どうなるかという計算である。)外国語の習得とはそのようなものである。人から教わることには限界があり、人に頼っていると挫折が待っている。結局、自分自身の努力以外にないのである。この世界で最も難しいことは、努力することであり、継続することである。外国語の習得は、そのもっとも困難なことを人間に要求するのである。一般の人は実のところ無意識のうちにこの事実を了解している。だからこそ、100人中99人の人は最初からあきらめているのである。99人の人を水のあるところまで引っ張っていくことができたとしても、無理矢理水を飲ませることはできないのである。努力と継続を望まない人達にそれを無理に要求することはできないのである。ある施設で、20人ほどの人を前に手話の実演をしていた。講師は耳の不自由な方である。実際に講師に従って手話をまねる人は何人もいなかった。はたして興味がもてた人は何人いたであろうか。講師は一日で手話の実演をやめてしまった。英語も琉球語もそのようなものなのである。実際に人前で英語・琉球語を話すのは手話以上に難しいのである。(手話が簡単であるという意味ではない。)学ぼうと思う人は自ら学ばなければならないのである。世の中には楽しいことがいくらでもある。それは一般の人が私以上によく分かっているし、現実、ほかの楽しいことを楽しんでいるのである。職場での経験である。私のウェブサイトの紹介を書いた紙をある同僚に渡した。その紙はゴミ箱の前に捨てられていた。ゴミ箱の中では私が気づくことはない。わざとそうしたのである。おそらく上の人の指示なのであろう。私が自分のサイトをひけらかしたい、自分の能力・才能をちやほやされたいということを見抜かれてしまったのである。その事実があって以後、ネタにしたことを告知した以外、自分のサイトのことを話題にしたり、宣伝したりすることは決してしないと堅く決心した。自分自身のあさましさを見抜かれた上でなおチヤホヤされたいと思うであろうか。残念ながらそのような図太い神経は持ち合わせてはいない。私がそのような図太い神経の持ち主であると確信している人がこれまでの職場に大勢いたというよりも全員がそうであった。またそうである。私が自分から話しかけてくることを期待しているようであるがそれはありえない。健常者の社会を批判している私が自分のウェブサイトを同じ健常者から評価してほしいというのであれば、それは完全にピエロであり、精神分裂症の診断を下されても文句が言えない。私が健常者の社会を非難するかぎり、同時に私は自分のウェブサイトが健常者から評価されることを拒否しなければならないのである。続きは次回。

 

 

   む

 

六(む)‐: (接頭) 六。 @六羽(むふぁに)、六回(むけえん)など。

守(む)い⓪: (名) @守(む)い役(やく)、と同じ。 ➁子守りをすること。お守

り。 @守(む)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

盛(む)い@: (名) [森]丘。山。土が盛り上がって高くなっているところ。山(や

ま)、は林を意味する。山(さん)、はそびえて山らしい地形をしたもの、岳(たき)、

は拝所のある山をいう。 @彼(あ)ぬ盛(む)ええ高山(たかざん)成而居(なと

お)ん。/あの丘は高くそびえている。 @恩納岳(うんなだき)彼方(あがた)里

(さとぅ)が生(ぅん)まり村(じま)盛(む)いん押(う)し除(ぬ)きてぃ此方

(くがた)成(な)さな。[恩納岳あがた 里が生れ島 森も押しのけて こがたなさ

な]恩納岳のあちら側は恋しいかたの生まれ故郷である。山(恩納岳)をも押しのけ

てこちら側にしたいものだ。 ※モリ、もい、はおもろさうしの頻出語である。

‐守(むい): (接尾) [文]殿。様。人名に付き、敬意を表す接尾辞。 @戦守(い

くさむい)[英祖王の幼名]、御輝守(うぢゃがむい)[尚真王の幼名]など。口語の、

御前(うめえ)、母前(あやあめえ)、などの、‐めえ、および、役守(やくみい)、な

どの、‐みい、と語源を同じくするものか。 @鳴響(とぅゆ)む謝名守(じゃなむ

い)が謝名上原(じゃなぅうぃいばる)登(ぬぶ)てぃ蹴上(きあ)ぎてぃたる露

(つぃゆ)ぬ玉(たま)ぬ清(ちゅ)らさ。[とよむ謝名もいが 謝名上原のぼて 蹴

上げたる露の 玉の清らさ]名高い謝名の按司様が謝名上原に登って、蹴散らした露

の玉の美しさよ。

盛(む)い御菓子(うくぁあし)@: (名) 法事の時、盆に盛る各種の菓子。甑御菓

子(くしちいうくぁあし)、花丸小菓(はなぼおる)、正朧(そおうぶる)、金楚糕(ち

んすこお)、など。いずれもその項参照。

茉莉花(むいくぁ)⓪: (名) 植物名。もりか。もうりんか。まつり。ジャスミンの

一種。もくせい科に属し、葉は光沢のある円形。花は白く芳香がある。花を茶に入れ

て賞味する。

盛(む)い小(ぐぁあ)⓪: (名) 小さい丘。小山。

捥(む)い口(くち)⓪: (名) もいだ跡。果実などをもぎとった箇所。

茉莉花花(むいくばな)⓪: (名) まつり[茉莉花(むいくぁ)]の花。芳香高く、茶

に入れて賞味する。 @天酌(てぃんしゃぐ)ぬ花(はな)や御嬢様(ぅうぇぐんし

ょり)上物(ぅうぇむぬ)、茉莉花花(むいくばな)小花(くばな)里(さとぅ)が上

物(ぅうぇむぬ)。[てんしやごの花や うえんぐしよりおや物 むいく花小花 里が

おや物]ほうせんかの赤い花はお嬢様の物、まつりの白い花は御主人の物。奉公人が

主家の庭をほめた歌。(男女の陰部を庭の花にたとえたものか。) *混効験集:乾巻・

草木に、もへくわのはな、とある。

守(む)い立(た)てぃ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) (子を)おもりして育てる。

  立派におもりをする。

盛(む)い立(た)てぃ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 盛り立てる。盛り上げる。

守(む)い寝(に)んし⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) もりをして寝かせる。 @守

(む)い寝(に)んしらりいる如居(ぐとお)ん。/もりをされながら眠るときのよ

うだ。ここちよく眠りにつく場合にいう。

守(む)い役(やく)⓪: (名) 身分の高い子弟のもり役。身分の高い子弟の身のま

わりの世話をする役。

潜入(むい)ん⁼ちゅん⓪: (自 ⁼かん、⁼ち) (心身が)ぐったりする。(非常に眠

  い時、疲れはてた時などに)体が地にめりこむように感じる。

捥入(むい)ん⁼ちゅん⓪: (他 ⁼かん、⁼ち) (果実などを)盛んにもぐ。どんどん

  もぐ。

六(むう)@: (感) む。むっつ。声を出して数える時にのみいう。

藻(むう)@: (名) 藻。水中・海中の藻。

婿(むうく)⓪: (名) 婿。娘の夫。娘の親からいう語。

婿兄弟(むうくちょおでえ)⓪: (名) 妻同志が姉妹である義兄弟。

鬼餅(むうちい)⓪: (名) [鬼餅]旧暦12月8日、子供たちに餅を作って与える

行事。また、その時の餅。くわしくは、女陰張(ほおは)い鬼餅(むうちい)、という。

びろう[蒲葵(くば)]または、月桃(さんにん)、の葉に包んだ餅を、たくさん(た

だし奇数)天井から下げて子供たちに与える。人を食いに来た鬼を、餅を食って見せ

て追いはらうという伝説にもとづいて行われるという。男の子には一つ特に大きな、

力鬼餅(ちからむうちい)[力餅]をまぜて与える。餅は、富者は米ばかりで、貧者は

黍で、あるいは甘藷をまぜて作る。

鬼餅寒(むうちいびい)さ⓪: (名) 鬼餅(むうちい)、のころ、ことさらに感じる寒

  さ。

六(むう)つぃ@: (名) 六。むっつ。また、六歳。時刻は、六(む)つぃ、という。

元結(むうてぃ)い⓪: (名) 元結い。髪を結う時、髪のもとどりを結ってつかねる

もの。男の元結いには、赤元結(あかむうてぃ)い[赤色の元結い]と、青色元結(お

おるうむうてぃ)い[緑色の元結い]、とがあり、片頭結(かたかしらゆう)やあ[髪

結い床]では赤の方が料金が安かった。

元・本(むうとぅ)⓪: (名) @元。本。みなもと。また、先祖。 ➁もとで。資本。

元金。 @元(むうとぅ)取(とぅ)い返(けえ)しゅん。/もとを取り戻す。 @

元(むうとぅ)被(かん)じゅん。/もとを取れずに、損失をこうむる。

元喰(むうとぅくぇ)え切(ち)り⓪: (名) 元金を食いつぶすこと。商売で損をし

  てもとでをも失うこと。

本所(むうとぅどぅくる)⓪: (名) 宗家。大本である家筋。本家。

本家(むうとぅやあ)⓪: (名) 本家。

母屋柱(むうやばあや)⓪: (名) 家の中にある柱。家の周囲・縁側などにある柱[端

  柱(はじばあや)]に対する。母屋柱の意か。

模合(むええ)@: (名) [模合]無尽講。頼母子講。寄合(ゆれえ)、ともいう。年

一回開くものは、年模合(にんむええ)、月一回開くものは、月模合(つぃちむええ)、

という。

無学(むがく)@: (名) 無学。無算(むさん)、ともいう。 @無学(むがく)な者

(むん)。/無学な者。墨(すぃみ)ん知(し)らん者(むん)、ともいう。

無型(むかた)あ@: (名) 容貌の醜い者。かた(型)の無い者の意。

無傷(むきじ)@: (名) 無傷。傷のないこと。また、欠陥のないこと。 @無傷(む

きじ)な物(むん)。/無傷なもの。欠陥のないもの。

報(むく)い@: (名) 報い。応報。悪の報いをいう。 @報(むく)い被(かん)

