表紙 前文

 

 ?あ ?い 'い ?う 'う ?え 'え ?お 'お             

 

   ?い      [子音音素(?)があることを示す。]

 

(御)い⁼: (接頭)[文] 美称の接頭辞。名詞に付き、意味に特殊な価値を添える。

@御語(いかたれ)え。/男女の語らい。 @御言葉(いくとぅば)。/古老のことば、

言い伝え。 @御話(いふぁなし)/説話。など。

いい@ (感) (普通、鼻音化して発音する。鼻音化しないとぞんざいに聞こえる)は

い。そう。ああ。目下に対して、承諾・同意を表し、肯定する語。目下に呼ばれて返

事をする場合は、ひい、という。ひい、うう、おお、んん、などの項参照。

胃(いい)⓪: (名)[新?] 胃。豚などの胃には、大貝(うふげえ)、という。

胆汁(いい)⓪: (名) 人畜の胆汁。

言(い)い合(ああ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 相談する。談合する。話し合っ

て決める。 @此間(くねえだ)言(い)い合(ああ)ちゃる如(ぐとぅ)やあ。/

こないだ相談して決めたようにね。

言(い)い当(あ)てぃ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 言い当てる。

言(い)い入(い)り⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 説得する。言って聞かせ、説得

  させる。

言(い)い置(う)ち@: (名) 言い置き。るすの時言い残しておくこと。

言(い)い置(う)⁼ちゅん@: (他 ⁼かん、⁼ち) 言い置く。言い残しておく。

衣桁(いいかあ)⓪: (名) 衣桁。着物をかけておくもの。

言(い)い掛(か)き@: (名) 言いかけ。話のなかば。

言(い)い掛(か)き⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 言いかける。言いはじめる。

イイク⓪: (名) 植物名。もっこく。良材となり、また、樹皮から茶褐色の染料をと

  る。

言(い)い喰合(くぁあえ)え⓪: (名) 言い合い。口げんか。論争。

言(い)い強(ぐぁあ)さ@: (名) 言い過ぎ。ひどい言い方。

諾呉(いいくぃ)い@: (名) 縁談。いい、は承諾の意または話しかける意。くぃい、

は、くれる(与える)意で、申し込まれて、与えるという意か。 ※これは、良(い)

い声(くぃい)ではないかと思う。

 言(い)い抉(くじ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 中傷する。けなす。 ※抉(く

  じ)るは、竹取物語にも登場する共通語である。

イイク柱(ばあや)⓪: (名) イイク(もっこく)の柱。良材として尊重される。

言(い)い返(けえ)し返(げえ)し@: (副) 何度もくりかえして言うさま。くど

くど。 @同(い)ぬ事(くと)お言(い)い返(けえ)し返(げえ)しっ為(し)。

/同じことを何度もくどくど言って。

言(い)い返(けえ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) (前言・約束・商談などを)取

  り消す。

投返(いいけえ)ら⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) (容器内のものを)あける。(容

  器を傾けて中身を全部)こぼす。投放(いいほお)ゆん、ともいう。

投返(いいけえ)り⁼ゆん⓪: (名) (自 ⁼らん、⁼てぃ) (容器が傾いて中身が全

部)こぼれる。

言(い)い下(さ)ぎ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) こきおろす。

伊江島(いいじま)⓪: (名) 伊江島。沖縄本島本部崎西方にある島。 ※「いえじ

ま」、島全体で、国頭郡伊江村である。 *おもろさうし・815に、いへ、とある。

伊祖(いいず)⓪: (名) 伊祖。 ※「いそ」、浦添市の地名である。

言(い)い過(すぃ)じ@: (名)[文] 言い過ぎ。

言(い)い過(すぃ)じ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 言い過ぎる。

言(い)い廃(すぃった)らき⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 言(い)い廃(すぃた)

  らしゅん、と同じ。

言(い)い廃(すぃた)ら⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) けなす。悪く言う。言(い)

い廃(すぃった)らきゆん、ともいう。 

飯笥(いいぜえ)⓪: (名) [飯匙]しゃもじ。 ぜえ<笥(けえ)[さじ]。首里の

  上品な語で、いなかでは、飯笥(みしげえ)という。

言(い)い立(だ)たあしゃん@: (形) 言い方が仰々しい。言い方が大げさである。

言(い)い立(だ)てぃ@: (名) 大げさな言いかた。誇張した表現。 @其(う)

  れえ言(い)い立(だ)てぃやあ。/それは大げさだよ。

言(い)い立(た)てぃ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 言い立てる。言って騒ぐ。ま

た、大げさに言う。誇張する。 @何(ぬう)ん有(あ)らん事(くとぅ)言(い)

い立(た)てぃゆん。/何もないこと(根も葉もないこと)を言い立てる。 @僅(わ

ずぃ)かな事(くと)お言(い)い立(た)てぃてぃ。/わずかな事を大げさに言っ

て。

息(いいち)⓪: (名) 息。呼吸。 @息(いいち)為(しゅ)ん。/息をする。呼

吸する。 @息(いいち)帰(けえ)ゆん。/息を吹き返す。気絶から蘇生する。 @

息(いいち)途切(とぅっち)ゆん。/息をつまらせる。むせる。喉途切(ぬうでぃ

いとぅっち)ゆん、ともいう。 @息吹(いいちふ)ちゅん。/激しく呼吸する。(走

ったあとなどに)あえぐ。 @息(いいち)ふぇえふぇえ。/あえぎあえぎ。

息欠伸(いいちあくび)⓪: (名) 息とあくび。次のような句で用いる。 @息欠伸 

(いいちあくび)ん成(な)らん。/息もあくびもできない。少しの余裕もない。 @

息欠伸(いいちあくび)ん為(し)みらん。/息もあくびもさせない。息つく暇も与

えない。

息噤(いいちぐ)ん⓪: (名) (水にもぐる時などに)しばらく息を止めておくこと。

息替(いいちげえ)い⓪: (名) @息をつぐこと。息がえの意。 @息替(いいちげ

え)い為(しゅ)んでぃ浮上(うちゃが)たん。/息をつぐために(水中から)浮き

あがった。 ➁息ぬき。一息入れて休息すること。 @忙(いちゅな)さぬ息替(い

いちげえ)いん成(な)らん。/忙しくて息ぬきもできない。

言(い)い捲(ちく)なあ⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 言いまくる。言い負かす。

息惑(いいちまでぃ)い⓪: (名) 窒息。までぃい、は失う意の接尾辞。

息目(いいちみい)⓪: (名) 空気孔。息をするための穴。虫を入れた箱にあける穴

  など。

糸(いいちゅ)⓪: (名) 絹。糸(いとぅ)ともいう。 @糸(いいちゅ)びたびた

甲斐絹(かいき)ほろほろ。/絹は柔らかくびたびたと肌に気持ちよく触れ、甲斐絹

はほろほろと衣ずれの音をたてて気持ちがよい。

糸糸(いいちゅいいちゅ)う⓪: (名) 絹糸。

糸(いいちゅ)う⓪: (名) 糸。普通には木綿糸をさす。

糸着物(いいちゅじん)⓪: (名) 絹の着物。

言(い)い切(ち)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼っち) ののしる。きめつける。極言する。

極端に悪く言う。

言(い)いっ過(くぁ)@: (名) 言い過ぎ。失言。 @言(い)いっ過(くぁ)為

  (しゅ)ん。/※動詞化。

言(い)い付(つぃ)き@: (名) 言い付け。命令。

言(い)い付(つぃ)き方(がた)⓪: (名) 指揮。指図。

言(い)い付(つぃ)き⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 命令する。言い付ける。

言(い)い音(とぅ)⓪: (名) 労働の時のかけ声のこと。また、労働歌。 @言(い)

い音(とぅ)ん為(しゃ)んせえ坊主(ぼおじ)ぬ懇(にんぐ)る。/かけ声もかけ

ないのは僧侶の情婦。

既(いい)な⓪: (副) はや。もう。そんなに早く。 @既(いい)な行(ん)じ来

(ち)い。/もう行って来たか。 *混効験集:坤巻・言語に、いな、とある。 *

おもろさうし・981に、いな、とある。

言(い)い流(なが)し流(なが)し@: (副) 口でばかり言って実行にうつさない

さま。 @言(い)い流(なが)し流(なが)しっ為(し)未(なあ)だ為(せ)え

無(ね)えん。/口でばかり言っていて、まだしてはいない。

既(いい)なぬ早(ふぇ)え⓪: (副) はや。もう。そんなに早く。既(いい)な、

と同じ。 @既(いい)なぬ早(ふぇ)え起(う)きとおさ。/もう起きてるよ。

言(い)い習(ならあ)し⓪: (名) しつけ。ふだんの教育。 @言(い)い習(な

  らあ)しぬ悪(わっ)さん。/しつけが悪い。

言(い)い習(ならあ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) しつける。礼儀・作法などを

教える。

言(い)い残(ぬく)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 言い残す。

言(い)い直(のお)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) @言い直す。前言を訂正する。  

  ➁ひとりが縁起の悪いことを言った時、他のひとりがいい意味に言い直す。

言(い)い張(は)い@: (名) 言い張ること。言い張って口論すること。

言(い)い張(は)ゆん@: (他 =らん、⁼てぃ) 言い張る。あくまで主張する。

指(いいび)⓪: (名) 指。 @指吹(いいびふ)ちゅん。/指笛を吹き鳴らす。人

さし指を曲げて口の中に入れて鳴らす。いなかなどで事件があった時若者を呼び集め

るためなどに鳴らす。

いいひい⓪: (名) @(鼻音化する。) 目下または、きわめて親しい同年の者に対す

ることば使い。肯定のときには、いい(鼻音)と言い、呼ばれた時には、ひい(鼻音)

と答える話し方。親しい同年の間柄どうしでは、互(たげ)えにいいひい、となる。

@良(ゆ)かっ人(ちょ)お百姓(ひゃくしょお)んかええ諸(むる)いいひい為(し

ゅ)たん。/士族は平民に対してあらゆる場合にイーヒーしたものだ。 ➁(鼻音化

しない)軽蔑した物言い。高慢な話し方。 @如何(いか)に何(ぬう)やてぃん、

いいひいっ為(し)。/いくらなんでもそんな軽蔑した話し方をして。

指折(いいびうう)い⓪: (名) 指折り数えること。 @指折(いいびうう)い為(し

ょお)てぃ待(ま)ちゅん。/指折り数えて待つ。 @指折(いいびうう)いっ為(

し)数(かずう)ゆん。/指折り数える。

指金(いいびがに)い⓪: (名) 指輪。指和(いいびなぎ)い、というのが普通。

指先(いいびざち)⓪: (名) 指先。

指和(いいびなぎ)い⓪: (名) 指輪。 ※源氏物語には、「ゆびわ」という語がでて

こない。その他の平安文学にもおそらく登場しないと思う。

指抜(いいびぬ)ち⓪: (名) @指さすこと。指さして指摘すること。 @指抜(い

いびぬ)ち為(しゅ)ん。/指さす。 ➁(指さして)非難面責すること。 @指抜

(いいびぬ)ち為(さ)りゆん。/非難のまとになる。後ろ指をさされる。

指(いいび)ぬ股(また)⓪: (名) 指のまた。指と指との間。

指判(いいびばん)⓪: (名) 拇印。指先に朱肉や墨を塗って印鑑がわり押すこと。

指弾(いいびばん)ち⓪: (名) @つまびき。琴・三味線の類を指先でひそかに弾く

こと。 ➁指先ではじくこと。

いいひゃあ@: (感) ののしって返事する語。けんか口論の時などに使う。 @いい

ひゃあ、あしひゃあ。/そうだ、このやろう。あしひゃあ、もけんか口論の時の応対

の語。 @いいひゃああしひゃあ為(しゅ)ん。/(けんか口論で)ののしる。

指(いいび)ん子(ぐぁ)あ⓪: (名) 小指。

良(い)い報(ふ)⓪: (名) 大雨などで濁水が運んで来た土。多くは肥えている。

  流出土。

言(い)い開(ふぃ)らち@: (名) 言い開き。申し開き。弁明。 @言(い)い開

(ふぃ)らち為(しゅ)ん。/※動詞化。

言(い)い広(ふぃる)ぎ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 言いふらす。吹聴する。

イイブウ⓪: (名) 魚名。とびはぜ。 @イイブウさあにタマン釣(つぃ)ゆん。/

えびで鯛を釣る。

イイブウジラア⓪: ⓪: (名) かまきり。 @イイブウのような顔をしている、と

  いう意味らしい。

位牌(いいふぇえ)⓪: (名) 位牌。普通は、御位牌(ういいふぇえ)という。また、

御霊前(ぐりいじん)ともいう。文語では、位牌(いふぇえ)という。

位牌字(いいふぇえじい)⓪: (名) 戒名。法名。位牌に書いてある字の意。

位牌抱(いいふぇえだ)ちゃあ⓪: (名) 喪主。あとを継ぐ者がこれに当たる。葬式

  の時、位牌のあとに従って行く。位牌を抱く者の意。

言(い)い欲(ぶ)しゃ勝手(かってぃ)い⓪: (名) 言いたい放題。 @彼(あ)

んし言(い)い欲(ぶ)しゃ勝手(かってぃ)い為(し)いねえ事(くと)お纏(ま

とぅ)まゆる物(むの)お有(あ)らん。/そう言いたい放題のことを言っては事は

まとまるものではない。

言(い)い欲(ぶ)しゃ皇帝(ふんでえ)⓪: (名) 言いたい放題。言(い)い欲(ぶ)

