表紙 前文

 

 ?あ ?い 'い ?う 'う ?え 'え ?お 'お                

 

   け

 

櫂(けえ)⓪: (名) 櫂。合来(ええく)、会来(ぅうぇえく)、ともいう。

貝(けえ)⓪: (名) 貝。

笥(けえ)⓪: (名) さじ(匙)。

櫃(けえ)@: (名) ひつ。衣裳箱。唐櫃に似た中国風の箱であるが、足はない。衣

類を入れる。かぶせぶたがあり、さらに、格護(かくぐ)、という中ぶたがあって、そ

の下に衣類を入れる。婚礼の時、花嫁が着物をいっぱい入れて持参する。敬語は、御

櫃(んちぇえ)。

粥(けえ)@: (名) 粥。御粥(うけえ)、という。

けえ⁻: (接頭) 動詞につき、ちょっと〜する、軽く〜する。また、思い切って〜する、〜

しちゃうなどの意を表す。接頭辞、ちい⁻、と似ている。 @けえ掃(ほお)ちゅん[

ょっと掃く]、けえ撫(な)でぃゆん[ちょっとなでる]、え買(こお)ゆん[買っ

てしまう、思い切って買う]、など。

⁻階(けえ): (接尾) 階。家の階数を数える接尾辞。 @二階(にいけえ)、三階(

んけえ)、など。

⁻けえ: (助) よ。「禁止形」に付く。 <置(う)けえ[置けよ]。 @為(しゅ)

なけえ。/するなよ。 @行(い)くなけえ。/行くなよ。   

害(げえ)@: (名) @害。わざわい。さまたげ。 ➁反抗。敵対。 @害(げえ)

為(しゅ)ん。/反抗する。はむかう。敵対する。 @吾(わん)にかい害(げえ)

い。/わたしに反抗するか。

返(けえ)い⓪: (名) おつり。つり銭。返(けえ)し戻(むどぅ)し、ともいう。

帰(けえ)い⓪: (名) 帰り。帰路。

還(げえ)い⓪: (名) @還俗。出家して僧となったものが俗にかえること。 ➁

ったん、賛成(さんしい)[賛成。明治政府支持派で、断髪した者]になった者が、の

ちに髪をたくわえ、もとの、不賛成(ふさんしい)[不賛成。明治政府に服従せず、清

に頼ろうとした派で、結髪していた]に帰ること。

けえ行(い)ちゅん⓪: (自・不規則) 行ってしまう。思い切って行く。

替(けえ)着物(ぢん)@: (名) 着替え。着替えの着物。

帰(けえ)道(みち)⓪: (名) 帰りみち。帰途。

笥置(けえう)ち⓪: (名) 小皿。小皿(くざら)、ともいう。お茶漬けなどを盛るも

  の。

けえ買(こお)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 買ってしまう。思い切って買う。

⁻返(けえ)さあ: (接尾) 何度もくり返すこと。また、そうしたもの。 @蒸(ぅん

ぶ)らし返(けえ)さあ。/何度も蒸し直した料理。 @熱(あつぃ)らし返(けえ)

さあ。/何度も暖め直した食物。 @直(のお)し返(けえ)さあ為(しゅ)ん。/

何度も直す。 など。

返(けえ)し⓪: (名) @お返し。返礼。 @返(けえ)し為(しゅ)ん。/返礼を

する。 ➁し返し。返報。 @返(けえ)し置(う)ちゅん。/し返しをする。復讐

する。 B地震のゆり返し。余震。大風の吹き返し。暴風が途中でいったんやんでか

ら、反対の方向から吹き返すこと。 @返(けえ)し打(う)ちゅん。/吹き返しが

起こる。

返(けえ)し働(ばたら)ち⓪: (名) 耕作の労働。田畑を打ち返す労働。返(けえ)

  し畑(ばる)、ともいう。

返(けえ)し畑(ばる)⓪: (名) 返(けえ)し働(ばたら)ち、と同じ。

返(けえ)し儘(まあ)⓪: (名) 着物を裏返しに着ること。

返(けえ)し戻(むどぅ)し⓪: (名) おつり。つり銭。替(けえ)い、ともいう。 

@返(けえ)し戻(むどぅ)しや今(なま)や無(ねえ)遣侍(やび)らん。済(

ぃ)な侍(びい)さ。[返し戻しや 今や無いやべらぬ すみやべいさ(茶売節)]お

つり今はございません。結構です。

害為(げえしゃ)あ⓪: (名) 反抗する者。はむかう者。

返(けえ)⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) @(もとの所有者・状態、もとあった位置

に)返す。 ➁(人を)帰す。この意味では多く、帰(けえ)らしゅん、という。 B

耕す。(田畑を)打ち返す。耕(たげえ)しゅん、ともいう。 @畑(はたき)返(

え)しゅん。/畑を打ち返す。 C(接尾)〜し返す。取(とぅ)い返(けえ)しゅ

ん[取り返す]など。

海上(けえしょお)@: (名) 航海中。船が航海を続け海上にあること。 @鹿児島

(かぐしま)んかいぬ海上(けえしょお)ぬ場所(ばしゅ)大風(ううかじ)成(な)

てぃ。/鹿児島への航海中に嵐になって。

開静(けえじょお)⓪: (名) [開静]寺院で明けがたに鳴らす鐘。「日出卯の楼鐘百

八の声を云(混効験集)。もともと禅林で晨朝板を鳴らすことで、静眠を開覚する意。 

@波上(なんみん)ぬ開静(けじょ)や首里(しゅい)開静(けじょ)とぅ思(む)