  じゅん。/報いを受ける。

婿入(むくい)り⓪: (名) 婿入り式。結婚の日に、花婿が花嫁の家に招待されて行

く式。婿は、婿連(むくづぃ)り、といっしょに行き、花嫁の家では、添側(そおば)

[接待役]の接待により宴を催す。式がすむと、添側(そおば)、以外の親類の者が次々

と婿に酒をすすめる。婿を見に近隣の者が大勢押しかけて、しばしば大騒ぎになる。

尨犬(むくいん)⓪: (名) むく犬。むく毛の犬。

婿添(むくぞお)い⓪: (名) 婿連(むくづぃ)り、と同じ。

婿連(むくづぃ)り⓪: (名) 結婚の日、婿入(むくい)り[その項参照]に際して、

婿の付添い役として嫁の家に行く役目の者。縁起のよい者が選ばれ、子供のない人・

再婚した人などは避けられる。

婿取(むくどぅ)い嫁取(ゆみどぅ)い⓪: (副)嫁取(ゆみどぅ)い婿取(むくどぅ)

い、と同じ。

浮腫(むく)⁼ぬん⓪: (自 ⁼まん、⁼でぃ) むくむ。腫(む)ちゅん、とやや異なり、

全体がはれてふくれあがるというほどではない。 @面(つぃら)ぬ浮腫(むく)而

居(どお)ん。/顔がむくんでいる。

木目(むくみ)⓪: (名) 木目。木材の年輪。

六小盛(むくむ)い@: (名) 銭600文。1銭2厘に当たる。銭(じん)、の項参照。

婿養子(むくよおし)⓪: (名) 婿養子。娘に婿を迎えて養子にすること。また、そ

  の養子。

目録(むくるく)⓪: (名) 目録。

目論(むくる)⁼ぬん⓪: (他 ⁼まん、⁼でぃ) もくろむ。企てる。

目論見(むくるみ)⓪: (名) もくろみ。企て。胸算用。

無言(むぐん)@: (名) 無言。

無繋(むげえ)⓪: (名) おもがい。馬具の一つ。馬の頭からくつわにかける組みひ

も。また、駄馬には木製のものを用いる。

沸上(むげ)え⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 沸騰する。わく。煮え立つ。 @汁(し

る)ぬ沸上(むげ)えゆん。/汁が煮え立つ。 @腹(わた)ぬ沸上(むげ)えゆん。

/はらわたが煮えくりかえる。非常に立腹する。 

向(む)こお@: (名) 額。ひたい。 ※共通語の「向こう傷」の「向こう」には、

  顔・額の意味があるようだ。

向(む)こお傷(きじ)⓪: (名) むこう傷。額の正面に受ける傷。

向(む)こお白(しる)う⓪: (名) (牛・馬・犬などの)額の白いもの。

向(む)こお払(ばれ)え⓪: (名) 先方払い。受け取り人払い。

諸騒(むさげ)え⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) にぎやかに騒ぐ。ざわめく。さんざ

めく。

尚少(むさ)っとぅ@: (副) 毛頭。少しも。 @尚少(むさ)っとぅ知(し)らん。

  /少しも知らない。

無算(むさん)@: (名) 無学。無算の意。無学(むがく)、ともいう。筆算(ふぃっ

さん)、に対する。平民についていう。平民の枕詞のように使われた。 @無算(むさ

ん)な百姓(ひゃくしょお)。/無学な平民。

虫(むし)@:  (名) @虫。昆虫、くもなど。 ➁腹の虫・けんかの虫などの場合

の虫。 @虫(むし)起(う)くしゅん。/(少しだけ食べると腹の虫を起こして)

かえって食欲を起こす。 @虫(むし)喰(く)うゆん。/むやみにけんかをしたが

る。同じことを、争(おお)い虫(むし)喰(く)うゆん、ともいう。

若(む)し@: (副) もし。かりに。若(む)しか、ともいう。 @若(む)し天気

(てぃんち)ぬ良(ゆ)たさらあ行(い)ちゅさ。/もし天気がよかったら行くよ。 

文字(むじ)⓪: (名) 文字。 @文字(むじ)ん故事(くじ)ん分(わ)からん松

川(まつぃがあ)ぬ碑文(ふぃむん)。/文字もわからぬ松川の碑文。松川の碑文は風

化して文字がわからない。物の道理のわからない人間をたとえていう。くじ、は故事

の意だがさして意味はなく、文字(むじ)、の対句として並べたもの。同じ意味で、字

面(じいじら)ん分(わ)からん[字づらもわからないの意か]ともいう。

虫恐(むしうとぅる)う⓪: (名) 虫をこわがる者。虫ぎらい。

虫驚(むしうどぅる)く@: (名) 啓蟄(けいちつ)。二十四節の一つ。

若(む)しか@: (副) もしか。もしも。 @彼(あ)りがどぅん若(む)しか我沙

汰(わさた)どぅん為(しゅ)らば哀(あわ)り泣(な)ちゅんたんでぃ語(かた)

てぃ給(たぼ)り。[あれがどももしか 我沙汰どもしゆらば あわれ泣きゆたんで 語

てたばうれ]彼女がもしかわたしの話しでもしたら、かわいそうに泣いていたと言っ

て下さい。 @若(む)しかぬ事(くとぅ)ぬ有(あ)いねえ。/もしものことがあ

ったら。

虫喰(むしくぇ)え⓪: (名) 虫食い。虫に食われていること。また、そのもの。た

 とえば、甘藷などをいう。

虫喰(むしくぇ)え歯(ばあ)@: (名) 虫歯。虫歯(むしば)、ともいう。

虫薬(むしぐすい)@: (名) 虫下し。旧暦4月、畔祓(あぶしばれ)え[その項参

照。]のころ、なちょおら(海人草)、を虫下しとして、家族全員が煎じて飲んだり、

または、雑炊に入れて食べたりする。

無仕口(むしくち)⓪: (名) 失業。

虫気(むしち)@: (名) @回虫などによって起こる病気。 ➁虫気。子供の種々の

  病気をいう。

虫歯(むしば)@: (名) [新]虫歯。虫喰(くぇ)え歯(ばあ)、ともいう。

虫見鏡(むしみかがん)@: (名) 虫めがね。中国から輸入され、易者などが用いた。

無数蚊数(むじゃらくぁじゃら)@: (副) うじゃうじゃ。たくさんのものがうごめ

くさま。 @無数蚊数(むじゃらくぁじゃら)為居(しょお)ん。/うじゃうじゃし

ている。

揉擦揉擦(むじゅむじゅ)@: (副) むずむず。揉擦(むじゅ)る揉擦(むじゅ)る、

  ともいう。揉擦揉擦(むじゅむじゅ)為(しゅ)ん。/※動詞化。

揉擦(むじゅ)る揉擦(むじゅ)る@: (副) @無数蚊数(むじゃらくぁじゃら)、と

同じ。 ➁むずむず。蚤などが着物の下などでうごめくさま。揉擦揉擦(むじゅむじ

ゅ)、ともいう。

毟(むし)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) むしる。つかんで引き抜く。 @髪(から

じ)毟(むし)ゆん。/髪をむしる。 @草(くさ)毟(むし)ゆん。/草をむしる。

無性(むしょお)⓪: (副) 無性に。我を忘れて。 @無性(むしょお)成(な)た

  ん。/我を忘れた。

無情(むじょお)@: (名) [文]@無情。冷酷。 ➁無情。哀れ。 @無情(むじ

  ょお)な者(むん)。/哀れな者。

虫痩枯(むしよおが)り@: (名) 幼児の栄養不良。虫気。むしち(小児結核など)

で体が衰えること。

無性苦姓(むしょおくしょお)⓪: (副) 無性に。やたらに。無性(むしょお)、の強

  意。

無性(むしょお)疾性(とぅしょお)⓪: (副) 無性に急いで。滅法あわてて。 @

無性(むしょお)疾性(とぅしょお)成而居(なとお)る様子(よおすぃ)。/滅法あ

わてているようす。

無性(むしょお)に⓪: (副) 無性に。 @無性(むしょお)に喰(か)み欲(ぶ)

しく成(な)たん。/無性に食いたくなった。

毟(むし)り⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 破れてぼろぼろになる。むしられたよう

になる。

筵(むしる)⓪: (名) むしろ(筵)。備後筵(びいぐむしる)[備後表のむしろ]、藺

筵(いぃいむしる)[琉球表のむしろ]、阿旦葉筵(あだにばあむしる)[阿旦の葉のむ

しろ]、輸入された、花筵(はなむしる)[花むしろ]、籐筵(とおむしる)[籐むしろ]