しゃ勝手(かってぃ)い、ともいう。 ※混効験集:坤巻・言語に、ほんたい、とあ

り、福建省で皇帝と書いてそういう、という註がある。皇帝はわがままらしい。

良(い)い報負(ふま)き⓪: (名) いいふ(大雨などで濁水が運んで来た土)に皮

  膚が触れてかぶれること。かゆくなり皮膚にぶつぶつができる。

言(い)い分(ぶん)@: (名) 言い分。 @吾言(わあい)い分(ぶの)お。/

  私の言い分は。 @彼(あ)りが言(い)い分(ぶん)に。/彼が言うには。

投放(いいほお)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) (入っているもの全部を)勢いよく

  あける。ぱっとあける。投返(いいけえ)らしゅん、ともいう。

言(い)い回(まあ)ら⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 言いまぎらす。言いぬける。

ことば巧みにごまかす。

言(い)い負(ま)か⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 言い負かす。論破する。

言(い)い負(ま)かせえ⓪: (名) 論争。言い負かし合い。

言(い)い負(ま)き⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 言い負ける。論破される。

言(い)い曲(ま)ぎ⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @歪曲して言う。 ➁相手をこ

  とばで押さえつけて、ものを言わせないようにする。

言(い)い間違(まちげ)え@: (名) 言い間違い。言いそこない。

言(い)い紛(まんぐぁ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 言いまぎらす。

言(い)い破(や)ん⁼じゅん@: (他 ⁼だん、⁼てぃ) @言いそこなう。へたな言い

方をする。 ➁人を中傷して悪く言う。けなす。

魚(いいゆ)ぬ目(みい)⓪: (名) 幼児の遊戯の名。「むすんでひらいて」のたぐい。

魚の目を指さすつもりの文句があるのでいう。文句と動作は次のとおり。 @魚(い

いゆ)ぬ目(みい)魚(いいゆ)ぬ目(みい)[左の手のひらに右の人さし指を二度あ

てる]、耳(みいみ)揉(んめ)え耳(みいみ)揉(んめ)え[左右の耳を引っぱる]、

肘(ふぃいじ)ん平(とお)肘(ふぃいじ)ん平(とお)[左右のひじを交互に左右の

手のひらに乗せる]、精医者(しいやあぶう)精医者(しいやあぶう)[体を左右に動

かす]。 ※まったくの私見であるが、この童謡は、医者(やぶう)が病人を見る動作

を遊戯にしたものではないかと思う。みいみんめえは、耳の前ではなく、耳をもめ、

の意味だと思う。この童謡は映画「ホテル・ハイビスカス」に登場した。なお「ホテ

ル・ハイビスカス」のロケ地は私のふるさと周辺である。

言(い)い様(よお)@: (名) 言いよう。言い方。 @言(い)い様(よお)ぬ有

(あ)れえ聞(ち)ち様(よお)ん有(あ)ん。/言いようがあれば聞きようもある。

よく言えばよく聞かれ、言いようによって聞きようも違ってくる。

イイラア⓪: (名) くらげの一種。かつおのえぼし。泳いでいる人を刺す。イラアと

  もいう。刺された場合には、シイクァアシャア(橘)の汁をつける。

言(い)い分(わ)き@: (名) 言いわけ。弁解。また、陳謝。あやまること。 @ 

言(い)い分(わ)き為(しゅ)ん。/※動詞化。

言(い)い分(わ)き⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 弁解する。言い分けをいう。あ

やまる。また、わかるように筋をたてて言う。言(い)い分(わ)き為(しゅ)ん、

ともいう。

胃腸(いいわた)⓪: (名) 腸。

言(い)い渡(わた)し⓪: (名)[文] 言い渡し。命令。布告。

言(い)い出(んじゃ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 言い出す。 @言(い)い出

  (んじゃ)し苦(ぐり)しゃん。/言い出しにくい。

祝(いうぇ)え⓪: (名) 祝い。 御祝(ゆううぇ)え、ともいう。

イカ@: (名) いか(烏賊)。いちゃ、ともいう。

言我張(いがあは)い@: (名) 口論。言い争い。

錨(いかい)@: (名) 錨。

生(い)か⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 生かす。 @此(く)ぬ人(ひゃあ)生(い)

かちぇえ置(う)からん。/この野郎生かしておけない。

鋳型(いかた)@: (名) @(金属を鋳造する時の)鋳型。 ➁転じて、型にはめて

造るものの型。帽子の型。菓子の型など。

言語(いかた)れえ@: (名)[文] 男女の契り。男女の語らい。い⁼は接頭辞。

如何(いか)な@: (連体)[文] いかなる。どのような。如何(いちゃ)る、ともい

う。口語は、如何(ちゃあ)る。 @如何(いか)な天竺(てぃんじく)ぬ鬼立(う

にた)ちぬ御門(うじょ)ん恋(くい)ぬ道(みち)やりば開(あ)ちどぅ為(しゅ)

ゆる。[いかな天竺の 鬼立の御門も 恋の道やれば あきどしゆゆる(手水之縁)]

どんな天竺の鬼の立っている門も、恋の道ならば開きもしよう。 ※「手水の縁」は、

平敷屋朝敏(へしきやちょうびん)作の組踊。

如何(いか)な為(し)ん@: (副)[文] いかにしても。どうしても。どんなことが

あっても。口語は、如何為(ちゃあし)ん。 @如何(いか)な為(し)ん行(い)

かん。/どうしても行かない。 

少(いき)ら⓪: (名) わずか。少し。少々。 @少(いき)らぬ繕(つぃく)れえ

有(あ)らん。/少々の費用ではない。 @少(いき)らどぅ有(あ)る。/少しあ

る。 @此(く)ん如(ぐとぅ)少(いき)らっし何(ぬう)成(な)ゆが。/これ

っばかりで何になるか。

如何(いき)ら⓪: (副) どんなに。いかばかり。うれしい時にいう。如何(ちゃ)

ぬ如(ぐとぅ)ともいう。 @如何(いき)ら嬉(うっ)しゃがやあ。/どんなにう

れしいだろうね。

少(いき)ら小(ぐぁあ)⓪: (名) ほんの少し。ちょっぴり。

少(いき)らさ多(うふ)さ⓪: (名) 多い少ない。量の多少。

少(いき)らさん⓪: (形) 少ない。僅かである。 @此(く)っさせえ少(いき)

  らさみ。/これだけでは少ないか。

少(いき)ら人数(にんず)⓪: (名) 少人数。少数の人。

少(いき)ら物(むん)⓪: (名 少しのもの。少ししかないもの。 @少(いき)ら

物(むん)どぅ残(ぬく)ゆる。/皆が賢慮するので、少ししかない珍しい食べ物が

かえって最後まで残る。

幾(いく)⁻: (接頭) 幾(いく)。個数を尋ねる接頭辞。 @幾回(いくけえん)[幾

  回]。幾(いく)つぃ[いくつ]。幾人(いくたい)[何人]。

以後(いぐ)⓪: (名) 以後。これからあと。

幾回(いくけえん)⓪: (名) 幾回。何度。

戦(いくさ)⓪: いくさ。戦争。 @女(うぃなご)お戦(いくさ)ぬ先走(さちば)

い。/女はいくさのさきがけ。女はいざという時には強くなるの意。 *おもろさう

し・518に、いくさ、とある。

戦小為(いくさぐぁあせ)え⓪: (名) 戦争ごっこ。 ※現代の子供はこのような遊

びはほとんどしないと思うが、テレビゲームなどではいまだにあるかもしれない。戦

争ごっこという言葉は死語にはならないかもしれない。大人がそのようなことを永遠

に止めないからである。

行(い)く先(さち)@: (名) 行く先。行く手。 @二十日夜(はつぃかゆ)ぬ暗

(くら)さ行(い)く先(さち)ん見(み)らん。[廿日夜のくらさ 行先も見らん(執

心鐘入)]旧暦二十日の夜は暗くて、行く手も見えない。 ※執心鐘入(しゅうしんか

ねいり)は、玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)作の組踊。能の「道成寺」の影響が

多分にある。冒頭の若松のセリフのようであるが、「行(い)く先(さち)ん迷(まゆ)

てぃ」ではないかと思う。

戦船(いくさぶに)⓪: (名)[新?] いくさ船。軍艦。

戦世(いくさゆう)⓪: (名) 戦乱の世。戦国時代。沖縄では特に三山(北山、中山、

南山)時代。

幾人(いくたい)⓪: (名) いくたり。幾人。何人。

幾人人数(いくたいにんず)⓪: (名) 何人と指折り数えられる、すぐれた少数の人。

  選(いら)び人数(にんず)ともいう。

幾(いく)つぃ⓪: (名) いくつ。何個。また、何度。 @幾(いく)つぃん三(み

い)つぃん。/いくつも。たくさん。(いくつも三つもの意。)

幾所(いくとぅくる)⓪: (名) 幾人(いくたい)[何人]の敬語。何人様。

御言葉(いくとぅば)@: (名) ことば。言い伝え。昔の人の言い残したことばなど

をいう。い‐は接頭辞。 @昔(んかし)ん人(ちゅ)ぬ御言葉(いくとぅば)。/昔

の人のことば。ことわざ。格言。

幾尋(いくふぃる)⓪: (名) 幾尋。何尋。 ※尋(ひろ)は、両手を左右に広げた

  時の両手先の間の距離。ひろは、広げるのひろだと思う。

幾回(いくまあ)い⓪: (名) 幾回り。何回り。

急(いぐま)し⓪: (名) 意気込んでする企て・準備。

急(いぐま)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 意気込んで企てる。意気込んで用意する。 

*混効験集:坤巻・言語に、いくまちへ、とある。おもろさうし・333に、いくま

ちへ、とある。

幾巡(いくみぐ)い⓪: (名) 幾めぐり。幾回(いくまあ)い、ともいう。

幾夜(いくゆる)⓪: (名) 幾夜。幾晩。

遺言(いぐん)⓪: (名) 遺言。普通には、去(んじゃ)に、という。 

伊佐(いさ)⓪: (名) 伊佐。 ※「いさ」、宜野湾市の地名。鹿児島県に伊佐市があ

る。伊佐は全国に多くみられる地名のようである。

漁(いざ)い⓪: (名) いさり。火を使う、夜の漁。

漁火(いざいびい)⓪: (名) いさり火。漁火。

誘(いざ)い方(ほお)⓪: (名)[古] 貞操試験。久高島の習俗。若い女のいかがわ

しい風評が立った時、森の神前で眼かくしをして小橋の上を渡らせる。無事に渡れば

貞操の証明となる。不品行を確実に知っている者が見物人の中から石を投げて、その

非をあらわす。 ※イザイホーは久高島で12年に1度行われていた、30歳以上の

既婚女性が神女となるための就任儀礼。1978年を最後に現在まで行われていない。

この辞典の記述は、イザイホーの原型を示しているようである。もしこの貞操試験が

イザイホーの原点であるならば、イザイホーそのものがゆくゆくは消え去る運命であ

ったことになる。

伊差川(いざしちゃ)⓪: (名) 伊差川。 ※「いさがわ」、名護市の地名。旧羽地村。

  ※私は名護市民であるが、「いざしちゃ」という発音を聞いたことがない。

勇(いさ)み立(た)⁼ちゅん@: (自 ⁼たん、⁼っち)勇み立つ。

勇(いさ)み⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 励ます。慰めて励ます。激励する。

石(いし)@: (名) 石。

意地(いじ)@: (名) @勇気。意地。意気地。元気。 @意地(いじ)ぬ有(あ)