てぃ里(さとぅ)起(う)くち遣(や)らち吾肝(わじむ)痛(や)ぬさ。[波上の開

静や 首里の開静ともて 里起ちやらち 吾肝やぬさ]波上護国寺の鐘を首里円覚寺

の鐘と思い違えて、愛する人を早く起こして帰してしまい残念だ。辻遊郭の遊女の

んだ歌。護国寺の鐘は円覚寺の鐘より早く鳴った。 *混効験集:乾巻・時候に、

いしやう、とある。

開静鐘(けえじょおがに)⓪: (名) [開静鐘]開静と同じ。 @世間(しけ)や暗

闇(くらやみ)か覚(う)ずむ人(ちゅ)や居(うぅ)らん、軈(やが)てぃ開静鐘

(けじょがに)ん鳴(な)ゆらやすぃが。[世界やくやみか うずむ人や居らぬ や

がて開静鐘も 鳴ゆらやすが]世の中は暗やみなのか、目ざめる人はいない。やがて

夜明けの鐘も鳴るであろうに。革命の近いのを諷した歌。 ※組踊「執心鐘入」に登場

する鐘は、「開静鐘」である。

咳気(げえち)⓪: (名) [咳気]風邪。風邪ぎみ。咳の有無にかかわらずいう。

替(けえ)ちい⓪: (名) 替(けえ)るう、と同じ。

却(けえ)てぃ⓪: (副) かえって。むしろ。却(けえ)てえ。却(けえ)てぃんか

い、ともいう。

却(けえ)てぃんかい⓪: (副) かえって。むしろ。却(けえ)てぃ、却(けえ)

  え、ともいう。

却(けえ)てえ⓪: (副) かえって。むしろ。却(けえ)てぃ。却(けえ)てぃんか

  い、ともいう。 @却(けえ)てえ其(う)え好(ま)し。/かえってそれはよい。 

掻取(けえとぅ)い引(ふぃ)ち取(とぅ)い⓪: (副) 他人のものを取ったり、ご

まかしたりするさま。

近隣(けえとぅな)い⓪: (名) 近隣所。一近隣(ちゅけえとぅな)い、ともいう。

描取(けえとぅ)⁼ゆん⓪: (他 ⁼らん、⁼てぃ) かっぱらう。ちょろまかす。かすめ

  とる。

腕(けえな)⓪: (名) かいな。二の腕。肩から肘までをいう。

けえ這(は)ち来(ちゅう)ん⓪: (自・不規則) 来てしまう。 @けえ這(は)ち

来(ちゅう)。/来ちゃえよ。

帰・返(けえ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @(自宅・もといた場所に)帰る。 ➁

(もとの所有者・状態、もとあった位置に)返る。 B(複合語として)落(う)

ぃ返(けえ)ゆん[子供の状態に返る]、童(わらび)成(な)い返(けえ)ゆん[老

衰して、子供に返る]など。

替・変(けえ)⁼ゆん@: (他 ⁼らん、⁼てぃ) 替える。変える。 @着物(ちん)替

(けえ)ゆん。/着物を替える。 @銭(じん)替(けえ)ゆん。/金をくずす。

還(げえ)⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) @(勝負事に負けるなどで)面目を失う。

  萎縮する。 ➁還俗する。

返(けえ)らし転(くる)ばし⓪: (副) ひっくり返したりころがしたり。物を粗末

に扱うさまなどをいう。 @返(けえ)らし転(くる)ばし為(しゅ)ん。/※動詞 

化。

返・帰(けえ)ら⁼しゅん⓪: (他 ⁼さん、⁼ち) @けえゆん(帰る、返る)の使役形。

帰す。帰らせる。返らせる。 ➁ひっくり返す。 @獅子(しいし)返(けえ)らし

ゅん。/獅子舞を踊る。獅子をひっくり返すようにして踊るのでいう。

返(けえ)り転(くる)び⓪: (名) 抱腹絶倒。笑いころげること。

返(けえ)り⁼ゆん⓪: (自 ⁼らん、⁼てぃ) ひっくり返る。くつがえる。転覆する。

返(けえ)りら返(けえ)りら⓪: (副) ひっくり返りそう。 @返(けえ)りら返

(けえ)りら為(っし)見(んん)ちん危(あや)っさん。/ひっくり返りそうで、

見ていてはらはらする。

返(けえ)りん転(くる)びん⓪: (副) @ころげ回るさま。 ➁(無精して)ごろ

  ごろしているさま。

替(けえ)るう⓪: (名) 交換。取り替えっこ。替(けえ)いい、ともいう。

えん: (接尾)回。回数を数える接尾辞。 @一回(ちゅけえん)⓪、二回(たけえ

ん)@、三回(みけえん)@、四回(ゆけえん)@、五回(いつぃけえん)⓪、六回

(むけえん)@、七回(ななけえん)⓪、八回(やけえん)@、九回(くくぬけえん)

⓪、十回(とぅけえん)@、幾回(いくけえん)⓪[何回]、など。

祓薄(げえん)⓪: (名) お祓いに用いる串。すすきを数本束ね、葉の先を折り曲げ

て結んで作ったものが多い。守(まぶ)込(ぐ)み[その項参照]の際などに用い

る。

けんけん@: (副) 念仏宗のこじき[念仏(にんぶちゃ)あ]のたたく鉦の音。