などがある。 @山原(やんばる)ぬ慣(な)れや阿旦葉(あだにば)ぬ筵(むしる)、

敷(し)かば入(い)り召候(みしょ)り首里(しゅい)ぬ主(しゅ)ぬ前(め)。[山

原のなれや 阿旦葉のむしろ 敷かば入りめしよれ 首里の主の前]山原のことで阿 

旦の葉のむしろしかありませんが、敷いたらお入り下さい、首里の旦那様。

筵引(むしるし)ちゃあ⓪: (名) 妾の別名。寝ござを敷く者の意。

筵(むしる)引(びい)ち⓪: (名) むしろごと引っ張ること。子供などがむしろに

  寝ている時などに、むしろごと引いて動かすこと。 

毛布(むしん)⓪: (名) 毛布。ケット。 ※語源は、筵(むしる)、かと思われる。

無存分(むじんぶん)@: (名) 知恵が足りないこと。知恵なし。<存分(じんぶん)

  [知恵]。 @無存分(むじんぶん)な者(むん)。/知恵のない者。

結合(むすぃばあ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) [古]結合(むすばあ)ゆん、と

  同じ。

結(むすぃ)⁼ぶん@: (他 ⁼ばん、⁼でぃ) [古]結(むす)ぶん、と同じ。 

結合(むすばあ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 取っ組み合う。組み打ちをする。

結(むす)びい⓪: (名) 契約。牛馬の売買の契約など。契約が成立した時、相方で

金を出し合って小宴を張るが、そのことをもいう。 ※相方は双方の間違いかも。 @

結(むす)びい為(しゅ)ん。/※動詞化。

結(むす)び昆布(くうぶ)@: (名) 料理名。結びこんぶの意。こんぶを結んで煮

たもの。

結(むす)び素麺(じょおみん)@: (名) そうめんの一種。そうめんを作る時、乾

かないうちに結んだもの。油揚げにして、新年の料理に多く使う。

結(むす)⁼ぶん@: (他 ⁼ばん、⁼でぃ) @(ひもなどを)結ぶ。 ➁(夫婦の縁を)

結ぶ。結婚する。契る。 @有(あ)らん縁(いぃん)結(むす)でぃ。/結ぶべか

らざる男女の縁を結んで。 @結(むす)ばったる前(めえ)なあ、後(あとぅ)な

あ。/結婚の前だったかね、あとだったかね。 

揉擦揉擦(むずむず)@: (副) むずむず。うずうず。やろうとしていらだつさま。 

  @揉擦揉擦(むずむず)為(しゅ)ん。/※動詞化。

‐弄(むたあ)ん: (接尾) 〜遊び。いたずらすること・もてあそぶことの意。 @

手(てぃい)弄(むたあ)ん[手でいたずらすること]、水(みずぃ)弄(むたあ)ん

[水遊び]、泥(どぅる)弄(むたあ)ん[泥いじり]など。

弄(むたあ)ん引(ふぃ)たあん⓪: (副) もてあそぶさま。いじくり回すさま。 @

  弄(むたあ)ん引(ふぃ)たあん為(しゅ)ん。/※動詞化。

弄(むた)⁼ぶん⓪: (他 ⁼ばん、⁼でぃ) もてあそぶ。いじる。 @水(みずぃ)弄

  (むた)ぶん。/水遊びをする。

持(む)たらん持(む)ち⓪: (名) 荷物・仕事・財産など、持てないものを持つこ

と。 @持(む)たらん持(む)ち有(や)てえさやあ。/無理に持っていたんだね

え。

餅(むち)@: (名) @餅。主として法要、祭祀に用いる。普通は米の粉で作られる。 

餅(むうちい)、は別。 @餅(むち)作(つく)ゆん。/餅を作る。 ➁しっくい。

防風用として屋根瓦の接合に多く用いられる。 B鳥もち。山黐(やんむち)、ともい 

う。

麦(むぢ)⓪: (名) 麦。沖縄には、うふむぢ(大麦)、ぅんなむぢ(小麦)、はだか

あむぢ(裸麦)の三種がある。

芋茎(むぢ)⓪: (名) 田芋(たあぅんむ)[里芋に似た芋]の茎。ずいきの一種。田

芋茎(たあむぢ)、と同じ。 *混効験集:乾巻・飲食に、むきやしきい、とあり、何

か関係がありそうだ。

持(む)ち朝飯(あさばん)⓪: (名) 弁当落ち。昼飯持参。

無系(むちい)@: (名) [無系] 系図のないこと。平民で系図がなく、身分の低

いこと。また、その者。平民はほとんどが無系であるが、功労によってあらたに系譜

を与えられることがあった。たとえば、音楽家の、知念(ちにん)目剥(みいは)ぎ

い、は平民で無系であったが、音楽の功労により歌氏を与えられた。

芋茎押和(むぢうせ)え⓪: (名) 田芋(たあぅんむ)[里芋に似た芋]のずいきのあ

  えもの。

持(む)ち合(え)え⓪: (名) 持病。

持(む)ち喰(くぁ)⁼ゆん⓪: (他 ⁼あん、⁼てぃ) @(馬・荷・才能などが人を)

引き回す。 @馬(ぅんま)ぬ人(っちゅ)持(む)ち喰(くぁ)ゆん。/馬が人を

引き回す。 @才(せえ)に持(む)ち喰(くぁ)あってぃ。/才能に引き回されて。 

➁熱中させる。傾倒させる。夢中にする。多く、受け身の形で用いる。 @持(む)

ち喰(くぁ)あってぃ物(むぬ)ん食(か)まん。/熱中して飯も食わない。

持(む)ち喰(くぁ)あり⁼ゆん⓪: (⁼りらん、⁼ってぃ) 持(む)ち喰(くぁ)ゆん、  

  の受け身。

糯米(もちぐみ)@: (名) 餅米。

持(む)ち変(け)え頭(かみ)変(け)え⓪: (副) 持ちかえたり、頭にのせかえ

たりするさま。ああ持ったりこう持ったり。かみ‐<頭(かみ)ゆん。また、あっち

へやったり、こっちへやったり。ああやったり、こうやったり。

餅(むち)さん@: (形) 粘っこい。粘り気がある。ねばねばしている。 @此(く)

  ぬ山黐(やんむちぇ)え餅(む)ちこお無(ねえ)らん。/この鳥もちは粘りがない。

漆喰細工(むちぜえく)@: (名) 左官。むち、はしっくい。漆喰塗(むちぬ)やあ、

  漆喰塗(むちぬ)い細工(ぜえく)、ともいう。 

持(む)ち切(ち)り⓪: (名) 持ったきり。持ち通し。ひとり占め。

持(む)ち切(ち)り家(やあ)⓪: (名) 独立家屋。一軒の家。

餅搗(むちつぃ)ち⓪: (名) しっくいを作ること。石灰にわらくず・粘土などを入

れ、ふのりの液汁をまぜ、練り合わせて作る。女が気長に歌などを歌いながら作るこ

とが多い。

餅搗(むちつぃ)ちゃあ⓪: (名) しっくい作りをする者。

餅搗(むちつぃ)ちゃあ歌(うた)⓪: (名) しっくい作りの時に歌う歌。花(はな)

ぬう、という労働歌を多く歌う。歌詞は、@花(はなあ)ぬう風回(かじまや)や風

(かじ)連(つぃ)りてぃ廻(みぐ)る、吾(わん)や同志(どぅし)連(つぃ)り

てぃ遊(あすぃ)ぶ、一糸(ちん)二糸(とぅん)三糸(てん)一二三糸(とぅん)

満(まん)一糸(ちん)三糸(てん)。(花の風車は風につれて回る。われは友をつれ

て遊ぶ。以下はやし)

持(む)ち過(っくぁ)⓪: 持ち過ぎ。負担過重。

持(む)ち耐(で)え⓪: (名) 持ちこたえる力。持久力。耐(て)え、はたえる力。

餅(むち)とぅ皮葉(かあしゃ)⓪: (名) 男女の仲のよい密な関係。餅とそれを包

  む葉のように離れない関係。

麦(むぢ)な粉(くう)⓪: (名) 麦粉。小麦粉。

持(む)ち成(な)し⓪: (名) @持ちかた。手入れ。 @衣(ちん)ぬ持(む)ち

成(な)し。/着物の手入れ。 @黄金(くがに)挿(さ)ち居(うぅ)てぃん白銀

(なんじゃ)挿(さ)ち居(うぅ)てぃん肝(ちむ)ぬ持(む)ち成(な)しどぅ飾

(かざ)い為(さ)らみ。[黄金さちをても 白銀さちをても 肝の持なしど かざり

さらめ]金のかんざしをさしていようと、銀のかんざしをさしていようと、心の持ち

かたこそ飾りになるものだ。 ➁世話。 @年寄(とぅしゅ)いぬ持(む)ち成(な)