ん。/勇気がある。 @意地(いじ)出(んじ)れえ。/元気を出せ。 @意地着(い

じち)ゆん。/(子供が)しっかりしている。母親にすがったりなどしない。 @意

地(いじ)ん着(ち)らん者(むん)。/意気地なしの子供。 ➁怒り。怒気。 @彼

(あ)れえ意地(いじ)出(んじ)とおん。/彼は怒っている。 @意地(いじ)ぬ

添(すぃ)いららん。/怒りを制しきれない。腹にすえかねる。 @意地(いじ)ぬ

出(んじ)らあ手引(てぃいふぃ)き、手(てぃい)ぬ出(んじ)らあ意地引(いじ

ふぃ)き。/腹が立っても手(暴力)を出すな。手が出そうになったら自分の怒りを

静めよ。

石穴(いしあな)@: (名) 石切り場の石を切りとった穴。

威勢(いしい)@: (名) @権勢。威勢。 ➁意気盛んなこと。威勢がよいこと。

石臼(いしううすぃ)@: (名) 石臼。 ※臼(うす)は、新潟の潟の右上の字であ

  る。

石掛(いしか)からあ道(みち)⓪: (名) 石ころ道。

石囲(いしがく)い@: (名) 石囲い。屋敷などを囲った石の垣。

石垣(いしがち)⓪: (名) 石垣。台風の被害を防ぐために、ほとんどの家は石垣に

囲まれている。 ※現在は、家そのものが丈夫なため、石垣はほとんどいらないよう

である。竹富島とか瀬底島あたりでは、今でも、美しい石垣が見られる。

石垣(いしがち)@: (名) 石垣島。八重山群島の島の名。また、石垣。 ※「いし

がき」、現在は、石垣島全体が石垣市である。竹富町と合併して「八重山市」をめざし

たようであるが実現しなかったようである。普通名詞の石垣とはアクセントが違うよ

うである。

石垣碁(いしがちぐう)⓪: (名) ざる碁。へたな碁。石垣を積むように、やたらに

石を並べるのでいう。

石被(いしかぶ)い門(じょお)@: (名) 左右に大きな石を積み上げた門。

石嘉波(いしかふぁ)@: (名) 石嘉波。 ※「いちゃは」、国頭郡本部町瀬底島の地

  名。この辞典の読み方は不自然な感じがする。

石敢當(いしがんとお)⓪: (名) [石敢当] T字形の道の突き当りの家にかかげ

る魔除け。家がT字形の道の突き当たりにある時には、石敢当の三字を石垣や塀に彫

るか、板に書くかしておく。中国に石敢当という豪傑がおり、向かう所敵なきありさ

まだったというので、この家には石敢当がいるぞと魔物をおどかすためのものと伝え

ている。

石刻(いしきざ)い@: (名) 石段。石の階段。 ※源氏物語・帚木に「きざみきざ

  みありて」とあり、刻みは、段階、階級のことである。

石粉(いしぐう)⓪: (名) さんご礁などを砕いた細かい砂利。道路などに敷く。石

粉の意。

石粉道(いしぐうみち)⓪: (名) 石粉(いしぐう)を敷きつめた道。石灰岩の砂利

  道。

石粉芋(いしぐうんむ)⓪: (名) 甘藷の一種。堅くて石のようで、蒸すと粉をふく。

石括(いしくび)り@: (名)[文] 石のある小坂。 @伊野波(ぬふぁ)ぬ石括(い

しくび)り無臓(んぞ)連(つぃ)りてぃ登(ぬぶ)る、今未(にゃふぃ)ん石括(い

しくび)り遠(とぅ)さわ有(あ)らな。[伊野波の石小坂 無臓連れてのぼる にや

へも石こびり 遠さはあらな]伊野波の石ころの坂道を恋する女をつれて登る。もっ

と石ころの坂道が遠くまであるといい。 ※私見であるが、くびり、は中が細いとい

う意味ではないかと思う。

北向(いしげ)え⓪: (名)北向(にしげ)え、と同じ。 ※北向(にしげ)え、は露

  天商のこと。 

礎(いしじ)@: (名) @礎石。いしずえ。 ➁くつぬぎの石。 ※「平和の礎」で

  教科書にも載る琉球語である。くつぬぎは、沓脱で、靴を脱ぐこと。

意地強(いじじゅ)う@: (名) 気丈者。意地のある者。意気強(いじじゅ)う者(む

ん)、ともいう。

意地強(いじじゅ)う者(むん)@: (名) 意気強(いじじゅ)う、と同じ。

石門(いしじょお)@: (名) 石造りの門。石垣の門。 *おもろさうし・568に、

  いしちやう、とある。

石細工(いしぜえく)@: (名) 石工。石屋。 ※石工は、いしく、と読むようであ

る。

石細工(いしぜえく)う@: (名) 石工。石屋。

伊敷(いしち)@: (名) 伊敷。 ※「いしき」、糸満市の地名。鹿児島県にも同名の

地名がある。 *おもろさうし・538に、いしけ、とある。

石川(いしちゃあ)@: 石川。 ※「いしかわ」、うるま市の地名。以前は石川市であっ

た。私の知り合いの女の子は石川東山(いしかわあがりやま)の出身であるが、現在

では、石川といってもほとんどの人がわからないそうである。地名はすぐに忘れ去ら

れてしまうものらしい。彼女は、宮森小学校の出身であるが、1959年に米軍の飛

行機が墜落して17名の死者を出したことは、宮森小学校出身者ならだれでも知って

いるらしい。この事件は永遠に忘れ去られてはならないが、普天間飛行場の近くで同

様の事故がいつ起こっても不思議でないことも十分知るべきである。なお、パイロッ

トは、墜落前に爆弾をすべて海上に投下、操縦不能な機首を人家のない山側へ向けた

後、パラシュートで脱出したが、不幸なことに、そのあと機首が人家のほうに向いて

しまったようである。

意地着(いじち)り者(むん)@: (名) しっかり者。年少者についていう。母親に

すがったりしない子供など。意地(いじ)ん着(ち)らん者(むん)[いくじなし]は

その反対。

石灯籠(いしどぅうるう)⓪: (名) 石灯籠。

伊是名(いじな)@: 伊是名島。沖縄本島北方、伊平屋島(いひゃ)の南にある島。伊

平屋島[後地(くしじい)ともいう]に対して、前地(めえじい)ともいう。また、

伊是名。 ※「いぜな」、島尻郡伊是名村。本来は国頭郡であるべきだが、第二尚氏発

祥の地であるため島尻郡となった。 *おもろさうし・1216に、いぢへな、とあ

る。

石(いし)な子(ぐ)う⓪: (名) 女の子の遊戯の名。いしなご。小石を投げ上げ、

手の表裏で受け止めたりするもの。 @石(いし)な子(ぐ)ぬ石(いし)ぬ大石(う

ふし)成(な)るまでぃん御掛(うか)き栄(ぶ)せ見候(みしょ)り我御主愛(わ

うしゅがな)し。[いしなごの石の 大瀬なるまでも おかけぼさえ召しよれ我御主が

なし]いしなごの石が大岩になるまでも、お治め下さい国王様。沖縄の君が代のよう

な歌で、明治以後も保守派[黒(くる)う]は宴会の初めに歌った。 ※うふしは、

大瀬ではなく、大石が適当だと思う。 *混効験集:坤巻・言語に、いしなこ、とあ

る。

石橋(いしばし)@: (名)石橋。 ※共通語である。アクセントは共通語は、⓪のよ

うである。

石火矢(いしびゃあ)@: (名) 昔の大砲。 ⁻びゃあ<火矢(ひゃあ)。

石礫(いしぶく)⓪: (名) つぶて。投げるための小石。

石仏(いしぶとぅき)@: (名)石仏。

石灰(いしべえ)@: (名) いしばい。石灰。貝がらなどを焼いて粉末にしたもの。

しっくい・肥料などにする。

石枕党(いしまくらとお)⓪: (名)[新] 石枕党。日清戦争時代の、首里の頑固な一

派。清のひいきをしたが、清が敗北したので、壊滅した。

石道(いしみち)@: (名) 石を敷き並べた道。石の舗道。首里の道路はほとんどが

石を敷き並べた道であった。

医者(いしゃ)⓪: (名) 医者。大和医者(やまとぅいしゃ)[蘭方医]と、沖縄医者
  (うちなあいしゃ)[漢方医]、とがある。

意地(いじゃ)あ@: (名) 大胆な者。勇者。意地のある者。

石原(いしゃあら)⓪: (名) 石原。 ※「いしはら」、糸満市の地名。現在、住所表

記としては存在しないようである。古い資料に「いしはら村」とある。姓名としては、

「いしばる」と読むようである。 *おもろさうし・1332に、いしやら、とある。

意盛(いしゃかあ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 喜びはしゃぐ。手足を振り動かし

て喜び騒ぐ。意盛(いしゃか)ゆん、ともいう。

意盛(いしゃか)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 意盛(いしゃかあ)ゆん、と同じ。

イシャトゥウ⓪: (名) かまきり。 *混効験集:坤巻・気形に、いしやと、とある。

伊舎堂(いしゃどお)⓪: 伊舎堂。 ※「いしゃどう」、中頭郡中城村の地名。

意趣(いしゅ)⓪: (名) 主旨。意趣。

イジュ⓪: (名)[文] [伊集] 植物名。口語は、ンジュ。さざんかの一種。椿に似

た厚い葉で、白く美しい花が咲く。良材となる。 @伊集(いじゅ)ぬ木(き)や良

(ゆ)かてぃ彼(あ)ん清(ちゅ)らさ咲(さ)ちゅい、吾身(わみ)ん伊集(いじ

ゅ)やとぅてぃ真白(ましら)咲(さ)かな。[伊集の木やよかて あんきよらさ咲ち

ゆい 我身も伊集やとて 真白咲かな]伊集の木はさかえて、あのように美しく咲い

ている。わたしも伊集の木のようになって真白に咲きたいものだ。 ※和名は、一応、

「ヒメツバキ」。白い小さな山茶花(さざんか)といった感じ。沖縄の民家で普通に見

られる花である。

伊集(いじゅ)⓪: (名) 伊集。んじゅ、ともいう。 ※「いじゅ」、中頭郡中城村の

  地名。

泉(いじゅん)⓪: (名) 泉。

衣裳(いしょお)@: (名) 衣裳。衣服。着物。

嬉(いしょお)しゃ⓪: (名)[文・古] うれしさ。楽しさ。うきうきすること。 @

名護(なぐ)ぬ大兼久(うふがにく)馬走(んまは)らち嬉(いしょ)しゃ、船走(ふ

には)らち嬉(いしょ)しゃ吾浦泊(わうらどぅまい)。[名護の大兼久 馬はらちい

しやうしや 舟はらちいしやうしや 我浦泊]名護の大兼久馬場は馬を走らせて楽し

いが、舟を走らせて楽しいのはわが村の港。 @嬉(いしょお)しゃ為(しゅ)ん。

/楽しむ。老女などが、上出来(うぃいりき)さしゅん、の意で用いる。

衣裳着肌(いしょおちふぁだ)@: (名) 衣類。衣裳着肌の意。着物着肌(ちんちふ

  ぁだ)、ともいう。

意地(いじ)り⓪: (名) 意気。意気地。気力。 @意地(いじ)りぬ無(ね)えん。

/意気地がない。

意地(いじ)り者(むん)⓪: (名) しっかり者。

偉人(いじん)⓪: (名) しあわせ。気楽。親が子に、しゅうとめが嫁に責任を譲っ

て安楽になる場合などにいう。 @子(っくぁ)ぬ強(ちゅう)れえ親(うや)あ偉

人(いじん)。/子供が大きくなれば親は楽でしあわせ。/嫁(ゆみ)ぬ来(ちゃ)く

とぅ舅(しゅと)お偉人(いじん)為(しょお)さ。/よめが来たので、しゅうとめ

は気楽にしている。

石嶺(いしんみ)⓪: (名) 石嶺。 ※「いしみね」、那覇市首里の地名。

急(いす)じ⓪: (名) 急ぎ。至急。 @急(いす)じぬ使(つぃけ)え。/急ぎの

使い。

急(いす)じゅん⓪: (自 ⁼がん、⁼じ) 急ぐ。 @急(いす)があ回(まあ)り。

  /急がば回れ。

伊豆味(いずみ)⓪: (名) 伊豆味。 ※「いずみ」、国頭郡本部町の地名。

泉崎(いずんざち)⓪: (名) 泉崎。 @「いずみざき」、那覇市の地名。那覇市役所

  の住所は、泉崎一丁目一番地一号である。

委細(いせえ)@: (名) @委細。くわしいこと。 @委細(いせえ)に話(はな)

さわ聞(ち)ち見候(みしょお)り。/くわしく話すから、聞いて下さい。 @委細

(いせえ)な事(くと)お又(また)。/くわしいことはまたあとで。 ➁たしかに。

はっきり。 @委細(いせえ)に見(んん)ちゃん。/たしかに見た。 @委細(い

せえ)や成(な)てぃから分(わ)かいさ。/たしかなこと(くわしいこと)はその

場でわかるよ。

板(いた)⓪: (名) 板。多くは、板(いちゃ)、という。

徒(いたじ)ら@: (名) むだ。いたずら。 @徒(いたじ)らに其(うん)な事(く

とぅ)っ為(し)何成(ぬうな)ゆが。/むだにそんな事をして何になるか。 @吾

(わあ)が斯(か)ん為(しゅ)せえ徒(いたじ)らあ有(あ)らん。/わたしがこ

うするのはむだにしているのではない。

徒(いたじ)ら事(ぐとぅ)@: (名) むだな事。

痛(いた)⁼ぬん⓪: (自 ⁼まん、⁼でぃ) (家・器具・食物などが)傷む。破損した

  り、腐ったりして悪くなる。

甚膨(いたぶっ)くぃ@: (名) (不機嫌で顔が)ふくれる。

至(いた)り⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 奥義をきわめる。奥義に達する。至(い

た)りとおん、の形で多く用いる。 @武芸(ぶじい)に至(いたり)とおん。/武

芸をきわめている。

一(いち)⓪: (名) @1。一。普通は、てぃいつぃ、という。 ➁(接頭) イ.

数の一を示す。一枚(いちめえ)、一升(いっしゅ)、など。 ロ.大変な・重大なな

どの意を表す。一愚鈍(いちぐどぅん)[大馬鹿]、一恥(いちはじ)[大恥]、一大事

(いちでえじ)[一大事]、など。

池(いち)⓪: (名) 庭池。鑑賞用に人工に施した池。天然のものは、籠(くむ)い、

  という。

伊計(いち)⓪: (名) 伊計島。沖縄本島の東側にある島。また、伊計。 ※「いけ

い)、うるま市の地名。 *おもろさうし・1131に、いけはなれ、とある。

伊地(いち)⓪: (名) 伊地。 ※「いち」、国頭郡国頭村の地名。

行(い)ち⓪: (名) 行き。往路。戻(むどぅ)い、の対。

一一(いちいち)⓪: (名) いちいち。ひとつびとつ。

行会(いちぇ)え⓪: (名) 会うこと。会見。会談。 @彼(あ)りとぅ此(く)り

とぅぬ行会(いちぇ)えや如何(ちゃあ)成(な)たが。/彼とこの者との会見はど

うなったか。

行会(いちぇ)え風(かじ)@: (名) 魔風。死霊または悪霊のこもった風。その風

  に会うと普通の病気と違った病気になるといわれた。

行合(いちぇ)え兼(か)んてぃい⓪: (名) @会いかねること。会えないこと。 ➁

長さが足りないこと。届かないこと。達しないこと。 @此(く)ぬ帯(ううべ)え

二回(たまあ)いねえ余(あま)ゆすぃが、三回(みまあ)いねえ行合(いちぇ)え

兼(か)んてぃいやん。/この帯は二回りでは余るが、三回りには足りない。 @清

(ちゅ)ら花(ばな)やすぃが行合(いちぇ)え兼(か)んてぃいっ為(し)捥(む)

ゆうさん。/きれいな花だが、手が届かないので、もげない。

行会(いちぇ)え違(ちじぇ)え⓪: (名) 行き違い。

行会(いちぇ)え兄弟(ちょおでえ)@: (名) 父を異にする兄弟姉妹。異父兄弟。

いちぇえ<行会(いちゃ)ゆん。

行会(いちぇ)え外(は)ん⁼しゅん@: (自 ⁼さん、⁼ち) 会いそこなう。会いそび

  れる。

行合(いちぇ)え外(は)んでぃ⓪: (名) (ひもなどの)長さが足りないこと。短

くて届かないこと。いちぇえ<行合(いちゃ)ゆん。はんでぃ<外(は)んでぃゆん。

@行合(いちぇ)え外(は)んでぃやさ。/(ひもなどの)長さが足りなくて結べな

い。

行(い)ち方無(がたな)さん@: (形) 行きにくい。敷居が高い。

生(い)ち変(か)わい変(が)わい⓪ (副) 変転するさま。 @此(く)ぬ世(ゆ)