し。/年寄りの世話。 *混効験集:坤巻・言語に、もちなし、とある。おもろさう

し・94に、もちなし、とある。

持(む)ち荷(にい)⓪: (名) 手に持てる程度の荷物。手にさげる荷。手荷物。頭

荷(かみにい)、より軽い。

餅塗(むちぬ)い細工(ぜえく)@: (名) 左官。

芋茎(むぢ)ぬ御汁(うしる)⓪: (名) 田芋(たあぅんむ)[里芋に似た芋]のずい

  きを入れた汁。

餅塗(むちぬ)やあ⓪: (名) 左官。餅細工(むちぜえく)、ともいう。‐ぬやあ、は

  塗る者。

持(む)ち直(のお)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 持ち直す。(病状などを)回復

  に向かわせる。 @病(やんめえ)持(む)ち直(のお)しゅん。/病気を持ち直す。

持(む)ち直(のお)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (病状などが)回復に向かう。

  持ち直す。 @病(やんめえ)ぬ持(む)ち直(のお)ゆん。/病気が持ち直す。

持(む)ち外(はん)でぃ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) (身を)持ち崩す。堕落す

る。外(はん)でぃゆん、は外れる。 @胴(どぅう)持(む)ち外(はん)でぃゆ

ん。/身を持ち崩す。

持(む)ち飯前(ばんめえ)⓪: (名) 弁当。また、弁当・食糧を持って行くこと。

手弁当。弁当持参。 @持(む)ち飯前(ばんめえ)為(しゅ)ん。/弁当(食糧)

を持って行く。

持(む)ち前(めえ)⓪: (名) @自分の持っている分。持ち分。負担分。持つ義務

  のあるもの。 ➁自分が祀るべき祖先。

持上(むちゃ)が⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 持ち上がる。高く盛り上がる。高ま

  る。

持上(むちゃ)ぎ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 持ち上げる。もたげる。高く上げる。 

@頭(つぃぶる)持上(むちゃ)ぎゆん。/頭をもたげる。

餅餅(むちゃむちゃ)@: (副) ねばねば。粘りつくさま。 @餅餅(むちゃむちゃ)

為(しゅ)ん。/※動詞化。

持(む)ち欲(ゆく)@: (名) 物欲。金銭・財産への欲望。 @色欲(いるゆく)、

物(むん)ぬ欲(ゆく)[食物への欲]と合わせて、三欲(さんゆく)、という。

持(む)⁼ちゅん⓪: (他 ⁼たん、⁼っち) @持つ。手に持つ。また、所有する。維持

する。受け持つ。 ➁とつぐ。(女が)結婚する。また、子供ができる。 @夫(うぅ

とぅ)持(む)ちゅん。/(女が)結婚する。とつぐ。 @子(っくぁ)持(む)ち

ゅん。/子供ができる。妊娠する。また、出産する。 @未(まあ)だ持(む)たい。

/イ・まだ嫁に行かないのか。ロ・まだ子供ができないのか。 B(自)もつ。持続

する。

腫(む)⁼ちゅん⓪: (自 ⁼たん、⁼っち) むくむ。はれてふくれあがる。腫(むく)

ぬん、とやや異なり、全体がふくれてはれあがる場合をいう。 @面(つぃら)んか

い腫(む)っ而居(ちょお)ん。/顔がむくんで、はれあがっている。 @足(ふぃ

しゃ)んかい腫(む)っ而居(ちょお)ん。/足がむくんで、はれあがっている。

無賃(むちん)@: (名) 無賃。乗物などで料金を払わないこと。

持(む)ち入(ん)⁼ちゅん⓪: (他 ⁼かん、⁼ち) 持ち込む。

持(む)つぃ@: (名) 財産。資産。 @持(む)つぃ呉(くぃ)らじやか性(し

ょお)呉(くぃ)り。/(子に)財産を与えるより、立派な性質を与えよ。子孫のた

めに美田を買わず。

六(む)つぃ@: (名) 時刻の六つ。朝晩の6時。

難(むつぃか)しゃん@: (形) @むずかしい。困難である。やりにくい。 ➁(病

人)が危ない。 B機嫌をとりにくい。気むずかしい。 C非凡である。偉い。 @

難(むつぃか)しい人(っちゅ)。/非凡な人。すぐれた人。

睦(むつぃ)り@: (名) 男女が互いに離れられない仲になること。

睦(むつぃ)り⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @(男女が)仲よくなって、離れられ

なくなる。「睦る」と関係ある語。睦まじくなりすぎる。 ※睦(むつ)る、は源氏物

語にも見える古語である。 ➁[文](糸などが)もつれる。口語では、睦(んじゃ)

りゆん、という。

実作(むづく)い⓪: (名) 農作。農業に従事すること。 *混効験集:坤巻・言語

  に、もつくり、とある。外間守善は、「物作り」から転じた語であるとしている。 

実小(むっくう)⓪: (名) @つぼみ。 ➁小さい実。草木の実。果実など、大きい

  実は、生(な)い、という。

実作(むづく)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (木の芽などが)出かかる。(腫れも

のなどが)できかかる。 @実小(むっくう)ぬ実作(むづく)而居(とお)ん。/

つぼみができかかっている。

‐無垢(むっこ)お: (接尾) 〜なし。体のある部分が切れてなくなった者、もげて

なくなった者の意。 @手(てぃい)無垢(むっこ)お[手が切れて、ない者]、足(ふ

ぃしゃ)無垢(むっこ)お[足のない者]、尾(ずう)無垢(むっこ)お[尾が切れて、

ないもの]など。類義の接尾辞に、野原(もお)、野原空(もおくう)、野原川(もお

かあ)、などがある。それぞれの項参照。

六人(むったい)@: (名) 六人。「むたり」に対応する。六人(るくにん)、を多く

  用いる。

持(む)っちゃい居(うぃ)っちゃい⓪: (副) 持(む)っちょお居(うぃ)っちょ

お、と同じ。

餅(むっち)ゃい喰(くぁ)ったい⓪: (副) ねばねば。べとべと。餅(むち)ゃ餅

(むち)ゃ、より一層粘るさま。 @餅(むっち)ゃい喰(くぁ)ったい為(しゅ)

ん。/※動詞化。

餅付(むっちゃ)か⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 粘りつく。粘ってくっつく。食付

(たっちゃ)かゆん、ともいう。

餅入返(むっちゅるげえ)い⓪: (副) 押さえようとしても押さえられないさま。な

かなかつかまらないさま。逃げる子・うなぎなどについていう。 @餅入返(むっち

ゅるげえ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

持(む)っちょお居(うぃ)っちょお⓪: (副) はかどらないさま。手間どるさま。

もたもた。 @持(む)っちょお居(うぃ)っちょお為(しゅ)ん。/※動詞化。

持而居(むっちょお)り⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) (仕事などが)手間どる。は

かどらない。 @諸(むる)仕事(しぐとぅ)ぬ持而居(むっちょお)り而居(とお)

てぃ。/全く仕事が手間どっていて。

持入返(むっちるげえ)い⓪: (副) 大勢がいっしょに騒ぐさま。がやがや。 @持

  入返(むっちるげえ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

尚少(むっとぅ)@: (副) 全然。全く。少しも。 @尚少(むっとぅ)見(みい)

らん。/全然見えない。

尤(むっとぅ)ん@:  (名) もっとも。道理至極。 @尤(むっとぅ)んな事(く

  とぅ)。/もっともなこと。 @尤(むっとぅ)ん有(や)ん。/もっともだ。

専(むっぱ)ら@:  (名) もっぱら。そのことばかり。 @勢(いちゅ)い専(む

っぱ)ら有(や)ん。/権勢のみをふりまわしている。 @彼(あ)りが相撲(しま)

あ力(ちから)専(むっぱ)ら、何(ぬう)ん手(てぃい)や無(ねえ)らん。/彼

のすもうは力ばかりで、何も手はない。

面(むてぃ)@: (名) @方。方向。方面。側。 @大和(やまとぅ)ぬ面(むてぃ)。

/日本の方。 ➁(接尾)方。側。〜の一団。〜の一族。 @彼処(あま)面(むて

ぃ)[あっちの方、あっち側]、何処(まあ)面(むてぃ)[どっちの方、どっち側]、

下(しちゃ)面(むてぃ)[下の方、下側]、東(あがり)面(むてぃ)[東の方、東側]、

後(くし)面(むてぃ)[後の方、後ろ側]、道(みち)面(むてぃ)[道側]、大和(や

まとぅ)面(むてぃ)[日本の方、日本側]、首里(しゅい)面(むてぃ)[首里の方、

首里側]、嫡子(ちゃっち)面(むてぃ)[長男の側、長男の一族]、比嘉(ふぃじゃ)

面(むてぃ)[比嘉側、比嘉一族]など。

捩(む)でぃ⓪: (名) 三味線(さんしん)のねじ。絡繰(からく)い、簪(じいふ

ぁあ)、ともいう。 

持(む)てぃ余(あま)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) もて余す。 @子(っくぁ)

  持(む)てぃ余(あま)しゅん。/子をもて余す。

捩(む)でぃ綾(あや)⓪: (名) 白糸と黒糸とをより合わせて織った模様。むでぃ

‐<捩(む)でぃゆん。

捩(む)でぃ込(く)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) もつれる。(糸・藤の枝などが)

  もつれあう。

捩(む)でぃ返(けえ)ら⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) ひねり倒す。ねじり倒す。

捩(む)でぃ爪付(つぃん)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) ひねったり、つねった

りする。つぃんきゆん、はつねる意。

捩(む)でぃ倒(とお)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) ひねり倒す。ねじふせる。

持(む)てぃ成(な)し⓪: (名) 取り扱い。作りかた。 @蒲葵(くば)ぬ葉(ふ

ぁ)どぅ有(や)すぃが持(む)てぃ成(な)しぬ良(ゆ)たしゃ、暑(あつぃ)さ

凉(すぃだ)ましゅる玉(たま)ぬ団扇(うちわ)。[蒲葵の葉どやすが もてなしの

よたしや暑さすだましゆる 玉の団扇]びろうの葉に過ぎないが、作りかたがよいの

で、暑さを柔らげる玉の扇である。

捩(む)でぃ餅(むち)⓪: (名) 祭祀用の餅の名。細長い餅にきなこをつけたもの。

ひねりもちの意だが、別にひねってはいない。あずきをまぶした、吹上(ふちゃ)ぎ、

という餅と形が似ている。

捩(む)でぃ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @(他)よじる。指先などでねじる。ひ

ねる。 ➁(自)ねじれる。よじれる。また、(人間が)ひねくれる。すねる。

持(む)てぃ分(わ)か⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) @手こずる。もてあます。 ➁

  特別待遇する。(客・子供などを)特に区別して遇する。

持耐(むて)えい栄(さけ)えい⓪: (副) 繁栄するさま。 @御真人(うまんちゅ)

や揃(する)てぃ神願(かみにげ)ゆ為侍(しゃび)ら、恵(みぐ)み有(あ)る御

世(みゆ)や持耐(むて)い栄(さけ)い。[お真人やそろて かめ願よしやべら 恵

みある御代や もたえさかえ]国中の人が揃って神に祈願をしましょう。恵みある御

代は栄えて行くのである。
持耐(むて)え⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @(体が)太る。 ➁茂る。繁茂する。 

B栄える。繁栄する。持耐(ぶて)えゆん、ともいう。

許(むとぅ)⓪: (名) [文]許(もと)。そば。 @親(うや)ぬ許((むとぅ)。/

親許。 @敵(てぃつぃ)ぬ許(むとぅ)。/敵のいる所。

元(むとぅ)⓪: (名) @元。元来。 @元(むとぅ)ぬ体(からた)。/元の体。 ➁

元(むうとぅ)、と同じ。

六年(むとぅ)@: (名) むとせ。六年。

‐本(むとぅ): (接尾) 株。本。もと。生えている植物を数える接尾辞。 @一本(ち

  ゅむとぅ)[一株]。

戻(むどぅ)い⓪: (名) 戻り。帰り。

最通(むとぅう)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) [最通しゆん]長続きさせる。永続

させる。続けて〜する。一つの仕事を長く続ける。一つの物を長く使うなど。 @彼

(あ)ぬ業(わじゃ)あ彼(あ)りが最通(むとぅう)し良(ゆ)う為(さ)ん。/

あの仕事は彼には長続きできない。 @彼(あ)ぬ女(うぃなぐ)とお最通(むとぅ

う)而居(ちょお)み。/あの女とは長続きさせているか。 @其(う)ぬネクタイ

許(びけえ)最通(むとぅう)ち使(つぃか)ゆん。/そのネクタイばかり続けて使

う。

最通(むとぅう)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 長続きする。永続する。続けて〜す

る。 @彼(あ)ぬ女(うぃなぐ)とお最通(むとぅう)而居(とお)み。/あの女

とは長続きしているか。 

‐戻(むどぅ)し: (接尾) 往復の回数を表す接尾辞。 @一戻(ちゅむどぅ)し[一

往復]、二戻(たむどぅ)し[二往復]など。

戻(むどぅ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) @戻す。返す。帰す。 @親(うや)ぬ

  言葉(くとぅば)戻(むどぅ)しゅん。/親のことばを返す。 B戻す。吐く。

牴牾(むどぅ)⁼ちゅん@: (他 ⁼かん、⁼ち) さからう。そむく。反抗し非難する。

「もどく」に対応する。 @牴牾(むどぅ)ち牴牾(むどぅ)からん。/(親などに)

さからおうとしてもさからえない。

元隣(むとぅどぅない)⓪: (名) もとの隣。昔の隣人。

元触合(むとぅびれ)え⓪: (名) 昔交際した人。昔なじみ。‐びれえ<触合(ふぃ

れ)え。

本部(むとぅぶ)⓪: (名) 本部。 ※「もとぶ」、国頭郡本部町に、本部という地名

  は存在しない。

本部崎(むとぅぶざち)⓪: (名) 本部崎。国頭地方の本部半島先端の岬。 ※現在

は、備瀬崎(びせざき)と呼ばれ、本部崎(もとぶざき)という人はいないようであ

る。

求(むとぅ)み⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) [文]求める。

戻(むどぅ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @戻る。帰る。行(い)ちゅん[行く]

の反対の運動を表すには、帰(けえ)ゆん、よりも、戻(むどぅ)ゆん、を多く持ち

いるようである。 ➁離縁となって里へ戻る。

悖(むどぅ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) もとる。そむく。反抗する。 @親(う

や)んかい悖(むどぅ)ゆん。/親にそむく。

戻動(むどぅ)る⁼ちゅん@: (自 ⁼かん、⁼ち) 「もどろく」に対応する。 @老衰

して視力が衰える。物がぼっとしか見えなくなる。 ➁決めかねる。判断に迷う。た

めらう。 

六七日(むなんか)@: (名) 六七日(むなのか)。死後42日目に営む法事。

物言(むに)い⓪: (名) 物言(むぬい)い、と同じ。首里(しゅい)物言(むに)

い、は首里風なことば使い。

物・者(むぬ)⓪: (名) (むん、ともいう。ただし@の意では、むぬ、を多く用い

る。なお接尾辞としては、‐むん、を用いる。) @食べ物。食事。飯。 @物(むぬ)