人間(にんじん)ぬ栄(さか)い衰(うとぅる)いや、夏(なつぃ)とぅ冬心(ふゆ

ぐくる)生(い)ち変(か)わい変(が)わい。[この世人間の 盛衰や 夏と冬ごこ

ろ いき替わり替わり(花売の縁)]この世の人間の盛衰は夏と冬のように変転きわま

りない。 ※「花売之縁(はなういぬいん)」は、高宮城親雲上(たくみやぐすくぺえ

ちん)作の組踊で、最も上演回数の多い組踊らしい。

生(い)ちき⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 生かす。生(い)ちかしゅん[生(い)

  ちちゅん、の使役形]ともいう。

一期(いちぐ)⓪@: (名)[文] 一生涯。生涯。一期(いちご)。 @一期(いちぐ)

一緒(まま)とぅ思(む)てぃ御語(いかた)れん為(しゃ)すぃが、里(さとぅ)

や肝変(ちむか)わてぃ余所(ゆす)に馴(な)りてぃ。[いちごままともて い語ら

ひもしやすが さとや肝かはて 他所に馴れて]生涯一緒になると思ってちぎりも交

わしたが、君は心変わりしてよその人と親しくなってしまった。

一月(いちぐぁつぃ)⓪: (名) 一月。正月。

一食合事(いちくううぇえくとぅ)@: (名) 大変なこと。一大事。

一愚鈍(いちぐどぅん)⓪: (名) 大変な愚鈍者。大馬鹿者。 

生(い)ち返(げえ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 生き返る。蘇生する。 @生(い)

ち返(げえ)らしゅん。/生き返らす。蘇生させる。

一合(いちごお)⓪: (名) 一合。一升(いっしゅ)の十分の一。また一里(いちり)

の十分の一。 ※これだけメートル法が行き渡った世の中でも、いまだに炊飯器のお

米を量るカップ一杯は、一合(180cc)である。

一合中盛(いちごおなかむ)い⓪: (名) 一合桝。単に、中盛(なかむ)い、ともい 

  う。

生(い)ち盛(さか)信者(しんじゃ)⓪: (名)[文] 生意気なやつ。 @生(い)

ち盛(さか)信者(しんじゃ)ぬ言(ゆ)る事(くとぅ)ぬ憎(にく)さ。[いきさか

しんざの 言ふることの憎さ(忠臣身替)]なまいきなやつの言うことの憎さよ。 ※

忠臣身替(ちゅうしんみがわり)は、辺土名親雲上(へんとなぺえちん)作の組踊。

生(い)ち様(ざま)⓪: (名) @生霊。生きている人の怨霊。恨みのある人にとり

ついてわざわいをなす。 ➁のろい。のろうこと。 @生(い)ち様(ざま)為(し

ゅ)ん。/のろう。昔はのろう者は罰せられた。

生(い)ち死(し)に@: (名) 生き死に。生死。

生(い)ち責(じ)み⓪: (名)[文] 拷問。生き責めの意。 @一刀(ちゅかたな)    

に為(し)ちや罪浅(つぃみあさ)さ有(あ)むぬ牢舎込(るうしゃぐ)み為(し)

ちょてぃ生(い)ち責(じ)みゆ為(しょ)おり。[一刀にしちや 罪浅さあもの 牢

舎ごめしちよて 生き責めよしようれ(忠臣身替)]一刀で殺しては刑が軽いから、牢

に入れておいて拷問にせよ。 ※ 忠臣身替(ちゅうしんみがわり)は、辺土名親雲

上(へんとなぺえちん)作の組踊。

生(い)ち肝(じむ)⓪: (名) 心。心情。人間としての心。生きている人間本来の

心。生き肝には、生肝(なまじむ)という。 @生(い)肝(じむ)持(む)っちょ

おてぃ其(う)んな事(くとぅ)ぬ成(な)ゆみ。/人の心を持ちながらそんな(む

ごい)ことができるか。

息切(いちじ)らさん⓪: (形) @息苦しい。呼吸が苦しい。 ➁狭苦しい。窮屈で

ある。また、(目上の人の前で、また世の中などが)窮屈である。

息切(いちじ)り⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 息切れがする。息が続かなくて苦し

  い。

行(い)ち過(すぃ)じ@: (名) 行き過ぎ。

行(い)ち過(すぃ)じ⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @行き過ぎる。通り過ぎる。 

  ➁行き過ぎる。行き過ぎた行為をする。

行(い)ち摺(すぃ)ゆる@: (連体)[文] 行きずりの。行く道で袖をすって行くよ

うな。 @春(はる)や野(ぬ)ん山(やま)ん百合(ゆい)ぬ花盛(はなざか)い、

行(い)ち擦(すぃ)ゆる袖(すでぃ)ぬ匂(にうぃ)ぬ優美(しゅら)さ。[春や野

も山も 百合の花ざかり 行きすゆる袖の においのしほらしや(手水之縁)]春は野

も山もゆりの花ざかり、行きずりの袖に付くにおいのゆかしいことよ。 ※行(ゆ)

き摺(ず)り、擦(す)れ違い、などの共通語は、袖が触れるという感じの言葉であ

る。琉球語にもその語感が残っているということだろう。しほらしいは、しをらしい

と書くべきだと思う。「手水の縁」は、平敷屋朝敏(へしきやちょうびん)作の組踊。

行(い)ち摺(すぃ)り@: (名)[文] 行きずり。 @里(さとぅ)や行(い)ち摺

(すぃ)りぬ花(はな)とぅ思(う)み成(な)しゅら、我身(わみ)や何時(いつ

ぃ)までぃん頼(たぬ)てぃ居(う)しが。[里や行きすりの 花と思なしゆら 我身

やいつまでも 頼でをすが]あなたはわたしを行きずりの花とみなしているのでしょ

う。わたしはいつまでも頼っているのに。 ※首里言葉には、すぃ、の音が残ってい

るため語源をさがすのにたいへんありがたい。

行(い)ち足(た)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 行きとどく。ふつう、否定の形の

みを用いる。 @行(い)ち足(た)らん事(くと)お一人(ちゅい)足(た)れえ

足(だ)れえ。/行きとどかぬことは、たがいに補い合い。

一段(いちだん)とぅ@: (副)[文] 一段と。 @一段(いちだん)とぅ良(ゆ)た

  しゃん。/一段とよい。 

一段(いちだん)な事(くとぅ)@: (名)[文] 一大事。また、一段とよいこと。

生(い)ち⁼ちゅん⓪: (自 ⁼かん、⁼ち) 生きる。 @生(い)ちちょおる間(うぇ

えだ)。/生きている間。生涯。 @生(い)ちちょおたる間(うぇえだ)。/生きて

いた間。 @生(い)ちちょおる限(かじ)り。/生きている限り。一生涯。 @生

(い)ちちょおる心(しん)。生き甲斐。 @生(い)ちかしゅん。/生かす。[生(い)

ちきゆん]ともいう。 @生(い)ちち欲(ぶ)しゃん。/生きたい。 @生(い)

ちからん生(い)ちち。/苦しい生き方。貧苦・病苦などで、生きるに生きられぬよ

うな生き方。

生(い)ちっ人(ちゅ)⓪: (名) 生きている人。死(し)にっ人(ちゅ)[死んだ人]

  の対。

一代(いちでえ)@: (名) 一代。人の一生。 @一代(いちでえ)に一度(いちど

ぅ)。/一生に一度。

一大事(いちでえじ)@: (名) 一大事。大事件。

一大事(いちでん)な事(くとぅ)@: (名)[文] 一大事。大事件。

一度(いちどぅ)⓪: (名) 一度。一回(ちゅけえん)ともいう。

生(い)ち捕(どぅ)い⓪: (名) 生けどり。

行(い)ち成(な)い⓪: (名)[文] 成り行き。 @大川(うふかわ)ぬ成(な)し

子(ぐぁ)乳母(あんめえ)とぅ二人(ふたい)如何(いちゃる)行(い)ち成(な)

しに成遣(なや)い居(う)ゆが。[大川のなし子 あむまへと二人 いちやる行成に 

なやい居(う)ゆが(大川敵討)]大川の息子と乳母のふたりはどんな成り行きになっ

ているか。 ※「大川敵討(おおかわてきうち)」は、久手堅親雲上(くでけんぺえち

ん)作の組踊。

一日(いちにち)⓪: (名) 一日。ふぃっちい、ともいう。月の初めの日(ついたち)

は、月立(つぃいた)ち、という。

一人(いちにん)⓪: (名) 一人。ひとり。普通は、一人(ちゅい)という。

一年(いちにん)@: (名) 一年。一年(ちゅとぅ)ともいう。

一人前(いちにんめえ)⓪: (名) (食物などの)一人前。ひとり分。

生(い)ち残(ぬく)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 生き残る。

一(いち)ぬ回(けじ)⓪: (感)[文] 一回。口語は、一回(ちゅけえん)。石(い

  し)な子(ぐ)[遊戯の名]の時の文句にある。 

生(い)ち恥(はじ)⓪: (名) 大恥。 @生(い)ち恥(はじ)掻(か)ちゅん。

  /大恥をかく。

行(い)ち果(は)てぃ@: (名) はて。行き着くもっとも遠い所。 @名護(なぐ)

や山原(やんばる)ぬ行(い)ち果(は)てぃがやゆら、今(なま)でぃ名護舟(な 

ぐぶに)ぬ当(あ)てぃや無(ね)らん。[名護や山原の 行き果てがやゆら なまで

名護舟の あてやないらぬ]名護は山原のはてであろうか、いまだに名護からの舟の

便がない。

生花(いちばな)⓪: (名) 生け花。

池原(いちばる)⓪: (名) 池原。 ※「いけはら」、沖縄市の地名。 *おもろさう

  し・87に、いけばる、とある。

一番(いちばん)⓪: (名) 一番。

一番鶏(いちばんどぅい) ⓪: (名) 一番鶏。

一分(いちぶん)@: (名) @面目。人ひとりの面目。一分。 @一分(いちぶん)

ぬ立(た)たん。/面目が立たない。 ➁ひとりの意。 @胴一分(どぅういちぶん)。

/自分ひとり。 ※一分は、共通語である。「武士の一分」という映画がある。

池間(いちま)⓪: (名) 池間島。宮古群島の島の名。 ※「いけま」、宮古島市に属

  する島。

生(い)ち守(まぶ)い⓪: (名) 生きている人の霊魂。いきすだま。生霊。

一万(いちまん)⓪: (名) 1万。

一万貫(いちまんぐぁん)⓪: (名)[古] 銭の1万貫。200円に当たる。銭(じん)

  の項参照。 

生(い)ち身(み)⓪: (名) 現世に生きていること。また、現世。この世。後生(ぐ

しょお)の対。 @生(い)ち身(み)ぬ如(ぐとぅ)有(あ)れえ。/この世のよ

うであれば。

生(い)ち身(み)限(とぅとぅう)み⓪: (名) 生きている限り。一生。一生涯。 

@生(い)ち身(み)限(とぅとぅう)みぬ食(くぇ)え口(くち)。/一生食べられ

る食いぶち。

生(い)ち虫(むし)⓪: (名) @けだもの。禽獣。畜生。 @生(い)ち虫(むし)

  やかん継(ち)じ。/禽獣よりも悪い。 ➁畜生。虫けら。人をののしっていう語。

行(い)ち戻(むどぅ)い⓪: (名) 行き帰り。往復。 @畑(はる)ぬ行(い)ち

戻(むどぅ)いに畑(はる)ぬ行会(ゆっちゃ)いに〜。[はるの行き戻り はるの行

きやひに〜(銘苅子)]畑を行き帰りする時に〜。 ※「銘苅子(めかるしい)」は、

玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)作の組踊。能の羽衣の影響がある。セリフは冒頭

のものと思われる。

生(い)ち物(むん)⓪: (名) 生きもの。動物。

一門(いちむん)@: (名) 一門。一族。

一門清明(いちむんしいみい)⓪: (名) 一門全体で行う清明祭。

一門揃(いちむんずり)い@: (名) 一族のものが集まること。親族会議。

一匁(いちむんみ)⓪: (名) 一もんめ(匁)。 ※匁(もんめ)は国字である。銭一

文の重さが一匁である。現在の五円玉の重さがちょうど一匁、3.75gで、これは

偶然ではない。

一枚(いちめえ)⓪: (名) 一枚。

一枚引張(いちめえふぃっぱ)い⓪: (名) 一張羅を着こなすこと。一枚しかない着

物を小ざっぱりと着ること。ふぃっぱい、は着物にのりを付け、折り目正しく着る意。

一枚豆(いちめえまあみ)ぬ皮(かあ)⓪: (名) 着たきりすずめ。豆の皮のように

  着物が一枚しかないこと。 ※琉球語は長音を好むようである。

板(いちゃ)⓪: (名) 板。いた、ともいう。

烏賊(いちゃ)@: (名) 烏賊(いか)。いか、ともいう。

如何(いちゃ)@: (副)[文] いかに。どう。口語は、如何(ちゃあ)。 @如何(い

ちゃ)思召(うそお)じ召(みせえ)が。/どのように思し召されますか。 @如何

(いちゃ)が成(な)ゆら。/どうなるだろうか。

行合(いちゃあ)し兼(か)んてぃい⓪: (名) 収支つぐなわないこと。やりくりし

かねること。収支を合致しかねる意。 @其(う)ぬ値(あたい)ぬ月給(じっちゅ

う)せえ暮(く)らせえ行合(いちゃあ)し兼(か)んてぃいや有(あ)らに。/

そのぐらいの月給では暮らしはやりくりがむずかしくないか。

行合(いちゃあ)し加(くぁあ)しい⓪: (副) やりくり算段するさま。 @遣(や)

らしい加(くぁあ)しい、遣(や)らちゃい加(くぁあ)ちゃい、などともいう。 @

彼(あ)ぬ家(やあ)や行合(いちゃあ)し加(くぁあ)しい為(っし)どぅ、立(た)