喰う(か)ぬん。/飯を食う。 @物(むの)お旨(まあ)さみ。/飯はうまいか。

病人を見舞う時のことば。食欲があれば病状がよいのでいう。 @物(むぬ)為(し

ゅ)ん。/食事のしたくをする。 ➁者。 @何処(まあ)ぬ者(むぬ)が。/どこ

の者か。 B物。物質。 Cもの。物事。事物。 @物覚(むぬう)びてぃから。/

物心がついてから。 @物(むの)お思(うま)あん。/ものを思わない。思慮がな

い。苦労がない。 @物(むぬ)知(し)ゆん。/物事の道理を知る。苦労する。 @

物(むぬ)知(し)らさりゆん。/罰せられる。 @物(むぬ)言(ぃや)しみらん。

/ものも言わせない。 @物(むの)お成(な)らん。/ものにならない。成功しな

い。 @物(むぬ)ん事(くとぅ)ん無(ねえ)ん。/なにもものを言わない。 @

物(むぬ)ん事(くとぅ)ん思(うま)あらん。/何事も思う余裕がない。どうして

いいかわからない。 @物(むの)お良(ゆ)う言(ぃゆ)る物(むん)。/(事実は

ことばの通りになるので)ことばは縁起よく言うべきものだ。 D魔物。もののけ。 

@物(むぬ)に持(む)たりゆん。/魔物につかれる。神隠しに会う。

‐物・者(むぬ): (接尾) [文]活用する語の「短縮形」(apocopated form)につく。 

@ものを。 @我身(わみ)ん諸共(むるとぅむ)に成(な)らん為(しゅ)者(む

ぬ)。[我身も諸共に ならんしゆもの。]私ももろともになろうものを。 ➁のに。 @

闇(やみ)ぬ夜(ゆ)ぬ烏(がらすぃ)鳴かん物(むぬ)知(し)ゆみ。[闇の夜の烏

が鳴かないのに、知るものか] Bから。ので。 @闇(やみ)ぬ夜(ゆ)ぬ人(ふ

ぃとぅ)ん寝静(にしじ)まてぃ居者(うぅむぬ)、御門(うじょ)に出(ぃん)じ召

(み)しょり語(かた)り欲(ぶ)しゃぬ。[闇の夜の人も 寝静まて居もの 御門に

出ぢみしやうれ 語れぼしやの]闇の夜で人も寝静まっているから、御門に出ていら

っしゃい。語りたいので。

物明(むぬあ)かせえ⓪: (名) 物を言い当てる遊び。考え物。なぞなぞ。

物惜(むぬあたら)しゃ⓪: (名) 物を大事にすること。大切にして惜しがること。 

@物惜(むぬあたら)しゃ為(しゅ)ん。/※動詞化。

物言(むぬい)い⓪: (名) ことばつき。ことば使い。

物言(むぬい)い方(かた)⓪: (名) ものの言い方。ことばの使い方。話し方。

物言(むぬい)い声(ぐぃい)⓪: (名) 話し声。話す声。 @太郎(たるう)物言

(むぬい)い声(ぐぃい)有(や)たん。/太郎の話し声だった。

物言(むぬい)い上手(じょおじ)⓪: (名) 物言い上手の意。挨拶・応対などがう

  まいこと。話し上手。

物言(むぬい)い態成(たな)り⓪: (名) ものの言いかた。ことばつき。話しぶり。

  態成(たな)り、は風采。

物言(むぬい)い泣(な)ち⓪: (名) ものを言いながら泣くこと。泣きながら言う

  こと。

物言(むぬい)い遅(にい)さん⓪: (形) (小児が)ことばを使い始めるのが遅い。

物言(むぬい)い始(はじ)み⓪: (名) 小児のことばの使い始め。

物言(むぬい)い笑(われ)え⓪: (名) 談笑。話したり笑ったりすること。

物求(むぬい)み⓪: (名) 食べ物を欲しがること。いみ‐<求(い)みゆん[催促

する]。

物要(むぬい)り⓪: (名) ものいり。入費。物要(むぬい)り目(み)、と同じ。

物要(むぬい)り目(み)⓪: (名) ものいり。いりめ。入費。大勢の来客など費用

のかかること。 

物怖(むぬう)じ⓪: (名) 物怖じ。物事をこわがり、恐れること。

物音(むぬうとぅ)⓪: (名) @物音。主として、不幸などを知らせる予言的な音を

いう。前兆となる音。きねの音・念仏鉦の音などは死の前兆、騒音は火事などの前兆

とされる。 @物音(むぬうとぅ)ぬ有(あ)たん。/前兆の音があった。 ➁病人

のある家などで、のこぎりの音・釘の音・その他縁起の悪い音を立てないようにする

こと。また、その期間。 @今(なま)物音(むぬうとぅ)有(や)ん。/今は音を

禁止する期間だ。 B海止(いんどぅ)み山止(やまどぅ)み、と同じ。

物落(むぬう)とぅし⓪: (名) 落とし物をすること。

物覚(むぬう)び⓪: (名) 物覚え。記憶。

物思(むぬうみ)い⓪: (名) 物思い。悲嘆に暮れること。

物思(むぬうみ)い擬(ぎ)さん⓪: (形) 物思いに沈むようすである。心配があり

そうである。 @物思(むぬうみ)い擬(ぎ)さくん無(ねえ)ん。/何の心配も知

らず、あどけない。無邪気である。

物語(むぬがた)い⓪: (名) 話。談話。物語は、昔物語(んかしむぬがたい)、とい

う。 @物語(むぬがた)い為(しゅ)ん。/話をする。

物語(むぬがた)い好(ずぃ)ち⓪: (名) 話し好き。

物乾(むぬが)りい⓪: (名) 豚の飼料。

物考(むぬかんげ)え⓪: (名) 思案。思索。 @物考(むぬかんげ)え為(しゅ)

ん。/※動詞化。

物乞(むぬくう)やあ⓪: (名) こじき。

物喰(むぬくぇ)え婿(むうく)⓪: (名) ごちそうにばかりになって結構な婿。婿

  は嫁の家で大事にされ、ごちそうになるばかりで結構だという時使う語。

物食乞(むぬくく)い⓪: (名) 物乞いをすること。

物含(むぬくく)ん喚(あ)びい⓪: (名) ふくみ声。口に何かふくみながら言うよ

  うな声。

物癖(むぬぐし)⓪: (名) 食物の好ききらいをすること。

物好(むぬじ)ち⓪: (名) 物好き。変わったものを好むこと。また、そのような者。

  物好(むんじ)ち、ともいう。

物知(むぬし)らし所(どぅくる)⓪: (名) 苦労を知らせるところ。苦労の多いと

ころ。また配所。 @高離(たかはな)り島(じま)や物知(むぬし)らし所(どぅ

くる)、既(にゃ)物(むぬ)知(し)有侍(やび)たん許(ゆる)ち給(たぼ)り。

[高離島や 物知らしどころ にや物知やべたん ゆるちたばうれ]高離島は苦しみ

を教える配所、もう充分苦しみました。許してください。 ※高離島は、うるま市の

宮城島のことである。

物(むぬ)知(し)らり⓪: (名) [文]案内を乞うこと。問いかけて、応対を乞う

こと。 @此(く)ぬ家戸(やどぅ)ぬ内(うち)に物(むぬ)知(し)らり為侍(し

ゃび)ら。[この宿のうちに 物しられしやべら(執心鐘入)]この家にいる方に案内

を乞うて泊めてもらいましょう。 ※執心鐘入(しゅうしんかねいり)は、玉城朝薫

(たまぐすくちょうくん)作の組踊である。

物知(むぬし)り⓪: (名) @物知り。博識な者。 ➁易者。

物装(むぬすが)い⓪: (名) 食事の支度。

物相談(むぬそおだん)⓪: (名) 相談。 @物相談(むぬそおだん)為(しゅ)ん。

  /相談する。

物(むぬ)ぬ跡(あとぅ)⓪: (名) 食後。

物吐(むぬは)ち欲(ぶ)しゃん⓪: (名) (形) 吐き気がする。胸がむかつく。

物欲(むぬふ)しゃ⓪: (名) 物を欲しがること。物欲しそうにすること。また、食

物を欲しがること。 @物欲(むぬふ)しゃ為(しゅ)ん。/※動詞化。

物欲(むぬふ)しゃ擬(ぎ)さん⓪: (形) 物欲しそうである。

物奉行(むぬぶじょお)⓪: (名) [古][物奉行]廃藩前の役名。財務長官に当たる。

十五人衆(じゅんぐにんしゅう)に属し、三人いた。

物迷(むぬまい)い⓪: (名) 精神異常で家出してゆくえ不明になること。神隠し。

魔物に迷う意。物(むぬ)に持(む)たりゆん、ともいう。

物見(むぬみ)⓪: (名) 物見。物見台。貴人の屋敷に設けられた。

物思顔(むぬみがう)⓪: (名) 心配顔。物案じ顔。 @何故(ぬが)すぃ玉黄金(た

まくがに)物思顔(むぬみがう)為而居(しちょ)る、夕(ゆ)び見(ん)ちゃる夢

(いみ)ぬ我肝(わぢむ)掛(か)かてぃ。[のがす玉黄金 物思顔しちよる 夕べ見

ちやる夢の 我肝かかて]愛児よ、どうして心配顔をしているか。昨夜見た夢がわた

しの気にかかる。

物読(むぬゆ)なあ⓪: (名) 物読(むぬゆ)まあ、と同じ。

物読(むぬゆ)まあ⓪: (名)おしゃべり。饒舌家。物読(むぬゆ)なあ、ともいう。

  ‐ゆまあ<読(ゆ)ぬん。

物弱擬(むぬよおぎ)さん⓪: (形) 物幼稚擬(むぬよおちぎ)さん、と同じ。

物幼稚擬(むぬよおちぎ)さん⓪: (形) (人・器物が)弱弱しい。きゃしゃである。

こわれそうに見える。物弱擬(むぬよおぎ)さん、ともいう。

物忘(むぬわすぃ)⓪: (名) 物忘れ。物忘(むんわすぃ)、ともいう。

物笑(むぬわれ)え⓪: (名) 物笑い。人に嘲笑されるようなこと。

揉(む)⁼ぬん@: (⁼まん、⁼でぃ) @(他)もむ。揉(みみ)じゅん、ともいう。 ➁

(自)もめる。 @夫婦達(みいとぅんだ)ぬ一件(いっちん)ぬ揉(む)而居(ど

お)ん。/夫婦間の事件がもめている。

無場(むばあ)⓪: (名) [無場] あいにくなこと。 @無場(むばあ)ぬ雨(あ

み)有(や)っさあやあ。/あいにくの雨だねえ。 @無場(むばあ)有(や)てぃ 

来(くう)ららん。/あいにく来られない。 ※普通は、来(く)ららん、と発音し 

そうだが、首里語はそうなのか、あるいは、ミスなのか。

無法(むふう)⓪: (名) 無法。規律などに反すること。 @無法(むふう)な者(む

ん)。/無法者。

謀反(むふん)@: @謀叛。 ➁反抗。 @謀反(むふん)な者(むん)。/反抗的な者。 

@背者(すぃいじゃ)んかい謀反(むふん)為(っし)。/兄に反抗して。

謀反人(むふんにん)@: (名) @謀叛人。 ➁反抗的な者。反逆的な者。

籾(むみ)@: (名) 籾。

揉(む)み事(ぐとぅ)⓪: (名) もめ事。争い事。

紅葉(むみじ)@: (名) [文]紅葉。沖縄では、櫨(はじ)[はぜの木]のほかには、

ほとんど紅葉するものがなく、年中青々としている。 @急(いす)ぐ道(みち)淀

(ゆどぅ)てぃ見(み)る程(ふどぅ)ん清(ちゅ)らさ、内兼久山(うちがにくや

ま)ぬ櫨(はじ)ん紅葉(むみじ)。[急ぐ道よどで 見る程もきよらさ 内兼久山

の 櫨の紅葉]内兼久山のはぜの木の紅葉は急ぐ道を立ち止まって見るほど美しい。 

※内兼久山(うちがねくやま)は、那覇市久米に存在した小さい丘。「内兼久山跡」と

いう看板がある。兼久は砂地のことで、文字通り「砂地の内の山」である。山はこの

場合、林の意味であろう。

木綿(むみん)⓪: (名) 木綿。

股(むむ)⓪: (名) 股(もも)。足の上部。 @股(むむ)ぬ付(つぃ)ち口(くち)。

/ももの付け根。

百(むむ)⓪: (名) [文]百。また、たくさん。 @生(な)し子(ぐぁ)振分(ふ

や)かりぬ百(むむ)ぬ苦(くり)しゃ。[なし子ふやかれの 百の苦れしや(銘苅子)]

生みの子と別れることの大きな苦しさよ。 ※銘苅子(めかるし)は、玉城朝薫(た

まぐすくちょうくん)作の組踊である。

山桃(むむ)@: (名) 楊梅。山桃。山桃(やまむむ)、ともいう。実は赤く、春の清

明祭(うしいみい)のころ盛りとなる。美味で、塩漬けにして、年中、茶請けにする。

中頭郡越来村の山内および諸見里あたりに多く産する。桃(水蜜桃)は、毛桃(きい

むむ)、という。 ※中頭郡越来村は、現在の沖縄市。「沖縄語辞典」の時代を感じさ

せる。 *混効験集:乾巻・飲食に、ももああすへ、とある。

百(むむ)‐: (接頭) [文]百、または、多くの・大いになどの意を表す接頭辞。 

@百年(むむとぅ)、百按司(むむじゃな)[多くの按司]、百(むむ)隠(かく)し隠

(かく)し[ひた隠しに隠して]など。 ※もも、はおもろさうしの頻出語である。

山桃売(むむう)い姉小(あんぐぁあ)⓪: (名) 楊梅(むむ)を売る娘。宜野湾村

  の大山、真志喜あたりの娘たちが買い出しに行き、首里・那覇などを売り歩いた。

桃御菓子(むむうくぁあし)@: (名) 桃の形に作った祭祀用の菓子。

百(むむ)隠(かく)し隠(かく)し⓪: (副) [文]ひた隠しに隠して。 @八(や)

つぃ俣(また)ぬ倉(くら)に百(むむ)隠(かく)し隠(かく)し有(あ)る事(く

とぅ)ゆ聞(ち)きば。[八つ俣の倉に もも隠し隠し あることよ聞けば(銘苅子)]

八つまたの高倉に(羽衣が)ひた隠しに隠してあることを聞いたので。※銘苅子(め

かるし)は、玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)作の組踊である。

百果報(むむがふう)⓪: (名) [文]たくさんの果報。大きな幸運。 @夢(いみ)

やちょん見(ん)だん百果報(むむがふ)どぅ着(つぃ)ちゃる。[夢やちやうん 見

だぬ 百果報どつちやる(銘苅子)]夢にも思わない、大きな幸運が舞い込んだ。 ※

銘苅子(めかるし)は、玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)作の組踊である。 *混

効験集:乾巻・言語に、ももかほうしやへて、とある。

百按司(むむじゃな)⓪: (名) 多くの按司(あじ)の意。‐じゃな、は、女按司(う

ぅなじゃら)、若按司(わかじゃら)の、‐じゃら、と同じく按司の意。 @百按司(む

むじゃな)ぬ墓(はか)。/今帰仁村運天にある百按司の墓。 *混効験集:坤巻・人

倫に、ももぢやら、とある。おもろさうし・259に、もゝぢやら、とある。

股沁(むむす)っくぁあ⓪: (名) (長く歩いたあとなどに)股が痛むこと。

百田紙(むむだかび)⓪: (名) [百田紙]紙の一種。大きさは半紙よりやや大きく、

美濃紙よりやや小さい。こうぞ[紙木(かびぎ)]製。役所の記録用などに用いた最も

普通の紙。百田紙(ひゃくだし)、ともいう。

百命(むむち)⓪: (名) [文]命。 @鳥(とぅい)ん鳴(な)ち染(すぃ)みて

ぃ明雲(あきぐむ)ん立(た)ちゅい、今又(にゃまた)何時(いつぃ)拝(うぅが)

でぃ百命(むむち)延(ぬ)びゅが。[鳥も鳴きそめて 明雲も立ちゆり にやまた何

時をがで 百き延びゆが]鳥も鳴きはじめて夜明けの雲も立っている、今度はいつお

会いして命を延ばせるだろうか。

百年(むむとぅ)⓪: (名) [文]百年。また、百歳。むむ、は「百(もも)」、‐と

ぅ、は、ちゅとぅ(一年)、たとぅ(二年)などと同様、年を表す接尾辞。 @百年(む

むとぅ)何時(いつぃ)迄(までぃ)ん。/[ももといつまでも]百歳までも。 *

混効験集:坤巻・言語に、ももと、とある。

股貫(むむぬ)ち⓪: (名) ももひき。

股枕(むむまっくぁ)⓪: (名) ひとのももを枕にすること。ひざ枕。

守(む)やあ⓪: (名) @子もり。子もりをする者。子守(っくぁむ)やあ、ともい

う。 ➁かつて、自分の子もり[子守(っくぁむ)やあ]、であった者。

蠢蠢(むやむや)@:  (副) 蠢動するさま。虫などがむらがって動くさま。うよう

よ。 @蠢蠢(むやむや)為(しゅ)ん。/※動詞化。

最寄(むゆ)い@: (名) 最寄り。近くの便利なところ。 @最寄(むゆ)いぬ場所

(ばしゅ)。/最寄りの場所。 @最寄(むゆ)いに集(あつぃ)まり。/それぞれの

最寄りの場所に集まれ。

無用(むゆう)@: (名) 無用。 @無用(むゆう)な。/無用な。

無用事(むゆうぐとぅ)⓪: (名) 無用な事。

催(むゆう)し@: (名) @催し。企てて行う行事。 ➁きざし。 @産催(さんむ

ゆう)し、は産気づくこと。

催(むゆう)⁼しゅん@: (⁼さん、⁼ち) @(他)催す。催し物をする。 ➁(自)き

ざす。(病気などが)発生しかかる。(便意などを)催す。 @瘡(かさ)ぬ催(むゆ

う)而居(ちょお)ん。/できものができかかっている。

無欲(むゆく)@: (名) 無欲。欲のないこと。 @無欲(むゆく)な者(むん)。/

欲のない者。

漏(む)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 漏る。すきまから漏ってこぼれる。

捥(む)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) (果実を)もぐ。

盛(む)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 盛る。盛り上げる。飯を盛る意では、入(い)