っち行(ん)じょおええさに。/あの家はやりくり算段で、やっと立って行っている

のではなかろうか。 

行合(いちゃあ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) @(人と人とを)会わせる。 ➁(ひ

もなどを)ちょうどよい長さに合わせる。 B(支出と収入とを)合わせる。収入に

見合った支出をするようにする。

行合(いちゃあ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 行合(いちゃ)ゆん、と同じ。 

厳厳(いちゃいちゃ)あとぅ⓪: (副) 手ひどく。こっぴどく。きびしく。 @厳厳

(いちゃいちゃ)あとぅ言(い)い切(ち)っち取(とぅ)らしゅん。/こっぴどく

言ってやる。

言(い)ちゃい反(はん)ちゃい@: (名) 言ったり答えたりすること。ことばのか

  けひき。応酬。受け答え。

烏賊塩辛(いちゃがらしゅ)⓪: (名) いかの塩辛。

愛(いちゃ)さん⓪: (形) @惜しい。失うのが惜しい。愛惜の情を感じる。 @其

(う)ん事(ぐとぅ)優(すぐ)りん子(ぐぁ)死(し)なち愛(いちゃ)さんやあ。

/それほどすぐれた子を死なせて惜しいねえ。 @余地(ゆうち)らあ無(ね)えん

物(むん)買(こお)てぃ銭(じん)ぬどぅ愛(いちゃ)さる。/用のないものを買

って金が惜しい。 @愛(いちゃ)さ為(しゅ)ん。/惜しむ。 @愛(いちゃ)さ

為(さ)っとおてぃどぅ生(い)ちちょおてぃん心(しん)ぬ有(あ)る。/惜しま

れてこそ生きていてもかいがある。 ➁痛々しい。また、苦しい。 @痛(いちゃ) 

しい事(くとぅ)。/痛々しいこと。かわいそうなこと。 @人(っちゅ)ぬ痛(いち

ゃ)さあ知(し)らん。/人の苦痛はわからない。

如何為(いちゃし)がな⓪: (副)[文] どうにかして。口語では、如何(ちゃあ)が

なっ為(し)、という。 @思(う)み焦(く)がりてぃん自由(じゆ)成(な)ゆみ

やすぃが、如何為(いちゃし)がな朝夕(あさゆ)拝(うが)み欲(ぶ)しゃぬ。[思

ひ焦がれても 自由なゆめやすが いきやしがな朝夕 拝みぼしや]思いこがれても

自由にはならないのだけれど、どうにかして朝夕お会いしたい。 

板畳(いちゃだたん)⓪: (名) 畳の大きさに作った板張りの敷物。部屋と部屋の間

を通路として使う場合になどに、畳のかわりに敷く。本土の板畳とは異なる。 ※本

土の板畳は、板を芯にした畳のことらしい。 

板切(いちゃぢ)り⓪: (名) 板きれ。

息(いちゃ)⁼ぬん@: (名) (自 ⁼まん、⁼でぃ) いきむ。息を止め、腰に力を入

  れる。

烏賊(いちゃ)の凝(く)り⓪: (名) いかの墨。単に、凝(く)り、ともいう。

板分(いちゃぶ)⓪: (名) きぬた。布を柔らげるための、厚い板で作った台。

行合(いちゃ)⁼ゆん@: (自 ⁼あん、てぃ) 行合(いちゃあ)ゆん、ともいう。 @

行き会う。出会う。遇う。 @行会(いちゃ)たる不祥(ふしょお)。/出会ったのが

運のつき。当(あ)たる不祥(ふしょお)ともいう。 ➁会う。面会する。 @行会

(いちぇ)えが来(ちゃ)ん。/会いに来た。 @彼(あ)り行会(いちゃ)たん。 

/彼に会った。 @行会(いちぇ)えわ兄弟(ちょおでえ)、何(ぬう)隔(ふぃだ)

てぃぬ有(あ)が。/いったん会えば兄弟と同じこと、何のへだてがあるか。 B合

う。達す。(ひもなどが)届く。また、(収支が)合う。 C交接する。

板良敷(いちゃらじち)⓪: (名) 板良敷。 ※「いたらしき」、島尻郡与那原町の地

名。ペリー来航の時の通訳に板良敷朝忠(いたらしきちょうちゅう)がいる。英語、

中国語、フランス語が堪能であったらしい。琉球語は母語で、日本語は第二言語であ

た。

如何(いちゃ)る@: (連体)[文] いかなる。口語は、如何(ちゃあ)る。 @如何 

(いちゃ)る事(くとぅ)有(あ)とぅてぃ尋(とぅめ)い来(ち)ちゃが。[いきや

る事あとて とめてちちやが]どんな事があって尋ねて来たか。 

只(いちゃん)だ⓪: (名) ただ。無料。代金を払わないですむこと。

只(いちゃん)だ使(づぃけ)え⓪: (名) むだ使い。浪費。

只(いちゃん)だ奉公(ぶうくう)⓪: (名) ただ働き。

只(いちゃん)だ物(むん)⓪: (名) ただの物。無代の物。 @只(いちゃん)だ

物(むの)お値高(にいだか)さん。/ただの物は高くつく。もらった物はかえって

返礼に金がかかる意。

息(いちゃ)ん張(ぱ)い@: (名) いきむこと。息を止め、腹に力を入れること。 

  @息(いちゃ)ん張(ぱ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

勢(いちゅ)い⓪: (名) 勢い。勢力。権勢。 @勢(いちゅ)い専(むっぱ)ら。

/権勢をふりまわすさま。

糸数(いちゅかずぃ)⓪: (名) 糸数。 ※「いとかず」、南城市玉城の地名。

従妹(いちゅく)⓪: (名) いとこ(従兄弟姉妹)。

従兄弟小父様(いちゅくうじゃさあ)⓪: (名) 父母の従兄弟。いとこおじ(従兄弟

  小父)。

従兄小母間(いちゅくうばまあ)⓪: (名) 父母の従姉妹、いとこおば(従姉妹小母)。

糸洲(いちゅじ)⓪: (名) 糸洲。 ※「いとす」、糸満市の地名。南部病院の近く。

少時(いちゅた)⓪: (名) しばらくの間。ちょっとの時間。 @本(ふん)ぬ小時

(いちゅた)待(まっ)ちょおる間中(うぇえかなか)い。/ほんのちょっと待って

いる間に。 @本(ふん)ぬ小時(いちゅた)やっさ。/ほんのちょっとの時間だ。

小時(いちゅた)あ⓪: (副) ちょっと。しばらく。呼び出す時、呼び止める時など

にもいう。 @小時(いちゅた)あ待(ま)てえ。/ちょっと待てよ。 @首里(し

ゅい)から来(ちょお)すぃが釜(かま)小時(いちゅた)あ。/(流行歌の文句)

首里から来たんだけど、カマさんちょっと。釜(かま)は、尾類(ずり)[女郎]の名

前。

小時延(いちゅたぬ)ばんし⓪: (名) 一時しのぎ。一時の間に合わせ。応急措置。

小時誇(いちゅたぶくら)しゃ⓪: (名) 一時の喜び。また、一時は喜んでする(が、

  長続きしない)こと。

忙(いちゅな)さん⓪: (形) 忙しい。いとまがない。せわしい。 @忙(いちゅな)

さ為居(しょお)ん。/忙しくしている。 *混効験集:乾巻・言語および坤巻:言

語に、いちよなしや、とある。 *おもろさうし・265に、いちよなしや、とある。

苺(いちゅび)⓪: (名) いちご(苺)。 *混効験集:乾巻・飲食に、いちよび、と

  ある。

糸満(いちゅまん)⓪: (名) 糸満。 ※「いとまん」、現在は、糸満市。

生(い)ち⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) (花)を生ける。

行(い)ちゅん@: (自 不規則) @行く。 @行侍(いちゃび)ら。/目上への辞

去のあいさつ。失礼いたします。 @行(い)かいい。/目下への辞去のあいさつ。

さよなら。 @行(い)ちゅんてえ行(い)かんてえ。/行くと言い、行かないと言

い。行く行かないが決まらないさま。 @行(ん)じ来(ちゅう)ん。/行って来る。

@行(ん)じゃい来(ちゃ)い。/行ったり来たり。 @行(ん)じゃる三月(さん

ぐぁつぃ)。/去る三月。 @行(ん)じゃん。/行った。去った。 ➁行く。(事態

が)進行する。〜して行く。 @如何(ちゃあ)が。此間(くねえだ)んせえ良(ゆ)

う行(ん)じょおみ。/どうだ。このごろはうまく行っているか。 @読(ゆ)でぃ

行(い)ちゅん。/読んで行く。読み進む。

一里(いちり)⓪: (名) 一里。

一礼(いちりい)⓪: (名) 一礼。 一礼為(いちりいしゅ)ん。/※動詞化。

一里塚(いちりづぃか)⓪: (名) 一里塚。

生(い)ち別(わか)り⓪: (名) 生き別れ。生別。

意見(いちん)⓪: (名)[文] 意見すること。他人の非をいさめること。 @意見(い

ちん)言(ゆ)し事(ぐとぅ)や身(み)ぬ上(うぃい)ぬ宝(たから)。/意見や教

訓は身の上の宝。

意見口説(いちんくどぅち)⓪: (名)[意見口説] [口説]の名。 ※「口説(くど

  ぅち)」は歌謡の一種。

五(いつぃ)⓪: @(感)いつ。五つ。声を出して数える時にだけいう。 ➁(接頭)

五回(いつぃけえん)、五人(いつぃたい)、五羽(いつぃふぁに)、など。

何時(いつぃ)@: (名) いつ(何時)。 @何時(いつぃ)までぃん。/いつまでも。

永遠に。 @何時(いつぃ)来(ちゃ)が。/いつ来たか。

五入(いつぃいい)ん⓪: (名) 布の織る筬(おさ)の種類の名。十五よみ。経糸1

  200本を通すもの。また、それで織った布。解(ふどぅ)ち、の項参照。

何時(いつぃ)か@: (名) いつか。 @何時(いつぃ)か間(まあ)がなうぅてぃ

行会(いちゃ)たんやあ。/いつかどこかで会ったねえ。 @諸殿美童(しゅどぅん

みやらび)ぬ雪巫女(ゆちぬる)ぬ歯茎(はぐち)、何時(いつぃ)か夜(ゆ)ぬ暮(く)

りてぃ御口吸(みくちす)わな。[諸鈍めやらべの 雪のろの歯ぐき いつか夜の暮れ

て み口吸はな]諸鈍の娘たちの美しい雪色の歯に、いつか日が暮れて口づけしたい。

※諸鈍では意味がわからない、諸殿だと思う。ゆちぬる、は雪のような祝女(のろ)

のことだと思う。

五込(いつぃく)むい⓪: (名)[古] 銭500文。一銭にあたる。銭(じん)の項参

  照。

五込(いつぃく)むい五十(ぐんじゅう)⓪: (名) 銭550文。1銭1厘に相当す

  る。銭(じん)の項参照。

何時頃(いつぃぐる)@: (名) いつごろ。

五人(いつぃたい)⓪: (名) 五人。五人(ぐにん)を多く用いる。

五(いつぃ)つぃ⓪: (名) 五つ。5。また、五歳。時刻の場合は午前午後の8時。

五七日(いつぃなんか)⓪: (名) 五七日。死後35日目に営む法事。

偽(いつぃわ)い⓪: (名)[文] いつわり。 

何時(いっ)か@: (名) 何日。月の第何日かを聞く時にいう。日数を聞くには、何

日(なんにち)、という。

一貫五百(いっくぁぐひゃあく)⓪: (名) 銭1貫500文。3銭に相当する。銭(じ

ん)の項参照。

一貫(いっくぁん)⓪: (名) 銭一貫。2銭に相当する。(銭(じん)の項参照。

一貫樽目(いっくぁんだるみい)⓪: (名) 小魚の名。

一貫髷(いっくぁんまぎ)⓪: (名)[古] 髪結い料金の名。料金2銭(一貫)で、赤

  元結いを用いたもの。片頭結(かたかしらゆう)やあ[髪結い床]の項参照。 

一切(いっさい)@: (名)[新] 一切(いっさい)。ふつうは、諸(むる)、最(むっ)

とぅ。

一散(いっさん)⓪: (名) 一散に走ること。一生懸命走ること。一目散。 @一散

成(いっさんな)てぃ行(い)けえ。/一散に走って行け。

一散走(いっさんば)あええ⓪: (名) 一散に走ること。一目散に走ること。 @唐

船(とおしん)どおいい為(しゃ)んてえまん、一目散走(いっさんば)あええ成(な)

らんすぃや〜(俗謡)。/唐船だぞと言ったところで、一目散に走らない者は〜。 ※

カチャアシイ、の時の定番曲である。

一志(いっしい)@: (名) 志。 一志立(いっしいた)てぃゆん。/志を立てる。

一尺(いっしゃく)⓪: (名) 一尺。

一勺(いっしゃく)⓪: (名) 一勺。 ※一勺は、一合の十分の一。

一升(いっしゅ)⓪: (名) 一升。

一升焚(いっしゅだ)ち⓪: (名) 一升だきの鍋。

一心具(いっしんぐう)⓪: (名) 子供をあやす遊戯の名。子供をひざの上に立たせ、

両手をとって前後に揺り動かす。動かしながら、一心具(いっしんぐう)、引(し)く

手(てえ)引(し)く。[意味は船の進む時の形容か]というはやしの入った童謡[明

(あか)しん焚物(たむぬ)ん買(け)ん候(そおら)に。](たい松やたきぎは買い

ませんか)を歌うので、この名がある。たい松やたきぎは山原から船で運ばれて売ら

れた。

急(いっす)い掠(かっす)い@: (副) いそいそ。うれしいことなどがあって、急

ぐさま。 @嬉(うっ)しゃ事(ぐとぅ)ぬ有(あ)くとぅ急(いっす)い掠(かっ

す)い為(しょ)おさ。/うれしいことがあるので、いそいそと急いでいるよ。 

一寸(いっすぃん)⓪: (名) 一寸。中指を折り曲げた中程の長さを基準にした。五

寸は指をひろげた時の親指の先と中指の先との長さを基準にした。 @小学校の時に

よく教わったが、今の学校ではこういうことを教えるのであろうか。

一艘(いっすう)⓪: (名) 一艘。

一層続(いっそおじい)ちい⓪: (副) 片はしから。残らず。すっかり。一層撫(い 

っそおなあ)でぃい、ともいう。 @如何(ちゃあ)る書物(しゅむつぃ)やてぃん

一層続(いっそおじい)ちい読(ゆ)でぃ通(とぅう)ゆん。/どんな本でも片はし

から読破する。

一層着(いっそおち)やあ⓪: (名) 普段着。晴着(うぁあじ)の対。

一層撫(いっそおなあ)でぃい⓪: (副) 一層続(いっそおじい)ちい、と同じ。

家達(いったあ)⓪: (名) おまえたち。きみたち。家(やあ)[おまえ]、の複数。 

➁おまえの家。 @家達(いったあ)うてえ。/おまえの家では。 Bおまえさん。

家(やあ)、よりもやや丁寧な感じをもつ。 C(接頭)おまえたちの。きみたちの。

おまえの。家達家(いったあやあ)[おまえの家。家家(やあやあ)とはあまりいわな

い。]家達腹(いったあはら)[おまえの側、きみの方]など。

家達腹(いったあはら)⓪: (名) おまえのがわ。おまえたちの方。

要(い)った物(むん)@: (名) 必要な物。重宝な物。便利な物。

一反(いったん)⓪: (名) 反物の一反。 ※一反は着物一着を仕上げるのに必要な

  布の長さ。

一竹二竹(いっちくたっちく)@: (名) 遊戯の名。「ずいずいずっころばし」のたぐ

い。数人が輪になって両こぶしを握って、握りこぶしの輪をつくる。ひとりが輪にな

ったこぶしに指で順番にさわりながら文句をとなえ、その最後の文句、やい、が当た

った者が芸をするとか、順番に当たるなどする。文句は、雑煮(じゅうに)が火(ふ

ぃい)があ竹木(ちくむく)巻貝(つぃんぼおらあ)があ御殿(うどぅん)ぬ後(く

し)んじ便所(ふうる)が、やい。または、雑煮(じょおに)ぬ来(ちい)があ竹木

(ちくむく)着物古(ちんぶる)着着物達(ちいちんたあ)が便所(ふうる)が、や

い。など。文句には一貫した意味はなく、南洋語のまねのつもりである。南風島(ふ

ぇえぬしま)あ[南の島人。踊りの名]の文句に由来する。 ※一貫した意味がない

ようであるが、原則にしたがい漢字を当てた。「沖縄語辞典」は後世への文化遺産であ

ることがよくわかる。

いっちゃあ@: (感) あら。まあ。女が、不思議なもの、きれいなものなどを見た場

合に使う。

いっちゃあくっちゃあ@: (感) おやまあ。あれまあ。女が使う。あきれた時などに

指を鳴らしながらいう。

一件(いっちん)⓪: (名) 事件。一件。

一斤(いっちん)@: (名) 一斤。160匁。 ※およそ600g。私が小学校のこ

ろは、お店では、お肉・野菜など、一斤、半斤と、はかり売りをしていた。

一番(いっちん)@: (副) 最も。一番。 @一番前(いっちんめえ)。/一番前。 @

  一番悪(いっちんわっ)さん。/一番悪い。 

一対(いっつぃい)@: (名) 一対。二つに相対して一組となるもの。

一対瓶(いっつぃいびん)@: (名) 錫瓶(すぃずぃびん)と同じ。錫瓶(すぃずぃ

  びん)はいつも一対で使うのでいう。

何時果報(いっつぃがふぃい))⓪: (名) いつ見ても変わらないこと。また、そのよ

うなもの。悪い意にいう。変わりばえがしないもの、パットしないもの、いつもなま

けているものなど。何時果報(いっつぃがふう)、何時報(いっつぃんふぃい)、何時

報(いっつぃんふう)、ともいう。 @彼(あ)りが着物(ちん)許(びけえ)ぬん有

(あ)らん、食(か)ぬる物(むぬ)ん何時果報(いっつぃがふぃい)やさ。/彼の

着物ばかりではない、彼の食うものもいつも同じだよ。

何時果報(いっつぃがふう)⓪: (名) 何時果報(いっつぃがふぃい)、と同じ。

何時(いっつぃ)ん報(ふう)⓪: (名) 何時果報(いっつぃがふぃい)、と同じ。

何時(いっつぃ)ん報(ふぃい)⓪: (名) 何時果報(いっつぃがふぃい)、と同じ。

一点(いってぃん)⓪: (名) 一緒。ひとまとめ。合併。 @此(ぬ)ぬ仕事(しぐ

と)お家(やあ)とぅ吾(わん)とぅ一点((いってぃん)に為(さ)な。/この仕事

はきみとぼくと一緒にやろうか。 @家立(やあた)ちゃあやすぃが本家(むうとぅ

やあ)んかい一点(いってぃん)に成(な)ゆん。/分家であるが本家と合併する。 

@越月(くたつぃち)ぬ物(むん)とぅ此月(くんつぃち)ぬ物(むん)とぅ一点(い

ってぃん)に算明(さんみん)為(せ)え。/先月分と今月分とひとまとめに勘定し

なさい。

一斗(いっとぅ)⓪: (名) 一斗。 ※一斗は十升。

何時取(いっとぅ)がよお⓪: (名) おはじき。女児の遊戯の名。

一時(いっとぅち)@: (名) しばらくの時間。暫時。 @一時待(いっとぅちま)

てえ。/しばらく待て。 @一時(いっとぅち)どぅやさ。/しばらくの間だよ。

*混効験集:坤巻・言語に、いつとき、とある。

一発(いっぱあ)⓪: (名) 子供の遊戯の名。また、その道具の名。大小2本の短棒

の、大きいほうで小さい方を打ち上げて遠くへ飛ばし、その距離を争う遊戯。左利(ぎ

っちょお)、ともいう。 @韓国のテレビ時代劇で、同じような遊びをしている場面が

あった。短い棒は、先の両端が斜めに切ってあり、長いほうの棒でその端をたたいて

打ち上げたあとに飛ばすのである。

一匹(いっぴち)⓪: (名) 一匹。

一俵(いっぴゅう)⓪: (名) 一俵。

一方風(いっぷうふう)⓪: (名) 一刻者。一徹者。がんこ者。

一腹一生(いっぷくいっしょお)⓪: (名) 一腹一生。同じ両親から生まれた間柄。

はらから。両親を同じくする兄弟姉妹の間柄。 @彼(あ)ぬ家(やあ)とぅ此(く)

ぬ家(やあ)とぅ昔(んかせ)え一腹一生(いっぷくいっしょお)やたん。/あの家

とこの家は昔は同じ親から生まれた間柄であった。

一本(いっぷん)⓪: (名) 一本。

一本松(いっぷんまあつぃ)⓪: (名) 一本松。

一杯(いっぺえ)@: (副) たいそう。非常に。たいへん。 @一杯(いっぺえ)清

(ちゅ)らさん。/たいそう美しい。

一杯九杯(いっぺえくっぺえ)@: (名) 方々。あっちでもこっちでも。

一方持(いっぽおむ)ち⓪: (名) [一方持] 扶持米のみをもらい、知行のないも

の。すなわち、名目だけの実在しない領地をもつ者。二方持(にほおむ)ち[二方持]

の対。

一方向(いっぽおん)けえ⓪: (名) 一方に偏すること。かたよること。偏向。

糸(いとぅ)⓪: (名) 絹。糸(いいちゅ)、と同じ。糸(いいちゅ)、を多く用いる。

  *おもろさうし・558に、いと、とある。

営(いとぅな)み⓪: (名)[文] いとなみ。生業。 @日々(ふぃび)ぬ営(いとぅ

な)みに引(ふぃ)かさりてぃ吾身(わみ)ぬ拝(うが)み欲(ぶ)しゃ有(あ)て

ぃん自由(じゆ)や成(な)らん。[日々のいとなみに 引かされて我身の 拝みぼし

やあても 自由やならぬ]日々の生活にひかされて、わたしはお会いしたくても自由

になりません。

暇乞(いとぅまぐぃ)い⓪: (名) いとまごい。 @暇乞(いとぅまぐぃ)ゆとぅ思

(む)てぃ持(む)っちゃる杯(さかづぃち)や涙泡盛(なみだあわむ)らち飲(ぬ)

みん成(な)らん。[暇乞よともて 持つちやるさかづきや 涙あはもらち 飲みもな 

らぬ]いとまごいだと思って持ったさかずきは、涙がいっぱいたまって飲むこともで

きない。

糸虫(いとぅむし)@: (名) 蚕。 ※共通語の糸虫(いとむし)は、こおろぎ、の

  ことらしい。

糸物(いとぅむん)@: (名) 絹物。

糸柳(いとぅやなじ)⓪: (名)[文] 糸柳。しだれ柳。 @尾類小身(じゅりぐぁみ)

や憐(あわ)り糸柳心(いとぅやなじぐくる)、風(かじ)ぬ押(う)すままに成(な)

りてぃ行(い)ちゅさ。[尾類小身やあはれ 糸柳心 風の押すままに なれていきゆ

さ]女郎の身はあわれ、糸柳のように、風の押すままに馴らされて行く。

厭(いとぅ)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) いとう。きらう。

狭(いば)い⓪: (名) 狭い所。窮屈な所。たくさんの人で、また家が建てこんで窮

  屈なところ。

狭(いば)い所(どぅくる)⓪: (名) 狭(いば)い、と同じ。

狭(いば)いぬ間(みい)⓪: (名) 狭苦しいところ。窮屈な中。

狭狭(いばいば)あとぅ@: (副) 小じんまりと。部屋などが狭くてしっくりした感

じを与えるさま。

狭(いば)さん⓪: (形) 狭い。窮屈である。狭苦しい。いる人・ある物に対して、

その場所が狭いのにいう。狭(しば)さん、の項参照。 @其(う)さ位(き)い人

(っちゅ)ぬ集(あつぃま)いどぅんせえ、如何(ちゃあ)る座敷(ざしち)やてぃ

ん狭(いば)さどぅ有(あ)る。/そんなに人が集まるならばどんな部屋だって狭い

さ。 @狭(いば)さぬ中(なあか)んかい割(わ)い込(く)でぃ行(い)ちゅん。

/窮屈な中に割り込んで行く。

伊八呂八(いはちろおはち)@: (名) 手八丁口八丁。弁論・手腕ともすぐれている

  さま。

狭所(いばどぅくる)⓪: (名) 狭(いば)い所(どぅくる)、と同じ。

威張(いば)やあ⓪: (名)[新] いばっている者。

狭(いば)やあ詰(しい)ちぇえ⓪: (副) 窮屈なさま。狭苦しいさま。人・建物・

  道具などがひしめいているさま。 

威張(いば)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) [新] いばる。

蝦(いび)@: (名) 蝦(えび)。

威部(いび)@: (名) [威部] 神のいる場所。また、神。 @坂本(さかむとぅ)

ぬ威部(いび)や成程(だんじゅ)音揺(とぅゆ)まりる節節清(ゆゆじゅら)が一

本(ちゅむとぅ)蒲葵(くば)ぬ三本(みむとぅ)。[坂本のいべや だんじよとよま

れる よよぎよらが一本 こばの三本]坂本の拝所はなるほどほめはやされる。くろ

つぐが一本、びろうが三本あって由緒ありげである。

いひいあはあ⓪: (副) 笑いさざめくさま。談笑するさま。 @いひいあはあっ為(し)

  御色気(うぃいるき)ぎさんやあ。/笑いさざめいて楽しそうだねえ。

伊平屋(いひゃ)⓪: (名) @伊平屋島。沖縄本島北方にある島の名。後地(くしじ

い)ともいう。 ➁伊平屋・伊是名(いじな)の両島を含めていう。 *おもろさう

し・951に、いゑや、とある。

節約(いびら)あ@: (名) けちんぼ。物惜しみする者。

節約(いびり)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) けちけちする。物惜しみする。 @節

約(いびり)とおん。/けちである。

苛(いび)り出(んじゃ)⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) [新?] (嫁などが)い

じめて追い出す。

伊波(いふぁ)⓪: (名) 伊波。 ※「いは」、うるま市石川の地名。

伊覇(いふぁ)⓪: (名) 伊覇。 ※「いは」、 島尻郡八重瀬町の地名。

御話(いふぁなし)@: (名) 昔物語。伝説。また、教訓的な話。説話。 

少(いふぃ)⓪: (名) 少し。わずか。少量。 @少(いふぃ)やさ。/少しだよ。

@少(いふぇ)え分(わ)かゆん。/少しはわかる。 @少(いふぃ)やか分(わ)