りゆん、という。

守(む)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 子もりをする。 @子(っくぁ)守(む)ゆ

  ん。/子供のもりをする。

模様(むよお)@: (名) @模様。様子。状態。 ➁模様。織物・染物などの模様。

村(むら)@: (名) 村。村落。もと、間切制の時には、間切(まぢり)、の中の個々

の村落が行政上の、村(むら)、であった。市町村制になってからは、一つの間切、あ

るいは、間切をいくつか合わせたものや間切を二分したものなどが行政上の村となっ

た。

村遊(むらあすぃ)び@: (名) 村芝居。旧暦8月15日の夜などに、各村で催した。

村井戸(むらがあ)@: (名) 村の共同井戸。

村学校(むらがっこお)@: (名) [村学校]首里・那覇の各村に置かれていた学校。

もっぱら漢籍を教えた。また、その村の事務所を兼ねていた。

村頭(むらがしら)@: (名) [村頭]村がしら。任命制である、掟(うっち)、に対

し、村民の代表となる者。部落代表。惣頭(すうがしら)[部落全体の代表]、組頭(く

みがしら)[組ごとの代表]よりなる。また、首里の村がしらは、地頭(じいがしら)、

といった。

村鉦(むらがに)@: (名) どら(銅鑼)。形はいろいろあるが、丸い盆の形のものが

多く、ばちで打ち鳴らす。綱引き(つぃなふぃち)その他の催し物の時、打って気勢

を添える。

村事(むらぐとぅ)@: (名) 村全体の事件。また、村のためにする事。

村具物(むらぐむつぃ)@: (名) 村有物。

村境(むらざけえ)@: (名) 村境。村界。

紫(むらさち)⓪: (名) 紫。色の名。 *混効験集:坤巻・言語に、むらさきのあ

や雲、紫ののち雲、とある。 *おもろさうし・522に、むらさきの、あやくも、

および、むらさきの、のちくも、とある。 ※のち雲は、おそらく、命雲のことであ

ろう。

紫冠(むらさちはちまち)⓪: (名) 紫のかんむり。按司(あじ)、が用いる。冠(は

ちまち)、の項参照。

村中(むらじゅう)⓪: (名) 村中。村全体。 @村中(むらじゅう)ぬ人(っちゅ)。

  /村中の人。 @村中(むらじゅう)ぬ吟味(ぢんみ)。/村全体の協議。

村揃(むらずり)い@: (名) 村中の人が集まること。村民の集会(すりい)。

村外(むらはじ)し@: (名) 村はずれ。

村払(むらばれ)え@: (名) 村払いの意。村から追放すること。悪事を働いた者な

どをその家族とともに村から追放したもの。

村持(むらむ)ち@: (名) 費用を村で負担すること。村もち。官持(くぁんむ)ち

  [政府負担]、胴持(どぅうむ)ち[自己負担]などに対する。

村家(むらやあ)@: (名) [村屋]村役場。村の事務を執った所。

村宿(むらやあどぅ)@: (名) [村宿]各村の人が首里・那覇に出た時、泊まる宿。

各村ごとに宿が決まっていた。村の指定の宿。

無理(むり)@: (名) 無理。 @無理(むり)な事(くとぅ)。/無理なこと。 @

無理(むり)に働(はたら)ちゅん。/無理に働く。 @無理(むり)為(すぃ)る

な浮世(うちゆ)情(なさき)許(ばかり)。[無理するな浮世 情ばかり]無理する

な、浮世は情に満ちている。

漏(む)り⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @(光・うわさなどが)漏れる。水につい

ては多く、漏(む)ゆん、というようである。 ➁脱落する。行き渡らない。

諸(むる)@: (副) @皆。全部。 @諸(むる)芽而居(みいとお)ん。/全部生

えた。 @此(く)っささあに諸(むる)有(や)ん。/これで全部だ。 ➁まるで。

全く。全然。 @諸(むる)知(し)らん。/全く知らない。

諸石(むるさあ)返(げえ)やあ⓪: (副) ごろごろ。かたまりがあるさま。 @石

(いし)ぬ諸石(むるさあ)返(げえ)やあ為居(しょ)る道(みち)。/石がごろご

ろしている道。 @餅(むち)ぬ諸石(むるさあ)返(げえ)やあ為(っし)旨(ま

あ)こお無(ねえ)らん。/餅にかたまりがあっておいしくない。

諸石(むるし)@: (名) かたまり(塊)。

諸石(むるし)返(げえ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) かたまりができる。かたま

りがある。 @諸石(むるし)返(げえ)而居(とお)る御粥(うけえ)。/ごろごろ

かたまりのあるおかゆ。

諸掠切(むるどぅっち)り@: (名) かすり模様[掠切(とぅっち)り]だけの布地。

他の縞のまざらないもの。女の着物にする。那覇では、崩(くじ)り格子(ごおし)

い、という。[※沖縄語辞典、「くじりごおいしい」となっている。]縞の間にかすりの

あるものには、綾(あや)ん中(なあか)あ、という。

諸共(むるとぅむ)@: (名) [文]もろとも。口語では、一緒(まじゅん)、という。

諸直(むるのお)い@: (名) 全治。病気の全快。

諸白(むるはく)@: (名) 諸白(むるふぁく)、と同じ。

両足(むるびしゃ)@: (名) 両足。

諸帆(むるふ)@: (名) [文]諸帆の意。両方の帆。片帆(かたふ)、に対する。そ

の項参照。

諸刃(むるふぁ)@: (名) 両刃。

諸白(むるふぁく)@: (名) 諸白(もろはく)。最上等の酒。諸白(むるはく)、と

もいう。

醪(もろみ)⓪: (名) もろみ。酒・しょうゆのもろみ。

諸忘(むるわすぃ)い@: (名) 丸忘れの意。すっかり忘れること。

醪甕(むるんがあみ)⓪: (名) もろみを入れるかめ。

諸見里(むるんざとぅ)⓪: (名) 諸見里。 ※「もろみざと」、沖縄市の地名。

物(むん)⓪: @(名)物(むぬ)、ともいう。その項参照。 @物(むん)成(な)ゆ

ん。/イ・成人する。人となる。立派になる。ロ・(腫れ物が)大きくなり、かさに

なる。ハ・熟する。 @物(むん)成(な)しゅん。/イ・人となす。成功させる。

ロ・熟させる。 @物(むん)習(なら)あしゅん。/しつける。家庭で礼儀作法を

教える。 @物(むん)習(なれ)え果(は)てぃてぃんでぃちぇえ無(ねえ)ん。 

/ものを学び尽くすということはない。 ➁(接尾)物・者・食物・食事などの意。 

@洗(あれ)え物(むん)、直(のお)い物(むん)[縫物]、調(しら)び物(むん)、

早朝(すとぅみてぃ)物(むん)[朝飯]、弱(やふぁ)ら者(むん)[体の弱い者]、

胴一人(どぅうちゅい)者(むん)[ひとり者]など。

門(むん)⓪: (名) [文]門。普通は、門(じょお)、という。

紋(むん)⓪: (名) 紋。家の紋所。

むん⓪: (助)よ。もの。さ。「連体形」に付く。 @行(い)ちゅるむん。/行くよ。 

@行かんむん。/行かないさ。

物変(むんが)わい@: (名) 貨幣価値の変更。平価切り下げ(切り上げ)。

者小(むんぐぁあ)⓪: (名) ちび。小さい者。おとなで体の小さい者をいう。

門口(むんぐち)@: (名) 木戸口。芝居の入り口。

文言(むんぐん)⓪: (名) [文言]文章。論文。 @文言(むんぐん)作(つく)

ゆん。/作文する。 @文言(むんぐん)書(か)ちゅん。/文章を書く。

物好(むんじ)ち⓪: (名) 物好(むぬじ)ち、と同じ。

物触(むんじゃあ)い⓪: (名) かぶれてなる皮膚病。蕁麻疹。風折居物(かじょお

りむん)、のたぐい。むん、は魔物の意。

麦藁(むんじゅる)⓪: (名) 麦わら。麦わら帽子をもいう。

麦藁(むんじゅる)う⓪: (名) 麦わらで作った笠。

麦藁笠(むんじゅるがさ)⓪: (名) 麦わらで作った笠。

物企(むんだく)ん⓪: (名) 悪だくみ。謀略。

百浦添(むんだすぃい)⓪: (名) 首里城の建物の名。御城(うぐすぃく)、の項参照。 

*混効験集:乾巻・家屋に、もんだすい、とある。

物種(むんだに)⓪: (名) 餌。漁猟などで用いる餌。

悶着言(むんちゃくい)@: (名) 悶着。もめごと。

物種(むんちゃに)⓪: (名) 農作物の種。種子。

者小(むんちゃん)⓪: (名) ちび。小人(こびと)。また、小さい子供など。

門中(むんちゅう)@: (名) [門中]一族。一門。一族中。

門中揃(むんちゅうずり)い@: (名) 一門全体の集会。揃(すり)い、は集会。

門中墓(むんちゅうばか)@: (名) 一門の共同の墓。

物嫌(むんぢれ)え⓪: (名) 病気の時、食べてはいけないとされるもの、また、食

  べてはいけないと禁じられること。

物賃(むんちん)@: (名) 木戸銭。芝居などの入場料。

紋付(むんつぃき)⓪: (名) [新?]紋付。紋付の羽織。

問答(むんどお)⓪: (名) [問答]口論。いさかい。けんか。 @問答(むんどお)

ぬ兄上(あひゃあ)。/けんかの発頭人。

問答返答(むんどおふぃんどお)⓪: (名) けんか口論。いざこざ。 @問答返答(む

んどおふぃんどお)為(しゅ)ん。/※動詞化。

揉朽(むんなく)⓪: (副) もみくちゃ。くしゃくしゃ。 @揉朽(むんなく)成而

居(なとお)る紙(かび)。/しわくちゃの紙。

揉朽(むんな)苦朽(くぁんな)⓪: (副) 揉朽(むんなく)苦朽(くぁんなく)、と

  同じ。

揉朽(むんなく)苦朽(くぁんなく)⓪: (副)もみくちゃ。くしゃくしゃ。揉朽(む

んな)苦朽(くぁんな)、ともいう。 @揉朽(むんなく)苦朽(くぁんなく)成而居

(なとお)ん。/もみくちゃだ。

百次(むんなみ)⓪: (名) 首里城の建物の名。御城(うぐすぃく)、の項参照。 *

  混効験集:乾巻・家屋に、もんなみ、とある。

物習(むんなら)あし⓪: (名) 家庭での教育。しつけ。家庭で礼儀作法などを教え

  ること。

物習(むんなれ)え⓪: (名) 礼儀作法を学ぶこと。しつけを受けること。

物(むん)ぬ当(あ)てぃ⓪: (名) 思慮。用心深さ。危険に対する用心。いざとい

う時の心がまえ。 @物(むん)ぬ当(あ)てえ無(ねえ)ん。/危ないことを恐れ

る心がない。危険を知らない。

物(むん)ぬ後(あとぅ)⓪: (名) 物(むぬ)ぬ後(あとぅ)、と同じ。

物(むん)ぬ入(い)り不平(ふい)⓪: (名) 食べ物の好ききらい。食べ物の不平。

魔物(むん)除(ぬ)き物(むん)⓪: (名) 魔よけ。護符。お守り。

物(むん)ぬ強口(ごおぐち)⓪: (名) 食べ物の不平。

物(むん)ぬ時分(じぶん)⓪: (名) 食事時。時分時。

物(むん)ぬ前(めえ)⓪: (名) 食事の前。食前。

物(むん)ぬ欲(ゆく)⓪: (名) 食べ物に関する欲望。食欲。食欲(しゅくゆく)、

ともいう。色欲(いるゆく)、持(む)ち欲(ゆく)[物欲]とあわせて、三欲(さん

ゆく)、という。健康の目安としての食欲の意ではあまり用いない。病後に起きる食欲

は、盛立(さかだ)ち、という。

紋羽(むんぱ)⓪: (名) 紋羽。裏地に使用する木綿の厚い布。

門番(むんばん)@: (名) [文・新]門番。普通には、門番(じょおばあん)、とい

う。 

匁(むんみ)@: @(名)量目。匁で計る重さ。 @匁(むんみ)ぬ有(あ)み。/量

目はあるか。 ➁(接尾)〜匁。 @一匁(いちむんみ)、二匁(にむんみ)など。 ※

一匁は、3,75g。現在の五円玉は、ちょうど一匁の重さである。

物忘(むんわすぃ)⓪: (名) 物忘(むぬわすぃ)、と同じ。