からん。/少ししか分からない。

苛(いぶ)い被(か)ぶい⓪: (副) 苛(いぶ)い強(しい)じい、と同じ。

苛(いぶ)い強(しい)じい⓪: (副) 盛んに値切るさま。苛(いぶ)い被(か)ぶ

い、ともいう。 @苛(いぶ)い強(しい)じい安(やすぃ)みらしゅん。/しきり

に値切って安くさせる。

異風(いふう)な@: (連体) 変な。異様な。異風な。 @異風(いふう)な仕方(し

  かた)。/変わったやりかた。 @異風(いふう)な人(っちゅ)。/異風な人。

位牌(いふぇえ)⓪: (名)[文] 位牌。 口語は、位牌(いいふぇえ)、御位牌(う

  いいふぇえ)。

指宿(いぶすち)⓪: (名) 指宿。鹿児島の地名。 ※「いぶすき」、沖縄の人には有

  名な地名だったのであろう。

苛(いぶ)やあ@: (名) いつも値切る者。

苛(いぶ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 値切る。

田舎(いなか)@: (名) いなか。多くは、首里・那覇に対して島尻・中頭をさす。

  国頭はふつう、山原(やんばる)というが、国頭をいうこともある。

田舎(いなか)あ@: (名) いなか者。特に、島尻・中頭の者。田舎(いなか)ん人

(ちゅ)の卑称。村の人に意では、島(しま)ぬ人(ちゅ)、という。

田舎言葉(いなかくとぅば)@: (名) @いなかことば。方言。 ➁島尻や中頭の方

言。国頭の方言は、山原言葉(やんばるくとぅば)、という。

田舎育(いなかすだ)ち@: (名) いなか育ち。

田舎風情(いなかふうじ)@: (名) いなか風。いなかの習俗。

田舎回(いなかまあ)い@: (名) いなか回り。

田舎(いなか)ん人(ちゅ)@: (名) いなかの人。特に、島尻・中頭の人。

稲福(いなふく)⓪: (名) 稲福。 ※「いなふく)、南城市大里の地名。 *おもろ

  さうし・1219および1220に、いなふく、とある。

猪(い)な擬(むどぅ)ち@: (名) 料理名。猪の肉の代わりに豚肉を白みそで料理

したもの。いのししもどきの意。

遺念(いにん)@: (名) [遺念] @死者の遺念。死者が残した念。また、遺念の

こもった死者の霊魂。いろいろな形となって現れるが、多くは夜、遺念火(いにんび

い)、となって現れる。 ➁あとへ残した気持ち。あとへ残した恨みの念。

遺念火(いにんびい)@: (名) [遺念火] ひとだま。死者の遺念が火となって現

れるとされるもの。旧暦8月の、八日日(よおかびい)にはことに多く現れる。

命(いぬち)@: (名)[文] 命。口語は、命(ぬち)。

栄野比(いぬふぃ)⓪: (名) 栄野比。 ※「えのび」、うるま市の地名。

祈(いぬ)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) [新] 祈る。元来は、拝(うが)ぬん、

  という。

戒(いまし)み⓪: (名) いましめ。懲戒。 @世間(しきん)ぬ戒(いまし)み。

  /世間のいましめ。

未(いま)に@: (副)[文] どうもの意か。また、いまだにの意か。 @未(いま)

に不審(ふしん)な彼(あ)ぬ鐘(かに)[今に不審なあの鐘(執心鐘入)]いかにも

不審なあの鐘。 ※執心鐘入(しゅうしんかねいり)は、玉城朝薫(たまぐすくちょ

うくん)作の組踊。

今風(いまふう)⓪: (名) 仲風(なかふう)と同じ。 ※琉歌と和歌が混合した歌

の形式。

今参(いまめ)え⓪: (名) 新参。いままいり。 @御人(うんじょ)お今参(いま

め)えぬ御客(うちゃく)どぅやる。/あなたは近ごろの新しいお客だ。

夢(いみ)⓪: (名) 夢。 @夢(いめ)えちょおん見(ん)んだん。/夢にさえ見

ない。少しも思わない。 @夢(いめ)え有(あ)らんがやあ。/夢ではないか。 @

夢(いみ)見(ん)んちゃる如(ぐと)おん。/(楽しくて)夢のようだった。 @

夢(いみ)見姦(みいがまら)しゃん。/悪い夢ばかり見る。夢見が悪い。(不幸の前

兆とされる。) @夢(いみ)ん見(み)い返(けえ)し返(げえ)し。/深く思って

夢にまで何度も見て。 @夢見(いみみ)い連(つぃる)がゆん。/夢を見続ける。

毎晩夢ばかり見る。 *混効験集:坤巻・言語に、いめ、とある。おもろさうし・7

30に、いめ、とある。

良身(いみ)⓪: (名) 量・体重がふえること。外米のように、煮るとふえて、特養

になるという場合に多く用いる。 @良身(いみ)為(しゅ)ん/※動詞化。

忌(い)み⓪: (名) 喪に服すること。忌み。 @忌(い)みに掛(か)かゆん。/

喪に服するような近い関係にある。 ※忌(い)みは共通語である。

意味@: (名)[新] 意味。普通には、肝故(ちむええ)、という。

忌(い)み明(あ)き⓪: (名) 忌み明け。喪の期間が終わること。

忌(い)み掛(が)かい⓪: (名) 喪に服すべき続き柄。

求(い)みじ強(ごお)じ⓪: (副) 矢の催促をするさま。 @求(い)みじ強(ご

  お)じっ為(し)。/盛んに催促して。

求(いみ)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 催促する。

鋳物(いむん)@: (名) 鋳物。

鋳物頭(いむんつぃぶる)@: (名) はげ頭。

鋳物鍋(いむんなあび)@: 鉄なべ。

鋳物薬缶(いむんやっくぁん)@: (名) 鉄びん。鋳物薬缶の意。 

御参(いめ)え⓪: (名) おいでになること。いらっしゃること。来ること・居るこ

と・行くことの敬語。 @御参(いめ)えぬ成(な)ゆみ。/いらっしゃることがで

きますか。参候(めんしょおら)りゆみ、というのと同じ。

御参(いめ)えぬ限(かあ)じ⓪: (感)[文] 船を漕ぐ時のかけ声。芝居用語。

御参(いめ)ん⓪: (自 不規則) おいでになる。いらっしゃる。いる・行く・来る

の敬語。同等や目上に使う。さらに上の敬語は、参候(めんせえ)ん、御参候(いめ

んせえ)ん。目下の年長への敬語は、参(めえ)ん。 @御参(いもお)り。/おい

でなさい。 ※内(うち)に若按司(わかあじ)隠(かく)り遣(や)い御参(いめ)

ん。[内に若按司 隠れやりいまいん(忠臣身替)]中に若按司が隠れておいでになる。

※忠臣身替(ちゅうしんみがわり)は、辺土名親雲上(へんとなぺえちん)作の組踊。

御参候(いめんせえ)ん⓪: (自 不規則) おいでになられる。いらっしゃられる。

  いる・行く・来るの敬語。参候(めんせえ)ん、よりさらに丁寧な形。

いや@: (感)[文] いや。やあ。 @いや、推参(すぃいさん)な小僧(くずう。/

[いや推参な小僧]やあ、生意気な小僧。

胞衣(いや)⓪: (名) えな。胎盤。あとざん。 ※胞衣(えな)は、徒然草61段

に登場する。

射矢(いや)@: (名) 矢。い‐は射の意か。

言遣(いや)い⓪: (名) 伝言。ことづて。言い遣りの意。

言遣(いや)い物(むん)⓪: (名) ことづかりもの。頼まれもの。

卑(いや)しゃあ@: (名) けちんぼ。いやしんぼう。

言(い)やでぃん⓪: (副) きっと。言わでもの意。 @約束(やくすく)やくとぅ

言(い)やでぃん来(ちゅう)さ。/約束だからきっと来るよ。

猪(いや)ぬ子(っくぁ)@: (名) 機織りの器具の名。織った布の部分を巻くもの。

  いのあし。いのつめ。きぬまき。

射矢絣(いやびいま)@: (名) 矢がすり。矢羽根の模様を織り出したかすり。 

胞衣笑(いやわれ)え⓪: (名) いや(あとざん)を家の裏に埋めて、隣近所の子供

を集めてそこで大いに笑わせた昔の習俗。あとざんは家の裏に埋めたが、その上を虫

がはうと、その赤んぼうが虫をこわがるようになるとされたので、それを防ぐまじな

いである。

魚(いゆ)@: (名) 魚。さかな。生きものおよび食品としての魚。肴(さかな)は

酒席の料理。 @魚取(いゆとぅ)いが行(い)ちゅん。/魚をとりに行く。 *お

もろさうし・373に、いよ、とある。

魚売(いゆう)やあ⓪: (名) 魚売り。魚を売り歩く人。

魚肉(いゆしし)@: (名) (食物としての)魚と肉。

魚針(いゆずぃい)@: (名) 釣り針。

魚天麩羅(いゆてぃんぷら)@: (名) 魚のてんぷら。

魚捕(いゆとぅ)やあ⓪: (名) 漁夫。りょうし。海(うみ)ん人(ちゅ)ともいう。

魚(いゆ)ぬ目(みい)⓪: (名) 魚の目。手のひら、足の裏などにできる小さい丸

  い皮膚のかたまり。 ※さかなの目は、アクセントが@になると思われる。

魚街(いゆまち)@: (名) 魚市。魚市場。首里では与那原あたりから来る魚が多い

  ので、夕方にたつのが普通であった。 

射(い)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼っち) 射る。弓で射る。鉄砲でうつ。 @鉄砲(て

ぃっぷう)さあに鳥(とぅい)射(い)ゆん。/鉄砲で鳥をうつ。 @鉄砲(てぃっ

ぷう)射(い)ゆん。/鉄砲をうつ。 @弓(ゆみ)射(い)ゆん。/弓を射る。

入(い)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼っち) 入る。はいる。

要(い)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼っち) 要る。必要である。入用である。 @要(い)

ゆらあ持(む)っち行(い)けえ、要(い)らんだらあ持(む)っちぇえ行(い)く

なけえ。/要るなら持って行けよ。要らないなら持っては行くなよ。 @要(い)ら

ん言(ゆ)すぃ事(ぐとぅ)。/無用な忠告。 @銭(じの)お要(い)らに。/金は

要らないか。

色(いら)あ⓪: (名) すけべえ。好色な者。

要(い)らあ⁼しゅん@: (他 ⁼さん、⁼ち) 貸す。立て替えて貸す。(少額の金、少

量の米・味噌など、消費するものを)一時立て替えて貸す。大金・家などを貸すには、

貸(か)らしゅん、という。

鎌(いらな)⓪: (名) 鎌。鎌(かま)、ともいう。

鎌柄(いらなずぃか)⓪: (名) 鎌の柄。軽いもののたとえとなる。 @旅(たべ)

  え鎌柄(いらなずぃか)ん荷成(にいな)ゆん。[諺]/旅は鎌の柄も荷になる。

選(いら)び過(すぃ)じ⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 選び過ぎる。えり好みしす

  ぎる。

選(いら)び人数(にんず)⓪: (名) 選ばれた人々。少数のすぐれた人々。選手。

幾人人数(いくたいにんず)、ともいう。

選(いら)び残(ぬく)し⓪: (名) えりのこし。選び残したもの。

選(いら)び出(んじゃ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) 選び出す。

伊良部(いらぶ)⓪: @伊良部島。宮古群島の島の名。 ➁沖伊良部島。奄美群島の島

の名。 ※「いらぶ」、伊良部島は全島が宮古島市に属する。

伊良波(いらふぁ)⓪: (名) 伊良波。 ※「いらは」、豊見城市の地名。

イラブウ⓪: (名) えらぶうなぎ。海蛇の一種。沖永良部島付近に産するのでいう。

  滋養分に富み、薬用となる。

イラブウ煎(しん)じ⓪: (名) えらぶうなぎを煎じた汁。

選(いら)⁼ぶん⓪: (他 ⁼ばん、⁼でぃ) 選ぶ。

要(い)ら⁼ゆん@: (他 ⁼あん、⁼てぃ) 借りる。立て替え借りする。(少額の金、

少量の米・味噌などを、その時使用するために)一時借りる。同量をあとで返す場合

に使う語で、同一物を借りて返す場合、たとえば家などには、借(か)ゆん、という。

伊良皆(いらんな)⓪: (名) 伊良皆。いらんみゃ、ともいう。 ※「いらみな」、宮

  古島市、石垣市、中頭郡読谷村の地名。

伊良皆(いらんみゃ)⓪: (名) 伊良皆。いらんな、ともいう。 ※「いらみな」、宮

古島市、石垣市、中頭郡読谷村の地名。

錐(いり)⓪: (名) 錐(きり)。

入(いり)@: (名) 西。東(あがり)の対。[入]または[西]と書かれた。にし、

は北。 @あがりは太陽が上がるという意味、いりは太陽が入るという意味である。

北をなぜ、にし、というのかは民俗学的な説があるようだ。

伊礼(いりい)⓪: (名) 伊礼。 ※「いれい」、中頭郡北谷町の地名。

西江上(いりうぃい)⓪: (名) 西江上。 ※「にしえうえ」、国頭郡伊江村の地名。

西表(いりうむてぃ)@: (名) 西表島。八重山群島の島の名。 ※「いりおもて」、

  西表島は、八重山郡竹富町に属する島。

入相(いりええ)⓪: (名) 夕暮れ。日暮れ。入相。夕入相(ゆういりええ)、ともい

う。

炒(い)り瘡(がさ)@: (名) はしか。麻疹。

入(い)り髪(がん)⓪: (名) 入れ髪。かもじ。婦人の髪に加える髪。

入(い)り髪端結(がんはあゆ)う⓪: (名) 男子の4〜5歳ころの髪の結い方。入

  れ髪をしてその端を折り曲げて結ったもの。

入(い)り髪星(がんぶし)⓪: (名) 彗星。ほうき星。形が、入(い)り髪(がん)

  に似ているのでいう。箒星(ほおちぶし)ともいう。

入(い)り子(く)@: (名) 入れ子。大小の箱または道具が、大きな物の仲に次々

  と納まるようにできたもの。

要(い)り具(ぐ)@: (名) 材料。

入(い)り子枕(くまっくぁ)@: (名) 入れ子式の枕。ひのき板で箱のように作っ

  た、夫婦用の枕で、入れ子式に、一方の枕が他方に納まる。 

入(い)り替(け)えしい⓪: (名) 品物を掛け買いし、次の品物を買う時などに、

先の勘定をする買い方。商取引の一種の慣習で、引(ふぃ)ち換(げ)え[代金ひき

かえの買い方]に対する。 @入(い)り替(け)えしい為(しゅ)ん。/※動詞化。

入(い)り替(け)え⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @入れ替える。 ➁お代わりを

  する。

入(い)り添(すぃ)い⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 追加する。入れて添える。

入(い)り高(だか)⓪: (名) 収入額。入って来る金高。 出(んじ)り高(だか) 

[支出高]の対。

入(い)りた切(き)い@: (名) (容器に物を)入れたまま。 @入(い)りた切

  (き)い持(む)っち来(く)うわ。/入れたまま、持って来い。

鱗(いりち)⓪: (名) @うろこ。 ➁頭のふけ。   

炒(い)りちい⓪: (名) 油いため。油でいためた料理。 @豆腐炒(とおふい)り

ち。/炒り豆腐。 @昆布炒(くうぶい)りち。/昆布その他をいためたもの。 そ

の他いろいろのものがある。

入(い)り違(ちがあ)⁼ゆん@: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 入れ代わる。交代する。

甍(いりちゃ)⓪: (名) 屋根のむね。いらか。かやぶき屋根の頂上のかまぼこ型に

なっているところをいう。 @甍葺(いりちゃふ)ちゅん。/屋根を葺く。 *おも

ろさうし・1122に、いりきや、とある。

射(い)り切(ち)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼っち) 射て(撃って)しとめる。

炒(い)り⁼ちゅん⓪: (他 ⁼かん、⁼ち) 炒る。また、油でいためる。

居(い)り切(ち)りい⓪: (名) 住み込み。雇用人が住み込んで働くこと。

射(い)り飛(とぅ)ば⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) すっかり射る。撃ちまくる。

入(い)り端(はな)@: (名) @茶の出花。茶の入れてすぐのもの。 ➁人が家な

どに入ってすぐ。入りはな。

要(い)り振(ふ)い@: (名) 不平。不満。着物・食物など物質上の不平不満にい

う。他の場合には、肝(ちも)お塞(ふ)がん[意に満たない]などという。 @着

物(ちん)ぬ要(い)り振(ふ)い為(しゅ)ん。/着物の不平を言う。 @物(む

ん)ぬ要(い)り振(ふ)い為(しゅ)ん。/食物の不平を言う。

入日(いりふぃ)@: (名) (彼岸の)入りの日。王家・大名家などが彼岸祭り[(御

紙(んちゃび)]を行う日。

入日(いりふぃ)@: (名) 入り日。夕日。 

入(い)り穿(ふ)が⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) (錐などで穴を)あける。

射(い)り穿(ふ)が⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) (鉄砲)で撃ち抜く。

入(い)り札(ふだ)@: (名) 入札(にゅうさつ)。札入(ふだい)り、は選挙の投

  票。 @※選挙に行くは、札入(ふだい)りいが行(い)ちゅん、という。

入(い)り船(ふに)@: (名) 入船。港に入る船。また、入港。

入(い)り船(ふに)御祝(ういうぇ)え@: (名) 旅に出た人の船が港(那覇)に

入った時の、出迎えの祝。入船ほっけ。 ※入船祝(いりふねほっけ)は、壱岐地方

などの言葉で、船が帰港した際の祝宴のこと。

入(い)り目(み)@: (名) 入り目。ものいり。出費。金がかかったり、物がいっ

  たりすること。

入(い)り目(みい)@: (名)[新] 入れ目。義眼。

入(い)り婿(むうく)⓪: (名) 入り婿。婿養子。 @入(い)り婿(むうく)取

(とぅ)ゆん。/入り婿をとる。 @入(い)り婿(むうく)成(な)ゆん。/入り

婿となる。

入(い)り婿(むうく)う⓪: (名)入(い)り婿(むうく)[婿養子]の卑称。

入(い)り虫(むし)⓪: (名) 甘藷が虫に食われること。虫食い。

入(い)り虫(むしゃ)あ⓪: (名) 虫食いいも。火虫(ふぃいむしゃ)あ、ともい

  う。

入(い)り物(むん)@: (名) 入れ物。容器。  

入(い)り前(めえ)⓪: (名) 収入。

西江前(いりめえ)⓪: (名) 西江前。 ※「にしえまえ」、国頭郡伊江村の地名。読

み方も本土並みになったのであろう。年寄のかたは、今も、「いりめえ」と言うのであ

ろうか。

要(い)り用(ゆう)@: (名) 入用。必要。

入(い)り⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) @入れる。 ➁(食べ物を)つぐ。よそう。 

@物入(むぬい)りゆん。/飯をつぐ。 @再餐(せえしん)入(い)りゆん。/お

代わりをつぐ。

入(い)り割(わ)い@: (名) 言い合い。口論。 @入(い)り割(わ)い為(し

  ゅ)ん。/※動詞化。 

入(い)り割(わ)い加(くぁ)あ割(わ)い@: (副) 言い争うさま。 @入(い)

  り割(わ)い加(くぁ)あ割(わ)い為(しゅ)ん。/※動詞化。

西向(いりん)けえ⓪: (名) 西向き。

色(いる)⓪: (名) 色。また、顔色。 @色出(いるんじ)ゆん。/色が出る。ま

た、顔色がよくなる。血色がよくなる。 @色飛(いるとぅ)ぶん。/色が飛ぶ。ま

た、色を失う。驚いて真っ青になる。 @色脱(いるぬ)ぎゆん。/色が抜ける。色

がなくなる。また、血色がなくなり顔色が悪くなる。 @色見分(いるみいわ)かし

ゅん。/差別する。人によって分けへだてする。色分(いるわ)かしゅん、ともいう。

 @色(いろ)お芙蓉(ふよお)ぬ色(いる)、肌(はだ)あ剥(ん)ち卵(たまぐ)

ぬ色(いる)。/顔の色は芙蓉の色、肌はうで卵をむいたような色。美人を形容してい

う。

色色(いるいる)⓪: (名) いろいろ。さまざま。 @色色(いるいる)やっさあ。

  /いろいろだよ。 @色色(いるいる)ぬ。/いろいろの。

色香(いるか)⓪: (名) 色香。色と香り。

色数(いるかじ)⓪: (副) 種々。種種雑多。いろいろ。 @花(はな)ぬ色数咲(い

るかじさ)ちょおやびいん。/花がいろいろと咲いています。

色気(いるき)さ⓪: (名) 顔色。血色。 

居(い)るしが欲(まあ)し⓪: (名) あいにく。折りあしく。 @居(い)るしが

欲(まあ)しやっさやあ。/あいにくでしたねえ。

色(いる)しゅ色(もお)しゅ⓪: (副) 次の句で用いる。 @色(いる)しゅ色(も

お)しゅ脱(ぬ)ぎゆん。/驚いて青くなる。色を失う。

色好(いるずぃ)ち⓪: (名) 色好み。好色。

色相色相(いるそおもおそお)⓪: (副) 驚いて顔色が青くなるさま。

色付(いるつぃ)き餅香(むちごお)⓪: (名) 甑御菓子(くしちうくぁあし)[祭祀

  用の蒸し菓子]の一種。赤青黄の三食で、波型模様がある。

色清(いるぢゅ)らさん⓪: (形) (人・花・器物などの)色が美しい。

彩(いるどぅ)い⓪: (名) 色どり。彩色。

色取合(いるどぅやあ)し⓪: (名) 色のとりあわせ。配色。

色脱(いるぬ)があ⓪: (名) 血色の悪い者。また、(驚いて)青くなった者。⁻ぬが

  あ<脱(ぬ)ぎゆん。 @色脱(いるぬ)があ成(な)とおん。/顔色が悪い。

色(いる)ぬ着物(ちん)⓪: (名) 芭蕉布に着色した士族男子用の礼服。色の衣の

  意。夏用は水色無地。冬用は茶色無地。

色直(いるのお)し⓪: (名) 染め直し。色あげ。

色見安(いるみいや)しい⓪: (名) 現金な人。

色見安(いるみいや)っさん⓪: (形) (喜怒哀楽の情が)顔色に現れやすい。現金

  である。

色見変(いるみがあ)い⓪: (名) @(驚いて)顔色が急変すること。 ➁変節。

色欲(いるゆく)⓪: (名) 色欲。

色分(いるわ)き⓪: (名) 色分け。色別。物事の区別。

色分(いるわ)きい⓪: (副) 特に。とりわけ。特に区別して。

色(いる)んな⓪: (連体) @いろいろな。いろんな。 @彼(あ)れえ色(いる)

んな書物(しゅむつぃ)多(うほお)く持(む)っちょおん。/彼はいろいろな本を

たくさん持っている。 ➁変な。妙な。異様な。 @此(く)ぬ頃(ぐる)ぬ世間(し

きの)お色(いる)んな事(くとぅ)ぬ有(あ)っさあ。/このごろの世の中は普通

でないことがあるねえ。

答(いれ)え⓪: (名) 応答。返事。答え。 *混効験集:坤巻・言語に、いらへ、

  とある。

要(い)れえ借(か)い⓪: (名) 借りてばかりいること。貧しいくらしのさまをい

  う。いれえ<要(い)らゆん。⁼かい<借(か)ゆん。 

答(いれ)え答(くて)え⓪: (名) 応答。返答。 @答(いれ)え答(くて)えん

無(ね)えん。/うんともすんとも言わない。 ※答(いら)ふ、答(こた)ふ、を

二つ並べた興味深い語である。

答(いれ)え返事(ふぃじ)⓪: (名) 応答。返答。返事。

答(いれ)え⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) 答える。返事する。 ※答(いら)ふ、      

は共通語の古語である。答(いら)ふ、は和文体でよく使われ、答(こた)ふ、は漢

文体でよく使われるようである。

岩(いわ)@: (名)[文] 岩。口語は、石(すぃい)、または、大石(うふし)、とい

う。

言(い)わり@: (名) いわれ。由来。

犬(いん)⓪: (名) @犬。 @犬(いん)ぬ歯(はあ)にん蚤(ぬみ)。/犬の歯に

も蚤。まぐれ当たりの意。犬の歯は不揃いだが、それでも蚤をかみ当てることがある

という意。 @犬(いん)とぅ猫(まやあ)とぅ。/犬と猫と。仲の悪いたとえ。犬

猿というのと同じ。 @犬(いん)ぬ立(た)ち鳴(な)ち。/犬が夜、怪しい声で

長泣きすること。魔物をみて泣くとされる。 ➁十二支の戌(いぬ)。時刻は午後8時、

方南は北寄りの西。

印(いん)@: (名) 印。判(はん)、ともいう。

因果(いんぐぁ)⓪: (名)[文] 因果。多く不孝をなげいていう。 @吾如(わんぐ

と)る至極(しぐく)因果(いんが)ぬ者(むぬ)や居(う)らん。[我如る至極因果 

の者や居らぬ(花売之縁)]わたしのようなひどく因果なものはいない。 ※花売之縁

(はなういぬいん)は、高宮城親雲上(たくみやぐすくぺえちん)作の組踊。

犬小(いんぐぁあ)⓪: (名) 子犬。犬ころ。

犬小這(いんぐぁあぼお)い⓪: (名) 四つんばい。犬のように四つんばいになって

  はうこと。

同九年母(いんくにぶ)⓪: (名) 橙。橙(でえでえ)、ともいう。 ※橙(だいだい)

は読み方さえも難しくなった。小学校のころは、オレンジ色をだいだい色と言った。

インジリ⓪: (名) 英国。 インチリ、ともいう。 @Englandがなまったものか。

隠元豆(いんじんまあみ)⓪: (名) いんげん豆。

揺(い)んだあ木(ぎい)⓪: ぶらんこ。

短(いん)ちゃあ⓪: (名) 短いもの。短(いん)ちゃ物(むん)、ともいう。背の短

い者には、短(い)ん人(ちょお)、という。

短(いん)ちゃあ長(なが)あ⓪: (名) 短いのや長いの。長短不揃い。

短(いん)ちゃさん⓪: (形) 短い。

短(いん)ちゃ棒(ぼお)⓪: (名) 短い棒。次の句で用いる。 @短(いん)ちゃ

棒(ぼお)持(む)っち長追(ながうう)い為(しゅ)ん。/短い棒を持って長追い

する。十分な根拠や力がないのに、しつこく追及するのを非難めいて言う時に使う。

短(いん)ちゃ物(むん)⓪: (名) 短いもの。短(いん)ちゃあ、ともいう。

隠居(いんちゅ)@: 隠居。年寄って公役を免ぜられること。また、罰せれれて役職を

  免ぜられること。また、楽隠居。

短人(いんちょお)⓪: (名) 背の低い者。ちび。短(いん)ちゃ、は短いもの。

インチリイ⓪: (名) 英国。インヂリイ、ともいう。 ※Englandがなまったものか。

少(いん)てえん@: (名) 少し。わずか。小(くう)てえん、と同じ。 @少(い

ん)てえのお有(あ)さ。/少しはある。 @少(いん)てえどぅやる。/少しだ。

少(いん)てえ小(ぐぁあ)⓪: (名) ほんの少し。

豌豆(いんどぅう)⓪: (名) 豌豆豆(いんどぅうまあみ)、と同じ。

豌豆豆(いんどぅうまあみ)⓪: えんどう豆。

陰徳(いんとぅく)@: 陰徳。人に知られない善行。 @陰徳取(いんとぅくとぅ)ゆ

  ん。/人に知られない善行を行う。気の毒な人を助けた場合などにいう。

犬止(いんどぅ)み猪止(やまどぅ)み⓪: (名) [海留め山留め]農村で稲の花が

咲くころのある期間、稲を驚かさないために、鳴り物や大きな音をさけること。また、

その期間。単に、物音(むぬうとぅ)、ともいう。 

犬猫(いんまやあ)⓪: (名)[文] 犬猫。畜生。 @浅(あさま)しや一人(ふぃち

ゅい)思(うむ)い焦(くが)りとぅてぃ、道芝(みちしば)ぬ露(つぃゆ)とぅ共

(とぅむ)に消(ち)い果(は)てぃてぃ、犬猫(いんまや)ぬ餌食(いじき)成(な)

ゆらとぅ思(み)ば。[浅間しや一人 思焦れとて 道柴の露と 共に消え果てて 犬

猫のゑじき なゆらと思ば(花売之縁)]あさましいことよ、一人で思い焦がれながら

路傍の露と消え果てて、犬猫の餌食になるだろうと思うと。 ※花売之縁(はなうい

ぬいん)は、高宮城親雲上(たくみやぐすくぺえちん)作の組踊。